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捕鯨

いい参考文献を見つけました。(ネット)

 次の日もひたすら整地作業だ。

今日は腕が筋肉痛で、ちょいしんどい。

昼休憩、俺は昨日の出来事について質問した。


「なあ、何でセイマを拒否ってるんだよ?」


「……あいつが嘘つきだからだ」


 嘘つき? 何んでそんなことが分かったんだ?


「奴は最初、こっちに来てからはずっと一人だと言っていた。 なのに問い詰めたとたん、転送魔法を使ってこちらに来たと言った。 それも、その魔法が使える者と仲良くなったからと。 最初に言ったことと矛盾しているだろう?」


 ……!

確かにそうだ。

全然一人じゃねえし。


「つまり、奴には何か隠し事があるってことだ。 犯罪が絡んでいるかもしれない」


「……」


 おっさんがここまで他人を酷評するのは珍しい気がする。


今日の作業も終え、また明日、明後日と仕事は続く。

それから1か月が経過した……






 道路の舗装作業も、予定では今日が最終日だ。


「みんな、今まで良く頑張ってくれた! この作業に携わってくれたみんなに感謝する!」


 リーダーが一言いい終えると、作業が開始した。


「でも、3年ってすごいな。 俺だったらその間に5回は転職してると思うぜ」


 朝礼で、この道を作るのに丸3年かかったという話が出てきた。

木の伐採、根っこの除去に2年半、整地に半年。

俺たちは最後の仕上げ作業にしか関わらなかったが、この仕上がった道を見渡すと、よくこんな道を人力で作って来たな、という思いが沸いてくる。


 そして夕方、道は完成した。

働いていた者たちは歓声を上げた。


「やったああああああーーーっ」


 とりあえず、俺も一緒になって喜んだ。

俺たちは、日当5000円を受け取って宿に戻って行った。






 

 ベッドに横になると、おっさんが部屋をノックし、扉から顔をのぞかせた。


「入るぞ」


 部屋に入ってくると、おっさんは置いてある椅子に腰かけた。


「ふう…… で、明日以降どうするかだが」


「おお、どーする?」


「もう一度ハロワ神殿に行って、仕事を探そうと思う。 目星は大体ついているが」


 多分体力アップのスキルが有効な仕事を選ぶ気だろう。


「あれか? 建築作業か捕鯨」


「そうだ。 その内、捕鯨の方はクジラが取れなければ給料が出ないが、手取り20万だ」


 20!?

道路の舗装の40倍かよ!


「なんだよ! 今までの仕事が馬鹿みてーじゃねーか」


「まあ慌てるな。 多分かなり危険を伴う。 そんなおいしい仕事なら働き手の募集が絶えないハズだからな。 恐らく、死人が出るのだろう」


 ……そういうことか。

誰も応募しないから、神殿の募集に連日張り出されていたんだ。


「でも、面白そうだな。 ちょっとやってみるか?」


「ああ、私もそう思っていた。 とにかく明日募集してみよう」


 こっちは一回死んでる?身だ。

怖いものなんてないぜ。






 翌日になって、俺たちはハロワ神殿に向かった。

捕鯨の募集の張り紙がまだあることを確認すると、手続きをするため受付に向かう。

それが終わると、明日の集合場所の説明を受けた。

集合場所は、街の東の港だ。






 

 言われた時間通りに、東の港で待っていると、屈強な男がやって来た。


「お前らが応募して来た人間か。 へなちょこ共が…… まあいい。 説明するぞ」


 やって来た男はこの捕鯨組合の頭だった。


「俺たちが狙うのは強化クジラだ。 普通のクジラより更にでかい。 俺たちは船を8隻持っていて、その内4つが小回りの利く船だ。 次が2隻でセットの網を仕掛ける中型の船。 最後がクジラを引っ張っていく大型の船だ。 お前らが乗るのは小回りの利く小型の船だ。 分かったか?」


 ちっさい船に乗るのは分かった。


「大体な。 で、具体的にどうすりゃいいんだ?」


「クジラはうるせえ音が嫌いだ。 棒で船の腹をガンガン叩いたら、クジラは逃げていく。 そんで、うまいこと仕掛けておいた網に誘導できたら、重しのついた槍で刺す。 更に泳がせて弱った所を、ロープつきの槍で刺して、そのままでかい船で引っ張っていく」


 俺たちは音を出す役割と、重しの付いた槍を刺す係か。


「もうすぐ出発する。 とっとと空いてる船に乗り込め」


 小さい船は3人乗りで、船を操縦するのはこの組合の人間だ。

船に乗り込み、北上する。

この暖かい時期に、北のエサ場にクジラが集まるらしい。


 目的地に到着し、しばらく待機。

船を操縦する組合の人間が説明を始める。


「クジラの潮吹きがあっから、少し待っとけ。 確認したら、2隻の船が左右に広がって網を伸ばす。 俺たちはそこにクジラを追い込むんだ」


 ゆらゆら揺られていると、水面に影を発見した。

俺は、そのあまりの巨大さにビビった。


「で、でけえっ」


「ヒロキ! 伏せろ!」


 おっさんが叫び、水面が盛り上がったかと思った瞬間……


ドゴオオオオオオオオオン!


 ものすごい潮吹きが立ち上った。




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