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おちゃらけ男子の本気恋  作者: ゲームボーイ
1/1

入学式


〜春は出会いの季節〜


恋愛小説に出てくる男性ってかなりの確率で

The☆主人公→勉強が出来たり、スポーツに打ち込んでるイケメンだったりが多い。


今回はそんな主人公の友人役として出てくることの多いキャラを主役にしたいと思います。


普段ふざけていて、うるさい男っていますよね


一緒にいるのは楽しい、見ていても楽しい


学生生活の中で必ず1人は知り合いにいる系男子


普段ふざけてばかりの「おちゃらけ男子」


そんな男子の本気恋

マジコイ

を描いたストーリーです。


〜ドタバタの入学式〜

今日は4月10日。高校の入学式である。新たな出会いに胸を踊らせ、ちょっと髪の毛を染めてみたり制服を着崩してみたり変顔芸の特訓をして前々から楽しみにしていた日だ。なのに……


─────ピピピピッピピpバシッ─────


翔「んぁ……あ゛? …………どうしてだよぉぉぉおおお!!!?!」


現在時刻 8:20……入学式の10分前である。


ドタドタドタ……ガチャ!!


翔「母さん!! なんで起こしてくれないんだよ!」


母「やぁね、(しょう)ちゃん。ちゃんと起こそうとしたわよ〜。」


母「起こそうとしたら『あと1時間〜』って言って翔ちゃん、起きなかったじゃない。」


くそぅ!俺のバカバカ!バカ殿様!アイーン!

そこはアニメに良く出てくる「あと5分〜」とかだろ!

1時間ってなんだよ!長すぎだよ!

そしてMyMother!そこは起こせよ!


翔「……あぁ!もうとにかく!今日は入学式だからもう行くわ!」


ドタドタドタ……バンッ


母「はぁーい、行ってらっしゃーい」


そうして俺は飛び出るようにして家を後にした




───犬花騒静高校前いぬばなそうせい───


翔「ハァ…ハァ……間に合わなかった……!」


全力ダッシュしてきたのに……!俺の走る速さは柴犬並なんだぞ!つまり、大体ウサイン・ボルトと同じ速さ!あれ?俺いつからそんなに足速くなった???


そんな自問自答をしている俺の前には既に閉まっている校門があった。


翔「さぁって、どうするかな……乗り越えるか!」


目の前にインターホンがあるのに気づかなかった俺は柵に手をかけ、勢いよく乗り越えようした瞬間


「ねぇ、そこにインターホンあるわよ」


翔「えっ……うぉおおお!!!」 ドンッ


乗り越えようと地面から足を離した瞬間に話しかけられ動きを途中で止めた。そんなことをしたらどうなるか誰にでもわかる。そう。柵から地面に向かってFlyAway☆した。イテテ……


「ちょっと、大丈夫?」


翔「イテテ……あっ、あぁ大丈夫!俺の尻は衝撃を吸収する事に関しては低反発マットレスにも負けないからな!」


本当はかなり痛い。今にも「うぇーんママぁ」と泣き出しそうだ。


「ふふっ、何それ」


そう言いながら笑った彼女はとても綺麗だった。黒髪のロングで唇は程よい桜色。目も大きめでクリっとしていて可愛い。まさに大和撫子と言われるに相応しい人物だ。黒いタイツを履いているその足に踏まれたい。


翔「と、ところで君は?入学式に遅刻って……まさかヤンキー!?」


ヤンキーだなんて思ってもいないが自分の体を両腕で掴み怖がった振りをしながら冗談口調で聞いてみた。


「ち、ちがうわよ!昨日眠れなくて寝坊してしまって!……そういうあなただって遅刻してるじゃない!」


慌てた様子で両手を前にだしブンブンと振る仕草はとても可愛らしい。関係ないが黒いタイツを履いているその足に踏まれたい。


翔「俺も寝坊しちゃって……あ、そんなことより早く学校に入らないと!」


校門の横にあるインターホンを押し事情を説明して教師が校門を開けてくれた。その後、入学式をしている体育館に向かい自分のクラスの1番後ろに並ばされた。


隣には先程の女子もいる。つまり、同じクラスのようだ。綺麗と可愛いを兼ね備えている女子が同じクラスというだけで幸せな学校生活を遅れそうだ。


翔(あぁ、俺ってばこんな可愛い子の隣に立てるなんて遅刻してラッキー♡)


