アイテム散策
流れはこうだ。
まず募集している仕事から、必要なスキルを調べる。
それから、スキルが付加する装備を購入する。
張り紙の中から俺たちが目星を付けたのは3つ。
「道路の舗装」
「新都市の建設作業」
「捕鯨」
街の西一帯は森で覆われていたが、そこに住む魔物の排除を行い、木を切り拓いて新たに都市を作る計画がある。
既に魔物の排除と木の伐採は完了しており、次に道の舗装と建設作業が同時進行で行われている。
人手が足りず、現在幅広く募集をかけているようだ。
また、捕鯨は街の東にある港で盛んに行われている。
共通するのは、3つとも「体力アップ」のスキルが必須という所で、俺たちは体力アップのスキルが付加する装備を探しに、装備品の売られている店に向かった。
街の色々な店がひしめく一帯に到着し、アクセサリーショップと書かれた看板を発見すると、中に入った。
ガラスのケースに陳列している指輪などを見る。
「店のアイテムはたけーな。 この指輪、体力アップのスキル付きで5万だぜ?」
「……まさかこんな高価だとはな」
スキル付きは安くても3万。
一旦店を出て検討しなおす。
「もう少し街を散策しよう。 掘り出し物を探すんだ」
次にやって来たのはフリーマーケットだ。
色々な人が雑多にアイテムを並べて売っている。
値段は格段に安く、物々交換なども行われているようだ。
しかし、ぱっと見どのアイテムにスキルが着いているのか、全く分からない。
「なあ、この中にスキル付いてるやつある?」
持ち主のおばちゃんに聞いてみる。
おばちゃんは本を読みながら、こちらを見ずに答えた。
「さぁね、あたしゃ鑑定眼なんてないし。 どれも2000円だよ」
どうやらおばちゃんはスキルうんぬんに興味が無いらしい。
ということは、この中から発見できたらかなりの安値で買える。
俺たちは、俺たちと同じように、フリーマーケットで掘り出し物を探している人間を観察することにした。
しばらくして、一人の冒険者風の男がやってきた。
使い古したリュックを背負い、日に焼けている。
男はポケットから眼鏡を取り出すと、つぶさに観察を始めた。
「おっさん、あれって……」
「ああ、スキルを品定めしているように見えるな」
とてもアクセサリーに興味があるようには見えないし、あの眼鏡は恐らく鑑定眼付きのものに違いない。
俺はいつもの調子で冒険者風の男に声をかけた。
「なあ、それスキルの分かる眼鏡だろ? ちょっと貸してくれねーか?」
「……自己紹介もない上に、突然それか」
雰囲気からして、一筋縄では貸してくれそうにない。
「わりーわりー、俺はヒロキだ。 あんたは?」
「君は何か勘違いしているようだな。 冒険者は欲しいものは自分で手に入れるものだ。 分かったか?」
こ、このやろー……




