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箱庭の遊者に朝が来る

作者:紀國鵜月
 その日は朝から天気が荒れていた。空は分厚い灰色の雲に覆われていて全体的に景色が薄暗くどんよりとしていて気分まで沈むような空気の中、気は進まないが今日も学校に行かなければいけない。
「6時50分......そろそろ出るか」
 身支度を整え階段を下り玄関で黒の革靴を履き扉の鍵を閉め、目的地へと出発する。
 道幅の狭い道路の片隅をイヤホンを耳に付けて自分の世界に浸る。周りなど知る者か......
 ワゴン車、オートバイは騒音を立てて横切っていくが気にとめることはない。
 学校を目前にして細かい粒雨が降り出すと俺はいつもより余計に登校意欲を削がれた。
 こんな思いをしてまで学校にいく意味があるのか、言い訳ばかりを募らせていつもの人気が少ない道で小言を垂らす。
 成武高等学校、それが今俺が目指している場所である。
 成武の校舎は坂を登らなければならない。とにかく俺は面倒事と疲れる事が嫌いだ。なぜ俺がそこまでする必要がある......いや、ない。けれどもするのは行かなければ面倒が生じるからだ。それはあの女、瀬名芽衣が原因だ。瀬名芽衣は俺の所属するクラス、1年B組の委員長、本当にこいつは厄介だ。
 朝の挨拶を無視すれば、まず何を入れてるんだと言わんばかりにパンパンに詰まった学生鞄を投げつけてくる。まずそれが死ぬほど痛いのだ、そして問題の登校拒否に関してだが、彼女の委員長としてのプライドに賭けてそれは不可能だ。入学式から三日後、委員長を含め委員会が決まった日に奴は目の前に現れた。
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