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プロローグ結~聖魔大戦最終決戦~

 いきなり最終決戦。


 川田一郎・・・77歳。

 水面へと落ちるかすかな意識の中、ひたすらにお客の安全を祈った。

 水底へと沈む中、光さす水面にかすかに左手を伸ばした。


 目が覚めると、そこは別世界だった。

 信じられないことに老人だった自分の身体が若返り、活力に漲っていた。

 一度は死んだ身、一郎は開き直って別世界で生きていくことにした。

 剣と魔法そして異種族、怪物、アンデッド、神々が住まう、おとぎ話のような国で、一郎は英雄となった。

 のち、四守護天星(ガーディアン・フォー・スターズ)と呼ばれる生ける伝説の一人として、世界を闇に陥れた魔王を討伐したのだった。


 巨大な魔王は、恐るべき攻撃力と究極魔法、強固な防御力を誇り、一郎たち四守護天星を苦しめる。

「このままでやり合ったら、体力、魔法力を削られ全滅してしまうぞっ」

 大魔導士が歯軋りをする。

「だからと言って、ここで諦めるのか!」

 戦士が気弱な言葉を一喝する。

「みんな、必ず勝てる。俺たちは強い!」

 勇者は鼓舞する。

「・・・・・・」

 一郎は、黄金竿を右手に引き寄せ、握りしめる。

 この世界で、竿は伝説の武器となり、最大強度の攻撃力を誇るゴールデン・ランス(黄金の槍)と呼ばれている。

「死ねっ!童っぱ共っ!」

 魔王は両手から灼熱の炎を放つ。

「スキル4、龍水円舞」

 一郎が黄金竿を横薙ぎに一閃すると、龍に形どられた、うねり水がたちまち炎を飲み込んだ。

「!」

 次の瞬間、彼の目の前に魔王が迫り、暗黒大剣で斬りかかる。

「スキル3、魔法壁」

 魔導士は両手をかざし、一郎の前に防壁を築く。

「効かぬ!」

 魔王は、魔法壁ごと一郎を袈裟斬りにする。

「ふんぬ!」

 間に入った戦士が、大剣を剣で受け止める。

 魔王の頭上に飛びあがるのは、勇者、

「レベル∞ギャラクティカ・ビックバンっ!」

 最大奥義を炸裂させる。

「ぐのおぉぉぉっ!」

 一瞬、怯む魔王。


 勇者は仲間に指示をだす。

「みんな間合いが近すぎる。魔王の強攻撃を受けるぞ、下がれっ!」

「おう」

 一郎たちは、魔王から離れた。

「おのれっ!許さんぞ」

 魔王は一撃を受け激昂する。


 ・・・それから。

 ヒットアンドウェイの攻めては退きの攻防戦が再び繰り広げられる。

「これじゃ、同じだ」

 一郎は歯軋りをして言い捨てた。

「回復系の仲間がいないのは辛いな」

 戦士が頷く。

「そうだな」と、魔導士。

「それは今にはじまったことじゃないだろ、一郎!」

 勇者はニヤリと笑い、魔王を指さし続け言った。

「見ろ。魔王だって不死身じゃない。攻撃も魔力も弱ってきている」

「本当かよ」

 半信半疑の一郎は苦笑いをみせる。

「そう思えばそう見える」

 勇者はきっぱりと言った。

「ようは心の持ちようってか」

 魔導士はサムアップする。

「では、次の一撃で決めようじゃないか!」

 戦士は豪快に笑った。

「よし」

 勇者は頷いた。


 魔導士の究極魔法の発動を皮切りに、戦士が魔王へ突撃し、続いて勇者が走る。

 一郎は・・・後ろへ駆ける。

 逃げる・・・そんな考えなど毛頭ない。

 距離を取り、その時を待つ。

 仲間たちの奮闘に、黄金竿を力の限り握りしめる。

「今だ!」

 勇者の叫び声に、弾かれた走り出した一郎は、大理石の床に竿の先を突き刺した。

 先端の槍はめり込み、竿は棒高跳びのように大きくしなる。

 柄の部分を渾身の力で曲げ、一郎は宙に舞った。

 ぐるり空中で回転する。

 竿は死んでも離さない。

 床に刺さった竿の先が抜け、風を切る音、大いなる反動と、恐るべき力を生む。

「レベル∞大激衝!」

 魔王の脳天に、一郎の渾身の一撃が突き刺さり、

「うぎゃああああ!」

 断末魔の叫びがあがり魔王は消失し、闇に覆われた世界は光を取り戻した。



 次話から本編っす(笑)。

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