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王都へ

 雪山攻略部隊は総勢で10数名。

明らかに俺たちよりしっかりした装備に身を包んでいる。


「あれくらいの装備じゃねーとダメなのか?」


 俺は少し不安な気持ちにかられた。

毛皮くらい羽織ってくれば良かっただろうか。


 しばらくしてドーモ君がパンに肉を挟んだものを買って戻ってきた。

まあ、言ってしまえばハンバーガーだ。

それを頬張りながら、さっきの連中の話した。


「装備も相手の方がすげーし、完全に出遅れてるよな」


 しかし、その話を聞いてもドーモ君は全く焦る気配を見せない。


「僕らはマイペースでいいんじゃないすかね。 そもそもルートが違うし。 それよりポンタたちを訓練しないと」


 訓練?


「訓練って何の訓練だよ」


「もちろん、犬ぞりを操作する訓練っすよ。 目的地にたどり着くまでに、右に行ったり左に行ったりしなきゃいけないじゃないすか」


 ドーモ君の話では、犬ぞりで右に曲がるためには左のオオカミにダッシュの指示を出さなければいけない。

左のスピードが上がることで、自然と右に曲がっていくだろう、ということだ。


「……てか、それ早く言えよ!」


 3日も無駄に過ごしちまったじゃねーか!


 俺たちはオオカミを一列に並べて、名前を呼んだオオカミをダッシュさせる、という訓練を開始した。

それ以外にも、「ゴー」で一斉にスタート、「ストップ」で走るのをやめる、というかけ声によるサインも教えた。


 1週間後、武具屋が犬ぞりとリードを持ってやって来た。

リードはオオカミの体に装着させるもので、サイズはぴったりだった。

後は雪原までソリを手運びして、そこからはオオカミたちの出番だ。


 早朝、俺たちは草原地帯を出発した。

そこから2時間も歩くと、地面にまばらに雪が見え始め、次第に完全な雪道となった。

オオカミたちにリードを装着させ、ソリに乗り込む。

準備が出来たのを確認し、俺はかけ声を上げた。


「ゴーッ!」


 一斉にオオカミたちが走り出した。

しかし、関心のソリが動かない。

当然、俺たち2人と荷物を加えたらそこそこ重たい。


「頑張れ!」


 すると、徐々にソリが動き始めた。

雪道は地面ほどの摩擦は生じない。

力をかけ続ければいつかは動く。

そして、一度動けば後はスムーズだ。


 ソリは雪道を滑走した。


「快適っすね!」


 目指すは山と山の間の抜け道だ。

遠目から見たら連なって見える雪山も、近づくにつれて実は入れ違っているだけというのが分かる。

S字を描いた道がそこに存在するハズだ。


 一昨日、街で買ってきた「現在地」スキルの手袋をドーモ君が装備し、地図を確認しながら進む。

積雪の量が増え、オオカミたちの体が半分ほど埋まる。

所々生えてる木をかわしながら、山と山の間を進んでいく。

オオカミたちにとっては中々にしんどい道のりだ。


 休憩をとりつつ、どうにかS字を抜けた時は夜が更けていた。

だが、夜行性のオオカミたちはそこから元気になり、ハイスピードをキープしながら雪原を疾走した。

そして雪道が無くなり始めた。


「ストップストップ!」


 ドオオオン!


 俺たちは地面に投げ出された。

急にブレーキをかけたため、投げ出されてしまった。


「いってええ…… ドーモ君、大丈夫か?」


「スピードを緩めるやり方教えてなかったっすね…… ケガはないっすけど」


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