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射!~Kyudou~  作者: ココロ丸
6/23

課題の改善

〇右田 竜


●電気科所属で、クラスでは一番の頭のよさ。しかし、雪にはかなわないため、少し悔しがっているらしい。雪や隼人とは弓道部で知り合った。雪のことは、ゆっきーと親しみを込めて呼んでいる。

正義感が強く、周りからよく頼られる。

期待の新人と言われているが、彼自信は慢心せず、日々の練習に励んでいる

「ただいまー」

「・・・ただいま」


時刻は8時、今から飯と風呂だけど・・


「さぁ、カーリー・・・どうしよか?」

「・・・ご飯ないの?」

「いや、カップラーメンとかパンならある」

「・・・栄養」

「・・はぁ、冷蔵庫にあるものでなんか作るから、お風呂のスイッチ、押して。勝手に沸かしてくれるから」

「・・・分かった」

「えーと・・何が作れるかな?」



冷蔵庫を漁り、調理をする間、お風呂のスイッチを押したカーリーはテレビを見ていた



「・・・・〇これ!」

「え!・・ああ、最近話題になってるやつか。昔の軍艦が戦うやつか。テレビのCMあるんだ」

「・・・パソコン」

「え?パソコン?ああ、僕の部屋にあるけど・・・まさか」

「艦こ〇!」

「でかい声だすな!いつもどおりボソッと言えばいいから・・あ、おい!」



カーリーはさっさと2階に上がってしまった・・・まぁいいか。飯まで時間あるし


調理をしている時、カーリーの、「おお」とか「よし」とか声が聞こえたけど・・・

なんなんだ・・・あいつはそういう奴か、やっぱり。



「・・・おーい、カーリーできたぞ!」


階段を降りてくる音がして、カーリーが戻ってきた

リビングのテーブルに座り、じっと待っている


「ほら、水は自分でとれ。飯は持ってくるから」

「・・・・スコール」

「スコール気に入ったのか?まぁ・・・いいけど」


テーブルに、今晩のメニューである、チャーハン、味噌汁、肉じゃがを並べる。


「改めて見るとアンバランスすぎて笑えるレベルだな!」

「・・・これ何?」

「それは肉じゃが。アメリカにはないよな?味噌汁も初めてだろ?」

「・・・これはチャーハン。食べたことある。」

「あ、おい!食う前はいただきます!だろ?」

「・・・知らない」

「日本では食う前にいただきますだ。」

「・・・いただきます」

「いただきますっと」


むぐむぐ・・あ、意外と上手い。なんだ僕はお料理男子だったのか・・


「・・むぐむぐ」

「うまいか?カーリー。」

「・・・・おいしい。日本にきて1番おいしい食事。」

「そっか、それはよかった」


やばい、ちょっとニヤけてしまう・・・


「むぐむぐ・・・ん。・・ごちそうさま!」

「・・・?」

「食ったあとは、ごちそうさま。」

「・・・・むぐ。・・・ごちそうさま」

「よし、じゃあ片付けるから、カーリーは風呂入ってきな」

「・・・・うん。上がったらスコール」

「はいはい」



カーリーの後で僕も風呂を済ませ、いつもどおり勉強机に向かう。でも、今日は勉強じゃない。今日は葉月先輩から借りた弓道教本を読むつもりだ



「・・・ぽいぽいゲット」


カーリーはパソコンに夢中だ。・・・日本でも引きこもりになる・・なんてことはないよな。


「カーリー、パソコンもいい加減にしとけよー」

「・・・分かった。あと2時間」

「分かってねぇだろ・・・」



はぁ・・・さて、弓道教本読むか。


「・・・射法訓?礼記射義?・・ああ、そういうこと」


教本は分かりにくいことも多かった。でも、なんだか自分のプラスが増えていくような気もする。


僕は一気に読みふけてしまった。


「・・・・ふむ・・・」


チラッと時計を見る


「なんだまだ1時か・・・・1時・・え?」


カタカタ・・


カーリーはまだパソコンと向かい合っている。


「もう1時だぞ、カーリー!・・僕もさっき気づいたけどね・・」

「・・・そろそろ寝る?」

「ああ、寝るぞ。4時間と少ししか寝れないからな。早く寝よう」

「・・・・シャットダウン」


カーリーがパソコンを切ったのを確認し、電気のスイッチに手を伸ばす。


「さ、お前も自分の部屋に行って早く寝な」

「・・・・ブルーライトで目が冴えた。一緒に寝る。」

「はい?駄目だから!お前の部屋はとなr・・・ああ、そんなうるうるした目しても無駄!」

「・・・でも、眠れない。どうすればいい?」

「ほっとミルクでも飲めよ。」

「・・・・お腹痛くなる」

「・・はぁ。分かったよ!じゃあ眠くなるまでここに居ていいから・・・はぁ」

「・・・やった」


・・どうしてこうなった。


電気を消し、カーテンを開ける。こうすると月明かりがちょうど良い具合の光になってくれる

準備完了、いざ就寝!



