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@015
―じゃあ、またね
そう言ってテリアさんは、逆方向のホームを上がっていった。まるで明日も、部室で顔をあわせるみたいなことを、とびっきりの笑顔で。
ぼくたちは、卒業してしまった。
結局、テリアさんには、聞けなかった。ミステリイ好きなのかどうなのか。それだけではなくって、自分の気持ちにしても伝えていない。自分の気持ちが、自分でもよくわかっていないのだから、しかたがない。情けない。まったくもって情けない。
ぼくたちは、卒業してしまった。
卒業なんだなあ
卒業なんだねえ
卒業おめでとう、テリアさん
テリアさんの顔を、頭に浮かべる。
じゃあ、またね
自分の気持ちは、次に会うときまで、きちんとしておくことにしたい。
じゃあ、またね、テリアさん




