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ナノマシンはご飯がお好き。〜あと少しで世界を滅ぼせそうだったんですが、異世界で人間の世話をする事になりました〜  作者: チャールスJ
第2章

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29話 お義母さんからの願い事。

 マモリちゃんや子供達を連れてリリアの元へ向かうと、青い空、白い雲、煌びやかに太陽の日差しを浴びて光る海。波が押し寄せる音が、夏だと感じさせてくれる海辺へと辿り着く。相変わらず神殿内にリゾートがあるのが驚きだ。


 そして少し離れた所では、水着姿のリリアと、10歳ほどの子供が半袖短パン姿でパラソルの下、寛ぎながらジュースを飲んでいた。

 そしてユーイチの目の前には、赤髪を逆立てている白い特攻服を着た色黒な男が、ユーイチのおでこに顔が付くほどの近くで怒声をあげている。


「てめぇがユーイチか!ひょろっちいヤツだなぁ!アァ!?なんも言えねