拾肆、暁屋、突入せよ
暁屋突入せよ。
暁屋は速度をあげ、ぐんぐんと魔王城へ迫る。
そうはさせまいと、魔物たちが城を取り囲み臨戦態勢を整えている。
覚悟を決めた一郎は、腕組みをして、ずっと彼方の魔王城を睨みつけている。
「一点突破、めざすは魔王の城のみ」
「じぃじ・・・」
「今は後の事は考えるな、ここは今やるべきをするのみ、この事を成せねば、すべては無になる」
「うん」
茜は頷いた。
はたと一郎は気づく。
「・・・すまない。皆、一旦、ワシに命を預けてくれ」
「はいっ」
「・・・暁屋最速推進っ!魔王城へ突っ込めっ!」
「了解っ!」
ケンジは舵を魔王城へと向ける。
「しゃ、艦長!」
「なんだ!」
「このままでは、敵の数が多く、魔王城を抜けません」
魔物群れが決死の覚悟で城を固めている。
「一斉斉射で、こじ開けよ」
ギルモアとアルバートは敵目掛け、暁屋のすべての火力を放つ。
「固いっ!駄目です。敵が多すぎて」
アルバートは震える声で伝えた。
「あなた」
「・・・真アカツキ砲を魔王城へ打ち込め」
「あ・・・暁屋の全エネルギーを一撃に込める必殺の・・・しかし、この近距離では、こちらも衝撃波で被害を」
「構わん。撃て。とにかく魔王城へ辿り着くっ!」
「・・・分かりました」
バリーは承諾した。
「ギルモア、アルバート、真アカツキ砲発射用意。ケンジは最大速で魔王城へ。皆は衝撃に備えろ」
「了解っ!」
「主砲発射後は、速やかに魔王城へ到達。最終決戦を仕掛ける」
「了解っ!」
「てーっ!!!」
轟音一発。
真アカツキ砲が放たれる。
その眩い光の線に吸い込まれるように暁屋は城へと突き進んだ。
いざ、最終決戦。




