第四章 齟齬(46) ティアの住み処(4)
ストラゴスとドリストは北を目指した。その後ろには肉体を復活され戦士の魂を植え付けられた男達が続き、それを見守るように鎧兜に身を包んだ人とも妖精ともつかぬ、若く美しい女戦士達もいた。
深い森を苦労して歩いて行くと突然目の前が拓け、その先の山の上には白い宮城があった。
「あの宮城を中心に村を造ります。」
「国の間違いじゃないかね。」
ヴァーレと名乗った女戦士にストラゴスが反問した。
「そうとって頂いても結構です。」
感情のない声でヴァーレが答える。
「その国造りをこれだけの人数でしようというのじゃな。」
「増えます・・特に男達は。」
ヴァーレは男達の長と思われる戦士に目を遣った。
「エルメス、男達は彼が取り仕切り、女達は私が。
そしてそれを束ねるのがストラゴス将軍あなたです。
あなたはこの村の長となり、ドリストはそれを補佐する。
そうやって来たるべき戦いに備えるのです。」
「来るべき戦い・・・」
「全てを知るミーミル様の予言です。」
ストラゴスの声にヴァーレはそう答えた。
宮城に着くとヴァーレはストラゴスの前に金の杯に一杯のワインを差し出した。
「ミーミル様からの贈り物です。」
ストラゴスはそのワインを一気に飲み干した。
ワーロックはアレンを伴いミーミルの地に住む準備の為、妖精の国カーター・ホフの森を訪れていた。
「首尾は・・・」
オベロンが訊ねる。
「まあまあと言う所ですかね。
ティアは守ってもらえるようになりましたが、私もそこを出られない。
囚われの身というところですか。」
「では・・」
「それを受け入れました。
そこでお願いが。」
「どのような。」
ティターニアも声を発する。
「妖精を三人・・私とティアの世話をする為に。」
「人選は・・」
「レニックと後二人、男と女が助かる。その人選は任せる。」
オベロンがティターニアに目配せをし、その意を受けたティターニアはすぐにその場を出て行った。
ワーロックはその間にルシールとウィーゴの世話も頼んだ。
暫く時間が経ち・・
「フォーンが一人とニンフが三人。」
「二人と言ったはずだが。」
「あなた達二人とミーミルの世話をするには二人では少なすぎる。
彼と交渉することですな。」
「解りました・・・ではさらばです。
もうこの姿であなた達と会うことは無いでしょう。
アレンの行動を・・・」
「承知。」
ワーロックの姿はその場から消えた。
「チッ・・好き勝手に・・・」
アレンはプイとそっぽを向いた。




