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奇妙な結婚  作者: ピタピタ子
8/11

挙式2

ストラスブールを出て、TGVに乗ってパリ東駅まで行った。パリ東駅は相変わらず人が多かった。その後荷物をホテルに置いて、フランス旅行で出来た友達と昼ごはんを食べた。ルイとその奥さん、ギヨームと一緒に昼食を食べた。

「久しぶりだな。」

「久しぶりだな。まさかお前が結婚するとは思ってなかった。」

「日本もいよいよ死神との結婚が認められたんだ。」

「そう言う意味じゃなくて、女の理想高いお前がよく結婚出来たなって。」

「えっ、そうなの!?」

ピタ子は知らなかった事実にビックリした。

「昔の話だけどな。今は違うぞ。」

「妥協したんだな。」

「考え方が変わったんだよ。死神も人のように考え方変わるんだよ。」

「ねえ、皆はいつ知り合ったの?」

「7年前かな。」

「割と昔なのね。」

「挙式は明日だから楽しみにしろよ!」

そんなことを言って、ルイとギヨームをあとにした。


外に出るとデモが行われていた。死神を国から追放を訴える死神にとっては中々過激なデモだった。もちろんピタ子も巻き込まれないように道を避けた。頻繁に行われているわけではないがたまに行われているので、遭遇したら死神の俺にとっては中々面倒だ。

俺達は18区にあるジュ・テームの壁を見に行った。俺は18区は基本用事なければ行かないが、ジュ・テームの壁があるアベス広場は18区らしくない。ジュ・テームの壁には色んな国の言葉で愛してると書かれている。中々カップルや夫婦で写真を撮っている人が多い。愛の南京錠がたくさん見かける。南京錠の重みでセーヌ川のポンデザール橋が損壊したのはビックリした。俺からしたらそんなことしないから中々面白い話だ。南京錠で愛を交わした人達はまさか橋が壊れるまで考えないだろう。南京錠を橋にかける時は特に二人の世界で夢中になるんだから。南京錠にはお互いの名前を施すが、別れたら南京錠はどうなるかたまに考える。

「私達も南京錠かける?」

「そんなのなくても大丈夫だ。物で長続きするんだったら世界中の人がやってるよ。」

「そう。」

ピタ子は少し不満そうな感じだったが、そうだと言って南京錠を広場にかけようとは思わなかった。


いよいよ挙式の日がやって来た。ピタ子の元に行くと、ウェディングドレスを着て、いつも以上に輝いていた。多分人生でこの日が一番輝いているんのだろう。

「おお、今日は華があるね。」

「いつもでしょ。」

コタツネコは選ぶ言葉を間違えたようだ。しかしピタ子はにっこりと笑っていた。

「こんな幸せないわ。まだ式が始まってないのに涙が出そう。」

式が始まる前、会場には俺の仲間や妹、ピタ子の両親とコタツネコがいた。コタツネコも正装風の毛布を見にまとっていた。

「何これ?式の時もこんな格好してるの?」

「悪いか?それにこれは高級な毛布なんだ!お子様には分からないだろ。」

「何だかんだ言って可愛くて面白いけどね。」

妹はクスクス笑っていた。妹とコタツネコは何だかんだ言って前より仲が良くなった。

妹はあの一件があって以来、少しずつ変わろうと見えない所で努力していた。まだまだ未熟な妹だが、しばらくは遠目で見守るようにする。


「そう言えば、ルイとギヨームって何してる人なの?」

「ルイは配管工だよ。ギヨームは研究職で、結構エリートなんだ。人間も死神もエリートがいるもんだ。」

「みんなすごいな。コタツネコだって凄いんだよ!」

「何でいきなりコタツネコが?」

「コタツネコは本当に料理以外に、コタツの中で調理器具を素早く洗えるし、お酒強いんだよ。」

本番が始まる前にくだらないやり取りをした。


ヴァージンロードを父親と一緒に歩くピタ子は華そのものだった。おそらく寂しさもあるんだろう。コタツネコが既に泣いていた。

教会はとても綺麗なところだ。気がつくとお互い誓いの言葉を言いあった。最後はお互い誓いのキスをした。式は本当にあっという間に終わってしまった。

式が終わると皆で写真撮影をした。誰がどこに映るかでかなり時間をとってしまったが無事写真がとれた。


写真撮影が終わると、そのまま皆で食事をした。とても心地よい雰囲気のレストランで食事をしている。

「今日はいつもと違ってきれいだったな。」

「本当に今日だけはきれいだったな。」

「ちょっといつもきれいでしょ。」

コタツネコとピタ子パパの言うことをすぐに彼女は上手く答えた。

「コタツネコ、もっと言葉を選んだ方がいいわよ。そんなんだと一緒彼女の一人も出来ないかもね。」

「何だと、この前までお前の兄にベタベタだったし、彼氏の一人も出来たことないのに!」

「私にだって良い人の10人や20人くらいいるんだから。」

妹とコタツネコはさっきのようにお互い言い争いをしていたが、何だかんだ前より仲良い。

「そんなにみーちゃん、モテるの?」

「ピタ子さん、そうよ。私は魔性の女だからね。」

「自分で言うのかよ。」

相変わらず困った妹だが、彼氏の一人や二人くらい出来そうなのはどこか安心した。だが少し寂しい気持ちもある。


夜、ピタ子と俺は皆とは別で二人きりで少し観光をした。夜のエッフェル塔はとても綺麗だ。ルイの家でパーティーがあったので寄ろとした。しかし俺とピタ子は何もかにスタンガンをぶつけられて、気絶した。最近のスタンガンは死神も気絶させる。 

気がついたら何もない地下室の一室に俺達は監禁された。

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