逮捕
ちょっともさっとしてたので、戦闘内容を書き換えました。
セイマはまるで人間と狼を掛け合わせたかのような化け物に変身した。
鋭い爪に牙、パワーもスピードもありそうだ。
相手が腕を振り上げると同時に床に落ちていたナイフを拾う。
突然視界が開けた。
「これは……」
夜行性の獣のように夜目が利く。
しかし、このスキルが上書きされたせいで、防御がおろそかになった。
放ってきた右の一振りをもろに受ける。
「がはっ……」
ナイフは弾き飛ばされ、再度壁に叩きつけられた。
「これは戦闘がつまらなくなるチートスキルだな。 左腕一本しか使わないでおいてやるから、ナイフを拾ってかかってこい」
じゃあ俺も左だけで相手してやる、と叫びたかったがそんな威勢は残ってない。
面と向かって勝つ自信は無かったため、すぐに作戦を変更することにした。
ナイフを拾いに行く素振りを見せて、さっき一瞬見えた俺のリュック目がけてダイブした。
「貴様っ!」
俺の予想外の動きに焦ったのか、公約に反して右腕を振り上げてきた。
それが俺に届くより早く、リュックからあるアイテムを取り出した。
「ドッグブリーダー」スキルのブレスレットだ。
すかさずそれを腕にはめる。
「……ぐうっ、ぐああっ」
セイマが呻き、身をよじり始めた。
相手が人狼というのなら、西の森のオオカミと同じように操れるはずだ。
しかし、完全には操れていない様子で、闇雲に腕を振り回して俺を仕留めようとして来た。
俺はリュックをつかんで、相手の背面に回り込んだ。
右ストレートのダメージが残っていたが、がむしゃらに背中によじ登り、リュックから自分のナイフを取り出す。
「うおおおおおおっ!」
俺は咆哮を上げながら、それを思い切り突き立てた。
「グアアアアアアアアッ」
部屋に響き渡る断末魔。
後に残ったのは、背中にナイフを突き立てられ、ピクリとも動かなくなってしまったセイマであった。
体は元に戻っている。
「……おい」
返事がない、ただの屍のようだ。
って、まさか……
殺しちまったのか?
それを確認する前に扉が開いた。
バアン!
宿に泊まっていた冒険者が騒ぎを聞いて駆けつけてきていた。
「背面からナイフで一撃…… 手口が同じだ。 お前が連続殺人犯か!」
「……何?」
全く状況が飲み込めない。
気が付いたら俺は地面に伏せられ、取り押さえられていた。
「ふざけんなっ! 襲ってきたのはこいつだっ!」
「話はムショでするんだな」