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奇妙な結婚  作者: ピタピタ子
5/11

日常

これから夫婦で美術館に行く予定だ。コタツネコと妹には留守番をさせた。コタツネコがいれば大丈夫だろう。

「同居人が二人もいるとこんな二人の時間も珍しいくなってくるわ。」

「2人の時間はベッドぐらいだからな。」 

「こんな所で変なこと言わないで。」

ピタ子は何だかんだ恥ずかしがり屋だ。

「顔が赤いぞ。どうしたのかな?」

「もう、私の心深読みしないで!」

「まだ何も言ってないけどな。」

でもどこか楽しそうにしていた。ピタ子は絵が大好きで美術館に行っては、見たものの感想を彼女のノートにまとめている。それが彼女のことを上手く整理してるのだろう。

「なあ、ピタ子。俺なんか忘れてる気がするんだ。」

「携帯?もしかして財布?」

「そうじゃなくて、多分俺がしなきゃいけないことなんだ。」


その頃、コタツネコと妹は留守番をしていた。妹は俺がいないせいかひたすら部屋を散らかしまくりで、コタツネコがひたすら家事をしていた。よく妹が散らかした所をピタ子と結婚する前まで整理整頓していた。今考えると妹をかなり駄目にしてしまった。

「ああ、もう何で家に猫いるの?私猫嫌いなんだけど。家を汚すし、わがままだし、言うこと聞かないし。」

妹は動物はあまり好きじゃない。特に猫が嫌い。ただ妹の言ってることは同族嫌悪ともとらえられる。

「俺は普通の猫と違うの。コタツネコ一族出身の猫なんだよ。日本語話すし、普通の猫より大きいし、家事だって出来るの。」

妹はコタツネコ一族のことについて知らないし、興味も持ってない。本当に世間知らずのやつだ。

「へー、だから何?そんな人間らしくしてるんだったら、私にサイダー買ってきてよ。」

「それくらい自分で買えよ!俺はお前の下僕じゃないんだよ。全くお前の兄はどんな教育してんだよ。」

コタツネコは怒りながら掃除機をかけた。

「ちょっとうるさい。音楽が聞こえないじゃない。」

「そんなこと言ってる場合か!部屋が散らかってたら片付けるのが基本だろ。」

「誰かが部屋を片してくれるもんでしょ。」

コタツネコは妹の言ってることについていけなかった。無理もないだろう。妹は本当にわがままな王女様だ。こんなに能力値の低い死神はなかなかいないだろう。もちろん、それを可愛がっていた俺にも責任がある。 


俺とピタ子は美術館に出ると、噴水がきれいな公園に行った。初めて行く公園だ。

「健一は美術館とかよく行くの?」

「全然行かないな。絵はインターネットでも見れるし。」

「確かに健一の言うとおりね。そう考えると美術館行くのも面倒くさくなるからね。私が美術館行く理由はね、絵と直接触れ合って対話したいから。だって昔の絵がこんな綺麗な状態で大切に飾られてるって凄いと思うの。」

俺は普段そんなことを考えてなかったが、確かにそうかもしれない。


「そう言えば忘れ物はもう見つかったの?」

「それがまだよく思い出せないんだ。」

結構重要なことだが中々思い出せない自分がいた。頭の中でひたすらもがいていた。ぐるぐると回るような感じに。

「まあ良いや。近くのフレンチ予約してあるから、一緒に行こう。」

「私、今日の格好大丈夫かな?」

「何とかなるよ。ピタ子だし。」

俺達はご飯を食べては、二人だけの楽しい話をたくさんした。

夜景が綺麗な所で二人きりになった。

「本当はこう言う所でプロポーズしとけば良かったな。その方がもっとロマンチックだったしな。」

「良いのよ。あなたらしいプロポーズで私は嬉しいわ。答え方も私らしくしたけど、それでもあきらめなくて良かった。」

「諦めるも何も、君のことを愛してるからな。」

そう話しているうちに二人は思わず声をあげて笑ってしまった。そしてキスをした。


その頃、家ではコタツネコと妹が険悪モードだった。それでもコタツネコは妹のために料理をわざわざ作ってくれた。

「おい、ご飯出来たぞ。食べないのか?」

「いらないわ。カップ麺食べるから。」

「おいおい、そんなものばっかり食べていたら体に悪いぞ。俺のことを嫌いになるのは自由だけど、俺の料理は嫌いになるな。」

「別に好きでもないけどね。」

コタツネコは妹と険悪になっても、妹に気をつかった。


「もう家についちゃうね。」

「そうだな。」

夜景を見てたら遅い時間になってしまった。気がついたら家についた。

「ただいま。」

「ピタ子!!あの子何なの!!」

「どうしたの?」

「どうしたも何も、死神の妹が暴れ放題で大変だったんだよ。すごいわがままで、もう最悪。」 

俺は妹が猫嫌いなことを完全に忘れていた。完全なるミスだ。コタツネコは日本語をペラペラに話せる一族だからだ。

「お兄ちゃん、何でこんな猫と同居してるの?」

「だから俺はコタツネコだ!」

「とにかく追い出してくれない。」

まだまだお互い険悪モードだった。

俺はふと我に返った。

「今まで、俺はみーのこと何でもかんでも許していたし、だいぶ甘やかしていた。だけど間違えだった。これからは違う。そんなにピタ子やコタツネコ自身ややることに文句あるならこの家から出てけ!」

「お兄ちゃん、今なんて?」

「だから今から出てけ!」

俺は結構強い言葉で妹に言いかけた。

「お前のわがままで皆が振り回されるのは見てられないんだ。お前はもう可愛い妹なんかじゃない、ただの他人だ。悔しかったら、コタツネコに許して貰えるくらい変わるんだな。」

「もういい。」

妹はドアを強く締めて家を出て行った。ピタ子が追いかけようとしたが、俺はピタ子をおさえた。

「今のは言い過ぎよ。」

「そうでもしないと現状が分かってくれないだろう。どれだけ人に迷惑をかけて、王女様きどりしてるかなんて。」

「確かにあの子は私に冷たいし、わがままで、全然心開いてくれないから、正直得意じゃないわよ。でも健一に他人だなんて言われたら、傷つくわよ。」

あれから妹は帰って来なかった。

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