「・・・やっぱお前も入ってくるのか」


予想通りカーリーがのそのそと布団に潜り込んでくる。


「・・どうだった、弓道は?」

「・・・・思っていたのと少し違う。」

「そうか。僕も最初そう思ったよ」

「・・・・でも、楽しい。明日も頑張る。」

「お前が頑張るとあと一週間後には的前の気もするんだけど・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・カーリー?」

「・・・・すぅ・・すぅ・・」

「・・・いや、早いなおい。話が違うぞ・・」


・・もういいや。このまま僕も寝よう。明日は水谷先輩から色々聞かないとだし

どこからか良い匂いがする・・・ってこいつの髪か!くそ、シャンプーの良い香りが・・ああ・・


「・・・・こうなればリビングで寝よう・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




パンッ!



「うん、少しマシになってる!教本読んだからかな?」

「はい、昨晩で全部読みました!水谷先輩のご指導もあってです。」

「マジかよゆっきー・・・」

「さすが秀才・・」

「竜、隼人、そう褒めるでない。」


朝は矢を引かず、ゴム弓などで基礎に励んだ。今・・つまり、放課後の練習では的前での練習に参加するようにしている。少し課題も改善され、いつもより少し中っている


「ふふ、まぁこれで満足せずさらに射を磨くといいよ。朝も言ったけど。弓は手の力で引くんじゃない。骨で引くんだ。身体全体を使って引くんだ。それを意識できればかなり改善されるからね」



水谷先輩のいうとおり、骨で引くイメージで・・・この感覚はかなり良いと思う。手首の力が抜けて、会もいつもより少し長くなる。


さて、カーリーはというと・・・



「鹿本、どう?」

「そうだね、良いと思うよ。ゴム弓も隙がないし・・素引きさせてみる?」


入部2日で素引きとかバケモノかなにかだと思う・・・



「凄いな、カーリー!弓道界の申し子かな!ははは!」

「いや、井田先輩、あれは上達早すぎると思いますよ。」

「そうだなー。しかも・・」

「しかも・・?」

「カーリー、楽しそうだもんなぁ!普通弓道の基礎練習ってつまらないと思うけど、すごく生き生きしてる気がする!表情からはよく分からないけど・・」


そういえば、昨晩も楽しいとは言っていたな・・・



「・・・・10キロがちょうどいい」



どうやら弓の重さは意外と普通だったらしい・・・



ガラララー・・・



「おーい、みんないるかぁ?」

「あ、先生。道場来るの久しぶりですね」

「おう!・・・綺麗にはしてるし、真面目にやってるようだな」


「なにかありましたか?浅野先生?」

「ああ、そうだった葉月。今、チームは練習試合ができそうか?」

「え?練習試合ですか?・・・出来ないことは無いと思います。」

「そうか・・・男子は何中くらい中てれそうだ?井田」


「そうですねぇ・・・だいたい12中ですかね。俺と水谷が皆中の場合ですが」

「ふむ、そうか・・・まぁそうだろうな。女子は?文月」


「私は平均3中で、鹿本さんは半矢か3中ですね。」

「ん?そういえばカーリーは?」



カーリーの話題が出てきたところで葉月先輩が得意顔でカーリーに指示をする。

カーリーはゴム弓を始めた。


「・・・・・・・・・」


み、磨きがかかってる。昨日より確実に上達してる!


「・・・・ほう、これは」

「浅野先生、どうですか!凄いですよね!?」

「・・・・練習試合はやるとすれば、2週間後の予定だ。やるか?」


葉月先輩はみんなを一瞥する。みんな賛成の表情だ



「やります!」


「うむ!わかった!そこで1つ頼みがある」

「はい、なんでしょう?」

「カーリーだが・・・あと1週間で的前にあげてくれるか?」

「え?・・いくらなんでも早すぎると・・」

「カーリーは最初から基礎が出来てる。・・お前が教えたこともすぐに出来ていたんだろう?」

「まぁ、そうですが・・」


弓道は最初が結構大切だったりする。最初で変な癖が付くと後で修正が難しくなってしまうからだ。


「カーリーは今見た限りではまた基礎を繰り返すより、先に進めたほうがいいと思うぞ?」

「・・・わかりました。頑張って指導してみます!」

「ああ、頼む!お前自信の練習も怠るなよ?誰かと交代で指導してもいいからな?」



そういって先生はまた職員室に戻ってしまった



「・・・さて、みんな!練習試合に向け、さらに気合入れて頑張るわよ!」


「「「おーー!」」」


「・・・・おー?」



カーリーは練習試合がよく分かっていない様子だった・・・



次回から結構飛びます。

弓の重さについてですが、初心者は9キロから11キロを主に引きます。慣れてくると12、13とあげていきます。重さについては個人差もありますが、私は現役時代16キロを使用しておりました。

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