村の頑張り屋さん
小さな村には、人々を照らしてくれる灯りがありました。だけど、元気がないようです。
「どうしたの? 元気がないの?」
鮮やかな羽を持つ蝶が話しかけてきました。
プツン、プツンと消えては点いてを繰り返す彼を心配そうに覗き込んでくれています。
「ゆっくり休みなよ! 身体が壊れちゃうよ」
蝶は休息を取るように言いますが。彼はテコでも動こうとしません。
「ダメだよ! 僕はあの子が大きくなるまで見守るって約束したんだ」
彼は、村の子が大きくなるまで見守るという約束をその子の両親としたそうです。
蝶はそれを聞いて、少し悲しそうな顔をしました。彼が約束をした少年はもう既にこの街を去ってしまっているのです。
蝶は視線を落としたまま、どこかへ飛んでいってしまいました。
次の日、蝶は医者を連れてきました。白いヘルメットに工具を持った医者は彼の身体に触れたあと、彼をどこかへ連れて行ってしまいました。
「よく頑張ったよ。ゆっくりお休み」
彼は静かに目を閉じる。
次に目を開けたとき、彼は、彼の仲間が大勢いる道にいました。街の大通り、子供たちが今日も大はしゃぎで道を駆け回っています。
「そんなに慌てたら、危ないよ」
彼が足元を歩いていた小さな子供に諭すと、彼は、『ありがとう!』と満面の笑みで返してくれました。
その笑顔はどこか、村の子供に似ていて、不思議な気持ちになったのでした。
彼は今日も人々を照らしてくれています。




