第七話 シュリナの魔法教室
連載はじめて、早二か月目。
心からの感謝を込めて。
本当に、ありがとうございましたm(__)m
これからも頑張ります。
(八分目ぐらいでいいよね)
小瓶に出来たての特上ポーションを注ぐ。思ってたより入る量は少ないけど、特上だし大丈夫。一回で作られるポーションの量は小瓶で五本分ぐらいかな。
もくもくと作る。これ、意外と楽しいかも。でも出来るのは、特上ポーションばかり。魔力を弱めても同じだった。ゼロさんとこに持って行かなきゃいけないのに。
(特上以外出来ないのかな……?)
作業してて、ふと思い付く。倍の材料をいれたら、どうなるのかって。何でもっと早く気付かなかったんだろ。
(やっぱり、倍の量が出来るのかな?)
まぁ、ヒール草は一杯残ってるし、どうせ使うのは自分たちだけだ。ゼロさんには最悪、数本特上を持って行くしかないよね。どういう反応をするかは考えないでいよう。
そうと決まったら挑戦するよね。理科の実験のようで楽しくなってきた。ウキウキしながら、深皿にヒール草十枚とコップ二杯のお水を注ぐ。
注いだところで、ハタッと気付いた。
このままだと、また出来るのは特上ポーションなのでは。出来れば、中級や上級のポーションが欲しい。だって、その方が使い勝手がいいよね。ちょっと安易かもしれないけど、挑戦してみることにした。コップ一杯のお水を追加する。
「さて、もう一回!」
左手を翳し、回復魔法を掛けようとした時だった。黙って作業を眺めていたシュリナが声を掛けてきた。作業の手が止まる。
「いつも、声に出さないで【ヒール】を唱えているが、一度、何も唱えずにやってみろ」
「詠唱せずに?」
((いやいや、口に出していない時点で、詠唱してないから))
黙ってやりとりを聞いていた、狛犬と黒猫は心の中で突っ込みをいれる。勿論口には出さない。
「ほら!」
シュリナが促す。
左手を翳し、心の中で【ヒール】の代わりに『治れ!!』と叫んだが、魔方陣は一行に現れない。何度かやってみたが無理だった。
何度も失敗する私を、シュリナは黙って見続ける。
「ムツキ、思い出してみろ。回復魔法を使った時の感覚を」
シュリナが真っ直ぐ私の目を見詰め助言する。
(回復魔法を使った感覚……?)
改めてそう言われると難しいよね。必要なのはイメージか。回復魔法を使った時か……そう言われると難しいよね。
記憶を遡る。ふと……脳裏に、ドーンの森で魔物に襲われたパーティーのことが浮かんだ。
その時だった。
翳していた手元から、橙色の魔方陣が現われた。驚愕しているうちに、魔方陣はスーと消える。思わず、自分の左手をまじまじと見てしまう。
「それを繰り返すと、魔法の出現時間を大幅に短縮することが出来る」
(確かにそうだよね)
「……なるほど」
私は自分の左手を眺めながら納得する。
「もう一回やってみる!!」
繰り返しやってみた。やってる私は気付かなかったけど、思い出す度に顔を歪めていたみたい。それを、側にいたシュリナたちは複雑な表情を浮かべながら見詰めていた。
何回か試してみて、段々コツがつかめてきたよ。
出来上がったポーションは透明じゃなくて乳化色だった。ということは、今回は特上ポーションじゃないかも。早速ポーションを小瓶に注ぎ【鑑定】してみた。
『【鑑定】!』
(ん……?)
〈特上ポーション(+1)〉
効能 HP500回復
追加効能 解毒
「……マジで。嘘でしょ……水で薄めたのに」
(そもそも、何で毒消し草を使ってないのに解毒の効能が追加されてるの? もう、わけ分かんない!!)
なんか、ドッと疲れたよ。サス君とココがオズオズと訊いてきた。
「「また、特上ポーション(なの)ですか?」」って。
「…………あーーそれプラス、解毒効能が追加されてた」
「「ええーーーー!!!!」」
さすがのサス君もココも、これには驚愕の雄叫びを上げる。
考えられなかった。魔法は回復魔法だけだし。何より、毒消し草を使ってないのに解毒作用って。普通ならあり得ない。普通ならね。
そんな中で、シュリナだけが落ち着いていた。
「何故、そんなに驚く? 想像の範囲内ではないか」
首を傾げ、不思議そうにシュリナは私たちに問い掛ける。
「…………水で薄めたのに、特上ポーションだし。毒消し草を使ってないのに、解毒の効能が追加されたのも、想像の範囲内?」
低く、疲れきった声で尋ねる私に、シュリナはまた首を傾げる。何故そんなことを訊くのか、本当に分からないみたいだ。可愛い仕草だけど、少しイラッとする。
「想像の範囲内ではないか。ムツキ、お前、亜神であろう」
(ん……? 亜神?)
「「「あっ!!!!」」」
「あっ!?」
(((完全に忘れてた!!)))
声が出ない亜神と狛犬と妖精猫を見て、シュリナは気付く。私たちが完全に忘れていたことを。
シュリナは、それはそれは深く長いため息をついた後、私たちを床に座らせた。勿論私は正座だよ。
それから小一時間。シュリナの説教が続くのだった。
足、痺れて痛いよーー(泣)。
お待たせしました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m
今回は、少し短めです。
それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪




