計画
俺達は結婚式について話していた。
「結婚式どこで挙式するか?ハワイとかどうだ?」
「ハワイはあまり好きじゃないわ。暑い国だと私あまり落ち着かないし、ドレスだとなおさら大変だわ。」
「ハワイは駄目か。」
色々と案を出した。
「パリで挙式するのはどうだ?」
「パリで挙式なんて、高すぎるわ。私の財産じゃとうてい難しいわ。」
ピタ子はお金のことをかなり心配していた。
「お金のことは心配するな、俺は証券マンして、なんせプロの殺し屋もしているからな。」
俺は経済力はそこそこあるので、お金のことはあまり気にしてなかった。
「殺し屋って言うのは絶対外で言っちゃ駄目よ。私までターゲットにされるかもしれないんだから。」
ピタ子はかなり悩んでいた。悩んでいた結果、結局パリで挙式することが決まった。
ある日、インターホンが鳴り響いた。扉を開けると俺の知らない奴がいた。
「ピタ子、用がある人がいるから出てくれ。」
「分かった。」
ピタ子が玄関に向かうと、ピタ子はその訪問者に感激した。
「コタツネコ何だか久しぶりね。」
「久しぶりだね。ピタ子。」
彼はコタツネコと言うコタツネコ一族から抜け出した猫だ。コタツネコ一族について詳しく知らないが、本家や分家の主従関係が今でもある一族だ。北海道に村がある猫の一族だ。コタツネコ村は迷いこまない限り、ほぼ行くのは不可能だ。
「はじめまして、コタツネコです。ピタ子とは長い付き合いです。結婚おめでとうございます!」
「はじめまして、死神の健一です。宜しく。」
コタツネコはピタ子と俺の結婚に感激していた。本当にピタ子と常に行動していたのが分かる。
「今日は他に要件があって来ました。」
「何の用事?」
コタツネコは躊躇なく話す。一緒に同居することを提案してきた。
「どうかコタツネコも同居出来ないですか?」
「そんなこと言われても困るよ。」
確かに俺の家は部屋が多くて、来客が来てもあまり困らない。しかし突然の同居は困る。
「せめて半同居状態でも良いです。」
「何故そこまでして同居したがるんだ。」
「この前、隕石が家に落ちて新居が崩壊してしまいまして。」
「そんなことあるか!」
ありえないようなことを言われて、驚いた。ただどんな所に住んでるか気になった。
「どこに住んでたの?あと、タメ口で良いから。」
「隣街よ。」
聞いてたピタ子も話しはじめた。
「家が直るまでの間なら良いんじゃない?あとコタツネコ家事スキル結構あるのよ。」
俺は考えたあげく、コタツネコの同居を受託した。
朝起きると、良い匂いがした。
「おはよう、ピタ子。あれ?」
キッチンではコタツネコが料理を作っていた。ピタ子は洗い物をしていた。料理はあっという間に出来て、お味噌汁やおひたしや焼鮭で健康的な朝食がテーブルに並んだ。
「コタツネコは結構料理上手いのよ。調理師の免許も持ってるんだから。」
「おい、ピタ子。褒め過ぎだぞ。」
2人は長年の付き合いでお互いをよく知っていた。彼は俺よりピタ子を知っている。どこか寂しさを感じた。
あいつが作る朝食は本当に家庭的な味だった。だけど色んなタイプの料理を作れるんだろう。
きっとピタ子も俺と妹のやりとりでどこか寂しさを感じたんだろう。だからこそ夫婦でしか出来ないことをしなきゃいけないんだと感じた。その為には2人の時間をいかにしたら充実するか考えた。だがあまり答えが出なくなった。今すぐには出ないだろう。共に歩むうちに分かれば良いが。
「死神さん、何か考えごとしてるんですか?」
「何でもないよ。関係ないだろ。それに俺は妻から健一と言う名前貰ったから、健一先輩だろ。」
職場の後輩はやたら俺のプラベートについて聞いてくる。
「今日は一緒に飲みましょうよ!先輩。」
仲が悪いわけではない。たまに飲みに行ったりはする。
「悪いな。妻がいるから無理だ。それに飲みの約束なら事前にしてくれ。」
ピタ子と結婚してから、飲み会たるものに行かなくなった。
家に帰るとピタ子が玄関に立っていた。俺を見ると泣きながら抱きついて来た。
「ただいま。どうした?どこか悪いのか?」
「違うわ。そうだとしたら、ベッドで寝てるわ。何でもないわ。突然涙が流れたの。」
「隠さなくて良いよ。」
「それは。」
ピタ子は話すのを躊躇していた。
どうやら疲れるとホルモンの関係で少し、涙出やすい時があるようだ。俺はそのことをあまり理解してなかった。
「ちょっと仕事大変だったの。」
俺はピタ子を抱きながら頭を撫でた。
しばらくするとピタ子は泣きやんでいた。
「いつまでもこうしてられないわ。ご飯の準備をしよ。」
「ご飯ならもう俺が作ったよ。」
コタツネコが突然現れた。コタツネコは手先が結構器用な奴かもしれない。
「美味しそう!」
テーブルには中華料理が並んでいた。俺もピタ子も美味しくてたくさん食べてしまった。
「ありがとう。今度私達にも料理教えて。」
「良いよ。」
3人はふざけて笑いながらご飯を食べ続けた。
夕食の時間が終わり、しばらくするとコタツネコは寝ていた。
「相変わらず可愛いでしょ。よく前は私の実家に遊びに来てたんだよ。」
「あのさ、コタツネコも良いけど、もっと自分のこと話したら?」
「そうね。健一みたいに話さないとね。」
次の日、家のドアを激しくノックする音が聞こえた。まるでドアが今にも壊れそうな感じに。
「誰だ?」
「私よ。」
玄関先には妹がいた。妹はとっさに俺に抱きついた。
「私、お兄ちゃんいないと生きてけない。」
「俺らに死神に寿命も何もないけどな。」
「そうじゃなくて、私の存在価値なくなるじゃないの。」
妹はどうやら極度なブラザーコンプレックスだ。確かに一緒に過ごす時間は多かったが、ここまでに情緒不安定になるとは思ってなかった。
「みーちゃん、どうしたの?」
「別に。あんたには関係ないでしょ。」
妹はピタ子に結構冷たい。
「ねえ、聞いて。今日からここに住むことになったからよろしくね。お兄ちゃん。」
拒絶すると何するか分からないので、妹の同居を受諾した。
「ちょっと何で断らないの?」
「あいつ情緒不安定になると、マジで何するか分からないからお願いだ。」
「そんなこと言われても。」
二人暮らしと思いきや、いつの間にか4人暮らしになった。