そうこう思っている内に長い入学式(といっても後半からしか聞いてない。)が終わり各クラス自分たちの教室へと帰っていった。



───── 1ーA教室─────


「おい!柴犬!入学式から遅刻ってなんだよ!」


そう言って笑いながら俺の肩に手を回してきた、見ただけでもわかる。The☆体育会系ゴリラは甲斐かい 竜也たつや

小学校からの友人である。ちなみに柴犬は俺のあだ名だ。柴田しばたと言う苗字に加えて1週間前、髪の毛を茶髪にしてからそう呼ばれている。


翔「いや〜昨日、変顔芸の練習してたら遅くに寝ちまって。」


竜「なんだよ、変顔芸の練習って。」


そういいながらゲラゲラと笑っている竜也を見てたら俺まで吊られて笑ってしまう。


「翔、竜也、2人とも何を笑っているんだ?」


そう言いながら話しかけてきたメガネ。この男は紀州きしゅう 海斗かいと。竜也と同じく小学校からの友人だ。勉学優秀・スポーツ万能。オマケにイケメンだ。こいつはさっさと異世界に転生してしまえ。


竜「おっ、海斗!聞いてくれよ、柴犬入学式だってのに遅刻してきたんだぜ!」


海「またか……翔は相変わらずだな」


翔「うるせー。」


海斗のヤレヤレと言う馬鹿にした様な仕草に(その眼鏡を100回、クイクイ上げ下げしてやろうか)とよく分からない報復方法を考えながらうるせーと返した。


竜「……!?おいおい!2人とも見てみろよ!美人がいるぞ!」


そう言われ、竜也が見ている方向を見ると先程校門前で見た黒タイツ……じゃなかった。黒髪のあの子が友達らしき子と2人で話しているのが見えた。


海「ふむ、確かに綺麗だな。」


竜「だっろ!?あの茶髪の方なんて俺のストライクド真ん中!」


竜也は茶髪の子の方が好みなのか。確かにあの子も可愛い。低身長ながら制服の上からでも分かる巨乳。プルっとした小さめの唇。だが、如何せんルーズソックスだ。可愛いのだが俺は黒タイツの方が好み。


翔「あの黒髪の子は……さっき俺と同じく遅刻してきた子だ。」


竜「まじ!?柴犬話しかけてこいよ!そして、茶髪の子紹介して!」


すごい勢いだ。このゴリラは……そんな雑談をしていたら教師が教室に入ってきた。


教「ほーい、お前ら出席番号順に席に付けー。LHR始めるぞー」


ガタガタッ 教師に言われみんなが席についた。


教「ほんじゃ、まぁ軽く自己紹介。俺は田中な〜。野球部の顧問だ。歳は30。彼女は募集中だ。年の差は気にしないタイプだぜ。」


にこやかな笑顔で高校生も守備範囲だと言い放つ田中先生。仲良くなれそうなタイプだ。


教「ほんじゃ、まぁ出席番号1番から自己紹介してけ〜」


1番の生徒「──────です!よろしくお願いします!」


ふむ、無難に出身中学校と趣味か。そんな感じで自己紹介するかな。


教「ほんじゃあ、次2番の岩根」


椿「花海はなみ中学出身。岩根いわね 椿つばきです。趣味はお菓子作りです。よろしくお願いします」


淡々とした口調で自己紹介をするのは、先程の茶髪女子。隣で竜也のやつが「椿かぁ……」と鼻息を荒立てているのは無視しよう。ルーズソックスより黒タイツの方が絶対いいのにと考えてる間に次は竜也の番だ。


