表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/21

◆南の神様(その4)


◆南の神様(その4)


人っ子一人いない、巨大なテーマパーク・・・

3日後、ここは50万の復活前の魂で溢れる事になるが、本物の数十倍の広さがあるので何とかなるだろう。

問題は今日中に魂の清浄化を自動判別する装置が出来るかだ。

でもあの南の神なら、いとも簡単に創ってしまうだろう。

見返り報酬は、一石二鳥だ。

なにしろ、地獄の復活前魂50万人分を一旦、南の神の神殿に集めれば済んでしまうのだ。


「お姉さん。 試作機ができたわよ」

不意に声がした方に振り向くと、南の神が学生カバンほどの大きさの機械を手に持って立っていた。

「えっ? も、もう・・ まだそんなに時間が経っていないのに・・・」

「うふふ。 頭の中のイメージを力で形にするだけだからね」

「そんなんで出来ちゃうんだ?」

「あら、だから神の力は偉大なんじゃないの」

「・・・」

ミキは何かを言おうと思うのだが、言葉にならない。

「早速、試運転したいんだけど。 どうする?」

「あっ、それじゃ西の神殿に来てもらっていいかしら?」

「OKよ」

「それじゃっ、レッツゴー!」

二人の女神は、西の神殿に瞬間移動する。

           ★

ここは西の神殿の一室。

この部屋には、予め地獄から選んで持ってきた魂が10体ほど保管してあるのだ。

もちろん浄化期間が過ぎていないものが半分ほどある。

「じゃあ早速やってみましょう!」

南の神は、ちょっと怪しげな装置をテーブルの上に置き、蓄音機のラッパのような部品をその装置に取り付けた。

「いくわよ! お姉さんは、そこから順番にゆっくり魂を入れていってくれる」

「了解ッス」

ミキはラッパのような格好をした部品へ魂を一つ入れる。

魂はラッパの中に吸い込まれていくが、少し抵抗をしているようにも見えた。


ズボッ

掃除機に大きなゴミが吸い込まれたような音がして魂が見えなくなる。

その途端に「ブッブーーッ」と言う音と共に装置の赤いランプが点滅した。

「残念! この子は不合格だぁ」

南の神は不合格なのに嬉しそうな声でしゃべる。


「はい次っ! 入れて!」

「は、はい!」

ミキは二つ目の魂をラッパから押し込む。

ズボッ

ピンポ~ン

今度は緑色のランプが点滅する。

「は~い。 アナタは合格よ~ん♪」

こうして10体の魂は、合格、不合格に振り分けられた。

「だけど本当に正しく振り分けられているの?」

「うふふ。 あたし達は神様なのよ! 間違えるハズなんかあるわけないじゃ無いの」

「そ、それならいいんだけど・・・」

ミキは少し不安げに義理の妹でもある、南の神様の幼い顔を見詰めるのあった。


次回、「南の神様(その5)」へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