前へ目次 次へ PR 69/126 玖、目覚め 桜目線。 朝陽が部屋に差し込む。 あたたかい陽の光。 私は目を覚ます。 おそるおそる。 ゆっくりと目を開いた。 ふと気づく。 右手がぎゅっとあたたかい。 そっと傍らを見た。 白い靄がかった視界が晴れる。 光に溢れる美しい世界。 夢にまで見た光景。 ここにいる。 いるんだ。 心臓が早鐘を打つ。 あの人だ。 いてくれた。 会えた会えた。 滂沱と涙か溢れる。 「ひっく、ひっく」 嗚咽が漏れる。 一郎が跳ね起きた。 「どうした!」 いいえ。 ただ私、嬉しいの。 ぽえむ。