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買い物

買い物って楽しいよね。

 金を手にし、建物から出てきた。


「どの店行く?」


「次は武器屋に行って、その後サバイバルグッズを揃えている専門店、最後に本屋だ」


 路地裏を抜けて、メインストリートに出る。

そこは商店街のように様々な店が立ち並んでいる。

下調べは済んでいるため、武器屋の位置は把握済みだ。


「しかし、こんな棒が3000円って高くないか?」


 俺はひのきの棒を取り上げると、そうつぶやいた。

ちなみに武器はこれしか置いていない。


「この街には武器屋がここしかないから、高めの値段でも売れるんだろう。 しかも在庫は残り数本と来ている」


 仕方なく定価でひのきの棒を手に入れると、次はサバイバルショップに向かった。

中に入ると、さまざまなグッズが取り揃えてある。

店の名前は「カピパラ」

この世界におけるサバイバルショップのチェーン店のようだ。

 

 そこで、寝袋2つ、リュックサック(大)2つ、鍋、食器類、火打石、ナイフを購入し、合計22,000円

寝袋とリュックサックが4000円と高価だが、今後の旅には欠かせない。

レジに持っていくと、店員に声をかけられた。


「準備万端ですね。 この街を出て行かれるんですか?」


「ん? そうだけど……」


「でしたら次の街までのガイドを紹介できますが、どうでしょうか?」


 ガイド?

しかし、ガイドを雇うほど残金に余裕はない。


「おっさん、そんな余裕ねーよな?」

 

 おっさんはコクリとうなずき、店員の方に向き直った。


「申訳ないんですが、手持ちの残金も少ないので、我々だけで次の街を目指そうと思います」


「……分かりました」


 買ったリュックサックに購入したものを入れ、店を出た。

最後に向かうのは本屋だ。

ここで地図と植物図鑑を購入し、買い物は終了となる。

本屋に到着し、地図と植物図鑑をカウンターに持っていく。


「合計2000円になります。 カバーをおかけしましょうか?」


「別にいらねーかな」







 買い物を終えた結果、残金 (おっさんの)はほぼ0になってしまった。

これからは、食料等は自分たちで調達しなければいけない。

一旦街の中央の広場に向かい、今後のざっくりとした予定を確認することとなった。

地図を開いて、次の街までのルートを調べる。


「この街から北に向かって歩いて行けば、次の街までたどり着ける。 だが舗装された道というものはなかったハズだ」


 この街は広い荒野で囲まれている。

どの方角を目指し、どの程度歩けばいいかが分からない為、地図が無ければこの街を出ることはできず、加えて魔物の存在も心配しなければいけない。


「この地図を見ると直線距離で70キロとあるが、横を流れている運河を並走していけばほぼ真っすぐ進んでいける。 しかし、徒歩で1日以上はかかりそうだな」


「歩きかぁ…… てか、次の街には何があるんだ? まさか観光目的で行くわけじゃねーよな」


「それも調べてある。 次の街には「ハロワ神殿」がある。 名前からして、ここで転職ができると私は踏んでいる」


 転職か!

そうすれば、定職を得ることができて、この世界での生活基盤が作れるってわけか!

まさかこんなところでニートを返上することになるとは……


2人で話をしていると、後ろから見知らぬ人に声をかけられた。


「すいません、これからこの街を出ていかれる方ですね?」


そこにいたのは小汚い恰好をした男だった。


「次の街までのガイドはいりませんか? お金は後払いでも構いませんので」


俺はピンと来た。

恐らくさっきのサバイバルショップの店員がこのガイドに情報を流したんだろう。


「いらねーよ。 準備は万端なんだ」


「……ではスライムに関しては知っていますか?」


「スライムならこのひのきの棒で十分でしょう」


 おっさんがひのきの棒を見せる。


「……確かに、スライムの対処はそれで行います。 分かっているようなので、失礼しました」


 そそくさとガイドはどこかへ行ってしまった。

だから準備は万端だっての。





 俺たちは街と荒野の境界線までやって来た。

時刻は昼間の10時。

どの程度で到着するかは目途が立っていないが、明日には着くだろう。

この荒野で何が待ち構えているかは分からないが、俺たちは一歩を踏み出した。







 



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