竜「犬山いぬやま中学出身!甲斐かい 竜也たつやです!中学で野球やってました!ピッチャーっす!高校でも野球部入ります!」


教「野球部に入んのか!俺は厳しいから覚悟しろよ!」


竜「よろっしゃぁーす!!」


運動部の挨拶は半分発音しなくても通じるのがいいよな。好きだ。


教「次、紀州!」


海「前のゴリラと同じ中学出身。紀州きしゅう 海斗かいとです。中学ではバスケ部でした。高校も入るつもりです。よろしくお願いします。」


海斗の挨拶が終わると女子がざわつき始める。海斗。お前はバルス。滅べ。ついでにザラキ。死ね。嘘やっぱりお前がいないと寂しいザオリク。


そんなことを考えてる間に自分の番になった。


翔「あ〜っと!犬山中学出身!柴田しばた しょうです!海斗は俺のダーリン♡だから女子手を出すなよ!竜也はいらん、誰か貰ってくれ!毎日ちゃんとバナナをあげてくれよな!よろしく!」


両手を顔に当て腰をクネクネしながら自己紹介した。


海「やめてくれ!また変な噂が経つだろ!」


中学の時、海斗が女子がキャーキャー喧しいと言うから俺と付き合ってるって言っただけなのに……(女子がキャーキャー言うから嫉妬して嘘をついた。後悔はしていない。)


竜「バナナは好きだが俺はゴリラじゃねぇ!」


お前、中学校の時毎朝バナナ食いながら歩いてる姿は正にゴリラだったぞ


海斗と竜也のツッコミにクラス中が笑ってくれた。みんなの笑顔を見れたので自己紹介は満足。


教「犬山中学は漫才師育成学校か。覚えておこう。」


翔&竜・海「そうでっす♡/「「ちがいます!」」」


声がハモり、またクラスで笑いが起きた。


教「次、染井」


あの黒タイツ女子だ!


咲「えっと、花海中学出身の染井そめい 咲桜さくらです。趣味は読書です。よろちくお願いs……」


緊張していたのだろうか。よろちくと噛んでしまった。染井さんは恥ずかしくなったのか俯いてしまった。いてもたってもいられなくなり


翔「はぁいはぁい!!よろちくビーム!フォォ―!」


咄嗟によろちくビームを発射してしまった。だがクラスの人は笑ってくれた。染井さんも少し笑ってくれて、そのまま次の人の自己紹介へと移っていき全員の自己紹介が終わった。


そのまま、軽い学校説明を守備範囲が広い田中先生より行われあっという間に犬花騒静高校の入学式は終わり各々下校していった。俺も竜也と海斗と帰ろうとカバンを持った時瞬間。染井と岩根に話しかけられた。


