2話『異世界に来た実感』
さぁどうなっていくのやら‥
一瞬で視界が光に包まれ眼を閉じる。
そして眼を開けるとよるの大森林が広がっていた。
「おい、異世界にいくんじゃなかったのか?」
「何を言っている。ここは異世界だ。
ただ君にイキナリ街にほり込んだとして
お金もない、何をすればいいか分からないじゃ話にならんだろ?」
「た、確かに。
じゃぁ、どうするんだ。」
「君にこの世界のノウハウを叩き込む。」
ニアが地に手をふれると
『我求める!この地に眠りし王家の城よ
再びこの地に姿を表せ』
すると地響きが鳴り始め大地を貫くが如く大きな城が現れた。
城は満月の月明かりに当てられ不気味な雰囲気を醸し出している。
「す、すげぇ!」
俺は異世界に来たんだと今実感した。
「どうだ?凄いだろう。
此れが私と君の愛の巣だ。」
「またバカなことを、」
ニアの言葉を俺は軽く流した。
喋っていると城の門が一人でに開き、奥から人が歩いてくる。
不安を感じながらも眼を凝らす。そして徐々に月明かりに照らされ出て来たのは
60歳ぐらいの白髪の男だ。服はビシッとした執事のような服を着ている。
「お久しぶりでございますニアミス様」
「おう、スミス。久しぶりだな。」
この男はスミスと言うのか、と見ているとスミスと眼が合う
「このお方は?」
「あぁ、今日からともに暮らす事になった私のフィアンセだ。」
「なんと!ついにニアミス様もご結婚を」
ニアはモジモジと恥じらうような素ぶりをしてながら
「実わそうな「違う!!!」
おれはまたニアの言葉の上に言葉を被せた。
○○○
と、言う訳で。
俺は今日から城に住む事になった。
門を潜ると学校のグラウンドぐらいの大きな庭が広がっていて、真ん中に噴水が置かれている。驚いたのが噴水を出す水道管的なものがなくブルーサファイアを思わす石が空中に浮いていて、その石から水が出ているということだ。
ニアに聞くと、この世界では電気やガスといったものの代わりに魔石を使用するらしい。
こういうのも異世界の魅力だよな。と思いつつ城の中に入ると此れまた高級感溢れる作りで、真ん中に映画とか結婚式場とかで見るような赤いじゅうたんを敷いた大きな階段ある。
それにフロアの広さは学校の体育館ぐらいあるんじゃねぇか?
「すげぇ」
思わず心の声を出す程だ。
それからスミスは色々と案内してくれた。
まずはスミス以外にこの城に住むメイド5人とシェフ3人を紹介してもらい、次に城内の案内。
城内は、何処を見ても土の中に眠っていたとは思えないほど綺麗に片付いている。
床という床には全て赤いじゅうたんが敷いてあり、廊下の壁には絵や花、よくわからない凶暴そうな獣の剥製など様々だ。
城自体は三階建で一階にはフロアにキッチン、晩餐室がある。
二階には中央の大きな階段を上がり左側は来客室が6室ぐらいある。
右側にはスミスやメイド、シェフ達の寝室が用意されている。同じく6室用意してある。
スミスは一部屋そのまま使っているが、他の者は一人で一室ではなく2人一部屋でシェアしているそうだ。
部屋の広さはどの部屋も九畳ぐらいで割と広めだった。
三階へは同じく一階にある中央の大きな階段をあがると、目前に通路がある
その奥の階段を上がると謁見の間へ繋がる大きな扉がある。
扉を開くと大層な謁見の間だ。
奥には立派玉座が置いてある。
玉座の後ろの高級そうな赤いカーテンの奥にはまた通路がり其処には目前横一列に3室あった。
どうやらここが王の寝室ということだろう。
部屋の中は高級なタワーマンション並みの広さの部屋だった。
そして俺はこの3室の内の1室を借りれることになった。
俺が正面から見て左の1室でニアが真ん中の1室ということになった。
部屋決めの最中。ニアが何かと理由をこじ付け俺と同じ部屋にしたがり面倒なことになったが、スミスが色々とフォローしてくれたお陰で助かった。
で、今一通りの案内が終わり俺は部屋で休んでいいことになり、部屋の中にある豪華なソファーに腰掛けている。
手前には豪華なテーブルがあり俺の前にスミスの入れてくれた紅茶が置いてある。
「あぁ~やっと一息ついたな。
一日に色々とあり過ぎなんだよなぁ。
流石に疲れた。」
俺は独り言を呟きながらスミスの入れた紅茶に口をつけた。
あっ、これ美味しいな。
その紅茶は上品な味わいで、香りとその温もりは俺を包み込むように安らぎを与えてくれた。
飲み終えると、俺はそのままソファーで意識を手放した。
もっと勉強しなくては!!!