今日は何の日
一話短編です。良かったら読んでみて下さい。
雨が仕切りに降っている。今日合わせて今月8回目。降りすぎた雨のせいでここに来るまでにタイヤが泥だらけになった。加えて9時から、朝目覚めたばかりだ。だるい、眠い。かと言ってしんどそうにしてられない、この場の雰囲気では。それにあいつの笑顔が正面にあって、こうも目があってると……。なんであいつ、笑ってられるんだ。
思えばあいつとは子供の頃からの付き合いか。担任の先生に俺が呼ばれて職員室まで歩いてたら走ってるあいつにぶつかって。廊下では走るなって教頭に怒鳴られながら走ってるから、あいつはあいつで職員室まで呼び出されて。クラスに配布するプリントを先生から渡されてる時、あいつ、教頭の声が廊下まで響き渡るぐらい怒鳴られてるのに気にもしない顔でボーッとしてて。クラスに戻った後、あいつから声かけられて。お前も怒られてたの?って、そんなわけ無いって言ったら、良いなぁって言ってたなぁ。それで面白いやつだなぁって俺から話しかけたら仲良くなって。
「グスッ、ウッ、ヒック、うぅ」
前の人、さっきから泣いてるよなぁ。たしかあいつの妹さん…だったよな。そりゃ泣くよな、あんな仲良しだったしね。
「それでは、前列の方から列になって前に来て挨拶をお願い致します。」
挨拶とか前みたいに、よ!ぐらいでいんじゃないか。軽く済ませるぐらいが俺らの仲じゃ妥当だろ。でもまぁしっかりと挨拶をしておくか。
今日はあいつの葬式なんだから。