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第二十七話 処刑前夜(1)

 第一話 処刑前日 と連携してます。



 思った通り陽がとっぷり暮れてから、やっと花畑さん(アランたち)は牢屋にやって来た。長老の孫娘も一緒だ。勿論、村長はいない。彼は他の花畑さんたちより一足先にご退場となったからね。


 魔力封じの手錠に魔術師専用の牢屋。


 大人しく繋がれている私を見て、完全に私の魔力を無効化出来ていると考えている花畑さんたち。


 だからかな、花畑さんたちの顔が(いびつ)な笑みで歪んでいる。皆、仮初めの優越感に浸ってるんだろうな。そう思うと笑いが込み上げてきたよ。何とか我慢したけどね。あ~~苦しい。お腹痛いよ。


 それが却って花畑さんたちを喜ばせたみたい。益々自分に酔いしれ陶酔してるよ。自分たちは正義の執行者だってね。勘違いもいいところなのに。こっちは、その姿がおかしくて必死で笑うのを我慢してるだけなんですけど。


 そして一人欠いたまま、一方的な断罪が始まったんだ。


 ついでに、処刑も宣告された。


 何でも明日なんだって。ちょっと驚いたよ。早過ぎない。裁判も何もない。一応、法治国家なのにね。


 でもまぁ驚いたけど想定内だった。じゃなきゃあ、そもそも私を捕らえたりしないでしょ。それに、マリアがあんな予知夢を視ることもなかったしね。……うん、予想してたよ。してたけどさ……。ちょっと胸の奥がズキリと痛む。さっきまでの笑いの発作は自然と治まっていた。


(ほんと、好き勝手ほざいてるわ。にしてもよ、ここまで悪者にされてる私って……。さすがに傷付くわ)


「護りてでありながら、自分の意図を反した者を排除し、平気で殺戮する魔女」


 花畑さんたちはそう口々に罵った。


 殆ど面識ないのにね。主犯格のアランとコウにさえ、会ったのはわざと捕まったあの時が初めてだ。後の二人は初対面。孫娘ちゃんがこの中で一番会ってるんじゃない。なのに、この嫌われようって……。


 ほんと、噂だけが一人歩きしてる。でもその噂も、極一部の人しか知らなかった程小さな噂だった筈。コウは知っていたかもしれない。だけど、他の三人は知らなかった筈だ。孫娘さんもね。たぶん、コウが喋ったんだろうな。


 結果、花畑さんたちの頭の中で、私は平気で命を簡単に奪う最低最悪な魔女となった。安直過ぎるよね。


 なので、花畑さんの態度はある意味正しいと言える。


 頭では理解出来るんだよ。それでも、この嫌われ方ってさ……正直少しへこんでしまう。


 間違いなく、事の発端になったのは黒の大陸だ。


 黒の大陸に関しては直接政治に手を出した。する人がいなかったから仕方なくね。だってそうしないと、収拾が付かなかった。ましてや、悩んでいる間も弱っていた民は死んでいく。そんなの見てられないじゃん。


 だから、悩んで悩んで、護りてとして表に初めて出ることを決めた。覚悟を決めた。


 偽王と偽巫女長の件がなかったら、はなっから出るつもりなんて更々なかったよ。めんどくさいからね。後のことを考えると特に。それに……それは、ちょっと違うと思うんだ。


 私はあくまで、魔法使いの修行のためにこの世界にやって来た。言わば渡航者だ。余所者だ。そんな人間が、この世界のことに口を挟むべきじゃないでしょ。住む人たちが動かすべきものだって考えてる。だって、私は一生この世界で生きて行く訳じゃない。なのに、表に出るのは無責任だよね。


 だから、黒の大陸以外に関して私は皆無だ。だけどね……。


 少しへこんでいても、殆ど顔に出ないから益々ヒートアップする花畑さんたち。


 彼らは可愛げのない無表情の人間の小娘よりも、金髪、青い目の天使のようなマリアが護りてに相応しいと考えてるようだった。そもそも、私がなったこと事態が始めからおかしかったと考えてるようだ。コウを除いて三人はマリア教の信者だからね。


 そしてついには、花畑さんの一人コウがこう言い放った。


「既に四大陸の聖獣様が目覚められた。後は、キリン様を残すだけ。多少影響はあるかもしれないが、滅ぶことはないでしょう」


 瞬間、怒りで牢屋の鉄の扉ごと花畑さん共々吹っ飛ばすところだった。いや、この際吹っ飛ばしてもよかったんじゃないかな。皆誉めてくれるよね。だけど、必死で我慢した。口の中に血の味が広がる。鋭い痛みが暴走しそうになった私をどうにか止めた。


 だって、コイツらが言ったことは、黒の大陸で起きた惨劇が、この世界全域で起きても構わないと言い放ったんだから。


 もしかしたら、黒の大陸以上の惨劇が災いが降り掛かるかもしれない。地脈が乱れ火山が噴火するかもしれない。大きな地震が起きるかもしれない。魔物が大量発生するかもしれない。雨が降り続けるかもしれない。反対に日照りが続くかもしれない。疫病が流行るかもしれない……。


 言い出したら切りがない。


 でも、必ず起きる。一つじゃないだろう。何個も重なって起きるかもしれない。


 結果、大勢の人が苦しみながら死んでいく。間違いない。それも黒の大陸の比じゃない人たちがだ。やっと一歩踏み出した黒の大陸は、国として維持することは出来なくなるだろう。当然、シュリナたちも只では済まない。


 コイツらにとって人の命なんて、道端の小石程度しかないんだ。自分のためだけの正義。それを達成するためには邪魔な小石は簡単に脇に捨てる。踏み潰す。


 ならば、花畑さんたちが反対に踏み潰されても文句は言わないよね。自分たちがしようとしたことをされるだけなんだから。


 だって……花畑さんたちか言った台詞、絶対セイリュウ様と巫女長様は聞いてるからね。おそらく、保護者の面々も聞いてるんじゃないかな。


 だから、必死で怒りが爆発しないよう頑張ったんだよ。






 遅くなって、本当にすみませんm(__)m

 最後まで読んで頂きありがとうございますm(__)m

 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪


 


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