参、かみさまの言う通り
サルタヒコ会合出席。
サルタヒコを乗せた舟は、無事にある桟橋へと辿り着いた。
眼前には、森がありそこから木造の階段が遙か天まで続いている。
先の先にぽつりと豆粒のような建物が見えるが、そこは神々が集まる大神殿であった。
「よっと」
サルタヒコは舟から軽快に飛び降りると、
「神様どおしの話し合いをするでの。しばしそこで待っておれ」
言い残すと、あっという間に森へと駆けだした。
「・・・へいへい」
一郎は桟橋に舟を係留させると、いつものように煙管をふかしはじめた。
(それにしても・・・)
一郎は思った。
これまであった様々な経験上、あり得ないことなどないそう考えるようにしていたが、その斜め上を行く怒涛の展開、もうなるようにしかならないさと腹は括っているものの、家族、桜、茜そしてケンジに迷惑をかけているのが、なんとも心苦しい。
(はぁ)
心の中で溜息をつく。
周りの景色は、まさに絶景であった。
しかし、目には映らないし、心は晴れない。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
ほどなくして、サルタヒコが戻って来た。
一郎は思った。
(神様の話し合いってそんなに短いのか・・・それとも自分の感覚がおかしいのか)
神を見る。
その表情は浮かない。
開口一番、
「すまない」
「いきなり、どうした」
「怒られて、門前払いじゃ」
「なんで」
「それは許可なく、お前さん達を神の地にあげたから・・・だと」
「そうか」
「つきましては、神と地の境目、ニライカナイにて、しばし逗留」
「わかった」
「・・・その・・・仕事をしてもらう」
サルタヒコは歯切れが悪く言った。
「仕事?」
一郎は訝しがる。
「う、うん。神たちがお前たちを珍しがってな。是非とも舟に乗りたいと申してな」
「さよけ・・・なんでも来いだ」
「そうか、助かる」
舟はゆるり桟橋をでた。
門前払い。




