骨董老人の逃がした魚は大きかった、、というお話。ああ、、あの時買っとけばよかった、
逃がした魚は大きい話(骨董編)
①川端玉章
玉章の
落雁図です。これは去る骨董店で見かけたものです。
箱書きは去る大家の鑑定箱。
墨一色の、その幽玄美、
濃淡の綾なす美の世界。
あああの時買っておけばよかったのに。
諸事情で買えなかったのです。
②古萩茶碗
これは一見していいものでしたね。
箱といい作行といい文句がつけられません。
その磁胎の枯れた哀れさ。
高台の枯れきった美、
カイラギは究極の宇宙美でしたね。
結論
高すぎて買えませんでしたが。
③御手鑑
これはですね。去る大名家の出の
何でもひいさまがお嫁入りの際持たせたもので。
二重箱入り、
金粉ちらしの料紙で
もう文句がつけようがありませんでした。
これも高価すぎましたね。
④狩野夏雄、金工作品
なつをと切り銘したその
金工作品は
まぎれもないあの明治の大家
狩野夏雄でしたね。
桐箱入りのその作品は
手の届く値段ではありませんでしたが。
⑤石棒
縄文期の呪術石器、石棒です。
去る露店市でござの上にごろんとおいてありました、
長さ1,2メートル、
もちろん時代品本物です。
薄青色の砂岩でしょうか?
いい味出してるんですね。
こんな名品?にお目にかかったこともありません。
で?あまりにでかすぎて
どうしようかと迷って買わずじまいでした。
あの時買っておけばよかったのにと今でも悔やまれます。
あんな名品あれ以来2度と見かけません。
⑥巨大な聖書(明治期日本語の聖書です)
それはもう10年位前のことです。
私のところに年4回送ってくる売り立て古書目録があるのです。
そこに縦49センチ横30センチ厚さ10センチという巨大な明治末頃の日本語訳聖書があったのです。
分厚い皮表紙の金文字の聖書です。
たぶん想像するにどこかの教会用の聖書だったと思われます、
あの時買っておけばよかったのにと今も悔やまれます。
もう2度とお目にかかれない聖書です。
⑦古瀬戸瓶子
行きつけの骨董店で、、
こう書くとなんかすごい旦那遊びの
金持ちみたいですが
実際は安サラリーマンでしたが。
ひょいと見るとそこにありました。
たいていこういうので本手は
釉薬が無残に剥がれ落ちていたり
つぎはぎだらけ寄せ集めだったりするのですが
これは本物でしかも釉薬がはがれていない、
永仁銘の偽物みたいに釉薬が見事に流れています。
これは無名、無年紀ですが
まちがいない本物で状態が良い。
ああしかし、当時、20年前、
私に買える額ではありませんでした。
今でも買えませんが、、、。
⑧釉裏紅竜紋天球瓶
これも良いものでしたね。
なぜかというと、直しがあったからです。
直しがなければおそらく数百万円?
清代のそれもやや時代が下りますが
とってもいいものなんです。
直しがあることで逆に真正品の証拠でしたね。
釉薬のおぼろな感じがいいんです。
でも直しがあっても数十万円とは?
そりゃ、ちょっと、酷じゃあありませんか?
⑨甲斐黒川谷産出の巨大水晶球
おそらくは江戸前期はあると思われる
日本産の貴重な天然水晶球です。
何でもその箱書きによると修験道の行者が持っていたもので
産出は黒川谷あたりという、
いわくありげな古箱に収まっています。
なんと直径20センチあまり、
こんな巨大な日本産水晶球はもう取れませんね。
幾分スモーキークオーツっぽいですが
透明感は十分あります。
それにしても貴重なこの水晶。
10数年前で
お値段は500万円とは。
そりゃあ無理です。
今ならもっと高いかも?
⑩享保大判
あるところで場所は明かせませんが
享保大判の本物が売られていたのです
こんなこともあるんですね。
まさしく本物です。
私は古銭研究30年です。
間違うはずもありません。
鑑定の筋がすべて当てはまります。
まさしく本物、
「どうも金出来の偽物古鋳造品らしいよ」
なんて言ってますが
これは本物です。
でも金出来だからということで
結構高いことを言うんです。
まあ大判値段からすれば10分の1ですがね。
なぜ買わなかったか?
目は聞いてもお金がないからです。
それから一つ難点が、あったからです。
墨書きが薄れてるんです。
半分消えてます。
これは欠点ですね。
でも本物ですよああ
あのとき借金してでも買っとけばよかった。