〈第二十四話 長旅には必要な物です〉
「……待たせて悪かったな。今回の魔石の代金だが、結界に使用した分も含めて、中サイズが一個に大サイズ四個で、金貨四十五枚に銀貨三枚。それに、特上ポーションが五枚で金貨三十枚。それから……魔物の討伐料がBランクの魔犬が一頭で金貨八枚。Aランクのシルバータイガー四頭で、金貨六十三枚。最後に、Sランクの依頼達成で金貨二十枚。……合計、金貨百五十八枚に銀貨が十一枚だ。白金貨でよかったな。確認してくれ、白金貨十五枚に金貨一枚、銀貨九枚だ」
私はテーブルに置かれた革袋の中身を取り出し、確認する。少し色がついていたのに気付いていたが、それはギルマスの気持ちだと思って、私は何も言わずに受け取った。
(後で、【銀行】に預け入れしとかないと)
鞄に革袋をしまいながらそう思っていると、ギルマスが話しかけてきた。
「結構な額だな。何か欲しいものとかないのか?」
(欲しいものかぁ……実は、前々から一つだけ、欲しいものがあったんだよね)
「鞄が欲しいです。一杯荷物が入るのが」
「マジックバックのことか?」
「はい!」
(マジックバック!! 名前からして、私が欲しかったものだ。絶対、そう!!)
興奮してきた。
「出来れば、容量が大きいものが欲しいんですけど。良いお店を知りませんか?」
私はギルマスに尋ねる。ギルマスが教えてくれるお店に、まずハズレはないと思う。だって、ハンターに移動はつきものだから。
「マジックバックもピンからキリまであるしな。グリーンメドウには、さすがにないか。……そうだな。良いものだと、職人に直接作ってもらう方がいいかもな」
(オーダーメイドってことか)
「ギルマスは作ってもらったんですか?」
「ああ。ドワーフにな」
「ドワーフに?」
「ドワーフは手先が器用だからな。それに魔力もある。ドワーフが作った魔装具は質がいい」
(確かにそうだよね。セッカとナナを生み出したのは、ドワーフのダンだったし)
「ギルマス。お願いします! そのお店、紹介してもらえませんか!」
テーブルに両手をつき、身を乗り出して頼んだ。
「構わん。ちょっと待ってろ。今紹介状を書いてやる」
ニッコリと笑うと、ギルマスは紹介状を書いてくれた。一緒に地図まで添えてくれる。優しいなぁ。
「ありがとうございます!!」
私は嬉しくて頭を下げる。
「場所は、王都の外れだが……まぁ、ムツキなら大丈夫だろう」
地図と紹介状を渡しながら、ギルマスは一人納得する。
(ん? 何が大丈夫なの?)
私は首を傾げる。
「行けば分かる。それから、ムツキ、俺の名はケイだ。これからは、名前で呼んでくれ」
「分かりました。ケイさん」
私は何も考えずに、素直にギルマスの名前を呼んだ。ケイは機嫌のいい顔で微笑む。その時、後ろから皆の呟く声が聞こえた。
「「「……お前もか」」」と。
「何? どうかしたの?」
尋ねるが、その疑問には誰も答えてくれなかった。機嫌も悪い気がする。しかし反対に、ケイは可笑しそうに笑っていた。
「珍しいな、お前が笑うなんて」
ジェイがそう言いながら、マスター室に入ってきた。
「ノックぐらいしろ!」
ケイが注意する。「悪い」とジェイは軽く謝ると、長椅子にドサッと座り込む。
「こんにちは、ジェイさん」
「代金を貰いに来たのか?」
私は「うん」と頷く。ジェイはそんな私を温かい目で見詰める。
「いつまで、ここにいる?」
ジェイは尋ねてきた。
「明日には発とうかなって、思ってます」
「明日か。早いな」
「寄りたい所があるから」
「寄りたい所?」
「ケイさんに教えてもらったんです! マジックバックを作ってもらいに行こうかなって」
ウキウキしながら答える。
「…………ケイさん……」
ジェイの目がスーと細くなった気がする。視線も、私からケイへと移す。
(気のせい? ちょっと、体感温度が下がったような……)
『さっさと、ここから出るぞ』
シュリナが念話で命令してくる。
(そうだよね。ここは素直に出た方がいいよね。うん、そうしよう。回れ右!)
「…………失礼しました」
私はその場を抜け出した。ドアを閉めた瞬間、大きく息を吐き出す。なんか、すごく緊張したよ。マジで。
因みに
〈只今の貯金額(ドロップアイテム別で)〉
白金貨 二十一枚
金貨 三枚
銀貨 三十五枚
銅貨 十一枚
青銅貨 四枚
(遊んで暮らせる月 十八年以上……)
十八年以上かぁ……笑えない。
お待たせしました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m
さて、今日から、王都編始まりました!!
それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪




