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◆北の神様(その8)


◆北の神様(その8)


巨大な謁見の間で西の使者(No2の神様)は、緊張しながら平伏し北の神が現れるのを待っていた。

北の神は気難しいことで知られていた。

自分が上手く状況を説明できなければ、この世界から即座に消されてしまうことだろう。

待っている間に、説明内容と順番を何度も繰り返し確認している。

やがて辺りの静けさに加え、冬の早朝に似た凍えた空気のような気配に変わるとスッと北の神が使者の前に現れた。


「西の神の使者よ! 何の用か?」

その声は、聞いた者全てが凍りついてしまいそうな声音である。

「あの・・その・・実は・・」

西の天界でNo2の実力を持つ神もその声を聞き、練習した甲斐もなく、しどろもどろになる。

北の神は、西の使者を冷ややかな目で射るように見下ろしている。

『ああっ、このままでは消されてしまう』

使者は焦った。


「あの・・西の神が大神に呼び出されたまま消息が不明となっておりまして・・そのぉ・・復活の儀式が滞っており、このままでは、西の天界は・・」

そこまで話しをした時、謁見の間にミキが、のこのこと現れる。


「あのっ、北の女神様。 これをお忘れになっていませんか?」

ミキは使者が謁見中である事に気付かず、小さな下着を北の女神に差し出す。

「あっ・・ミキ様・・こちらにいらしたのですか・・・」

使者はミキの姿を見つけて、驚きの声をあげた。

フッ

声をあげたその途端、使者は広間から消えてしまった。


あっ・・

たった今消滅した使者の顔をどこかで見たような気がしたが、ミキはそれ以上を思い出すことが出来ない。

手には、北の女神のものと思われる下着を握ったままである。

「アハッ・・ ど、どうも失礼しましたぁ・・」

『ヤバイ、ヤバイ・・超KYだったよ、あたし・・』

そのまま、神殿の謁見の間から、いそいそと出て行こうとするが。

「ちょっと待って」

北の女神から呼び止められる。


ギクゥーーッ

『マ、マズイーーー』

「さっきは、折角楽しかったところ、邪魔が入って残念だったわね」

「は、はい」

「次は、ローズ風呂を用意させてるの。 用意が出来たら呼びにいかせるからね」

「ローズ風呂ですか?」

「そう、とっても香りが良いのよ。 きっとリラックスできるとおもうわ」

「それは楽しみです」

ミキは、家のバス○リンのお風呂のようなものだと思ったが、後でそれが大きな勘違いだったと知るのであった。



次回、「北の神様(その9)」へ続く


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