咲「あ、あの柴田くんさっきはありがとう。自己紹介の時……」


翔「あぁ!別にあれぐらい。やっぱり、クラスメイトと初対面の時は1発ギャグ噛まさないとって思ってたから!むしろサンキュ!染井!」


椿「結構、寒かったけどね、柴犬のギャグ」


翔「えっ、マジ!?岩根、嘘だろ!?てか、柴犬って……」


椿「さっき教室でゴリラ君との会話が聞こえてたわよ。私たちに話しかけて来いって所」


翔「えっ?まじ?」


竜「え、お、え、あ……聞こえちゃってた?」


竜也がここまで焦ってるのは珍しい。確かにあんな会話聞かれてたら好意を持ってるのがバレバレだしな。


竜「えぇい!聞かれてたなら仕方ない!椿さん!一目惚れしました。好きです。付き合ってください!」


椿「いいわよ。」


竜「へっ?……よっしゃぁぁああ!!!!」


余りにもスピーディーなカップル爆誕で言葉を挟む余裕もなかった……


海「良く分からないが、おめでとう?竜也」


翔「ちょっと、染井手を出して」


咲「えっ、う、うん」


染井が出した手に自分の手を重ね握り、泣きながら大喜びをしている竜也に向けて魔法の言葉を言い放った。


翔「バルス!」


椿「あら、滅びの呪文だわ。私たち別れましょう。」


翔「スピーディーな破局おめでとう!竜也!」


竜「嘘だろう!椿さん!!!」 ドシャ


竜也が地面に崩れ落ちた。俺は友が破局したのに心がとても晴れやかだ……ふぅ。


椿「冗談よ」


岩根にそう言われると、もげそうな勢いで頭を上げる竜也。


教「お前ら、漫才はもう終わりにしてはよ帰れ」


腹を抱えながら苦しそうにしている守備範囲拡大教師の田中先生に言われ、俺たちは教室を後にした。時刻は昼12時35分。5人で昼食を食べようという話になり近くのピエロが有名なハンバーガー屋に向かった。

残念なことに岩根と竜也は本当に付き合うことになった。



────ランランルーなハンバーガー屋────


椿「柴犬?いつまで咲桜の手を握っているのかしら?そろそろ、その子茹で上がりの完璧なタコになりそうなのだけど。」


そう。実は教室でバルスを行ったあの時から手を繋いだままである。染井の顔が赤くなっているのが可愛いのと小さい手の感触を離すのが勿体なくて今まで繋いでいた。


翔「ごめんごめん。つい。」


そう言って手を離すと、染井は両手で顔を隠してしまった。それすら可愛い。モジモジしている足も黒タイツが映えてていい感じだ。

そんなこんなをしてるいる内に各自、注文を終え5人で席についた。ちなみに俺は「頭がハッピーセットバーガー」を頼んだ。薬物をやっているようなピエロの玩具がついてくる。


翔「しゃあ!トナルトの玩具コンプだぜ!!」


お目当ての玩具をGETしてテンョンがあがる。


竜「まだ集めてたのか。」


海「翔の趣味はよく分からないな。」


咲「ちょっと柴田君に似てるよね。そのキャラ」


翔「え!まじ!?」


椿「頭がおかしそうな所がね」


翔「ひでぇ!!!」


そんな雑談をしながら、みんなで笑い食事を済ませた。


海「所で、岩根さんはなんで竜也の告白をOKしたんだ?こいつは野球は上手いがそれ以外はゴリラだぞ。スポーツ推薦じゃなきゃこの学校にまず受からなかっただろう。」


いいぞ、海斗。もっと言ってやれ。


椿「ん〜、強いて言うなら私の作ったお菓子を笑顔で食べてくれそうなところかな。さっきもハンバーガーをとても美味しそうに食べてたし。私、食べ物を美味しそうに食べる人って好きなのよね。」


竜「もちろん!椿さんが作ったのならゴリラの餌でも食べるよ!」


椿「そう、今度作るわね。」


竜「えっ、いや、あの〜」


あからさまに目を逸らし焦っている竜也が面白い。尻に敷かれそうだな。


椿「それより、柴犬も海斗も名前呼びで良いわよ。面倒臭いし。」


海「了解した。」


翔「OK!染井も咲桜って呼んでいい?」


さりげなく染井の事も名前で呼ばせてもらう作戦だ。こんなに黒タイツが似合う女子とはぜひ仲良くなりたい。


咲「え、あ、うん!じゃあ、私もみんなの事名前で呼ぶね!」


その後みんなでLINEを交換し、グループを作りそれぞれ帰路に着いた。咲桜が俺のトプ画(全力変顔)に吹き出していたのがとても可愛かった。



────── 柴田家 ──────


母「おかえり〜、翔ちゃん。学校どうだったー?」


翔「楽しかったよん!MyMother!明日からのお弁当よろしくお願いしマッスル!」


マッスルと言いながらボディビルダーがするポーズをした。母は笑いのツボが浅いのでこの程度のことでも笑ってくれる。親父の寒いオヤジギャグでさえ笑う。良い母親だ。


そのまま軽く、咲桜や椿など新しい友達の話やトナルトの玩具をコンプしたことなど雑談をして、夜ご飯に俺の大好きな鶏のササミカツ(低カロリーなのに油で揚げている背徳感が美味しい)を食べ風呂に入りLINEのグループに変顔の自撮りを送り付け今日は就寝した。

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