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エボシ隊

 俺が索敵スキルを使いながら森の中を進んでいくと、地図上に3つの点が浮かび上がった。

点は3つとも近くに集まっており、少しづつ移動している。

俺たちはその点が何かを確認すべく、近づいて行った。


「冒険者か」


 遠目からその姿を確認すると、どうやら狩りに来た冒険者らしい。

3人いて、一人は女、2人は男だ。

女が先頭を歩き、後ろにいる男は一人は弓を持ち、一人は杖を持っている。


「ドーモ君、あいつら知ってるか?」


「うーん、ちょっと分からないっす……」


 ドーモ君は冒険者の名前は知ってても、その姿はほとんど知らないとのことだった。

もしかしたらオオカミのことが聞けるかもと思い、俺たちは接触を試みた。


「おーい、ちょっといいか?」


 俺が呼びかけると、3人の内の、杖を持った年配の男が答えた。

 

「ストーカーはお前たちのことだったか。 何か用か?」


「あんたらここらに住むオオカミの情報知らないか?」


「……ここら辺のオオカミはほとんど狩り尽してしまったが」


 狩り尽しただって?


「俺たちエボシ隊はこの辺りを狩場にするハンターだ。 今はウルフギャングを追跡中だ」


「ちょっと待ってくれ! 俺たち、今からオオカミを捕まえにいくんだからよ」


 だったら早いもの勝ちだな、とエボシ隊の女が答えた。


「ウルフギャングには高額の賞金がかかってる。 こういう時は早い者勝ちって決まってんだ」


 女は鼻をスンスンさせながら、こっちだ! と叫んで前を進む。

どうやら嗅覚アップのスキルを使って匂いでオオカミを追いかけているらしい。

索敵スキルは敵の察知がメインだが、こちらは狙った相手を追い込むのにも使える。


「匂いが近いぞ! あそこだ!」


 その先には洞穴があった。

索敵スキルで確認すると、たくさんの点が密集して浮かび上がる。

あの中にオオカミの群れがいるようだ。

このままじゃ先を越される、そう思ったが、意外にもエボシ隊は野営の準備に入った。


「お前らも夜はやめた方が良い。 相手は夜目が利くからな」


 もう陽が暮れていた。

少し離れたところで俺たちも野宿することにした。

木を集めて火打石とナイフを使って火を起こす。

リュックから寝袋を取り出すと、その中に入った。


「朝になったら勝ち目はねーぜ」


 寝袋に入ったはいいが、相手のことが気になって寝付けない。


「でも、あの人たちの言った通り、夜は危険っすよ」


 それでも、なんとか出し抜く手はないか。

こっちにはドッグブリーダーのスキルがある。


「これで夜中にオオカミの群れを穴から連れ出せねーかな?」


 俺が地図を眺めながら考えていると、地図上の点が移動を始めた。

オオカミは夜行性で、これから狩りをするのだろう。

……もしかしたら、今がチャンスなんじゃないか?


「おい、ドーモ君、起きろ。 今からオオカミを追うぞ」


「えっ……」


 俺はドーモ君に索敵スキルのナイフを渡し、ドッグブリーダーのブレスレットを装着した。


「群れから一番遠くのやつに近づいてこのスキルの効力を確かめよーぜ。 俺から離れるなよ?」


 スキルの恩恵を受けないドーモ君は、オオカミからしたら恰好の獲物だ。

地図を見ながら群れの最後尾を追う。

少しずつ距離を詰めていくと、後ろを歩いていた一匹のオオカミがこちらに気付いた。

そして、トコトコと近づいてくる。

まるで警戒してないようだ。


「……」


 オオカミはブンブン尻尾をふって、俺の目の前でお座りをした。


「お手」


 オオカミは手を差し出して、俺の要求に答えた。

ほんとにドッグブリーダーになったみたいで気分がいい。


「このスキルすげーな! この調子で群れごと行くか。 あと、ドーモ君はエサじゃねえからな!」


「オオーン」


 一匹ずつ捕まえては、ドーモ君はエサじゃないぞ! ということを教え、最後のオオカミも捕まえた。

群れのオオカミは合計10匹。


「でも、こいつらを連れて街に戻ったらビックリされちまうだろうな」


 そう言って振り返ると、なぜか楽しそうな笑い声が後方から聞こえた。


「やめろよポンタ、そこはくすぐったいって! あははっ」


 ……おい、何してんだ。


「遊んでんじゃねーよ! 行くぞ!」






 


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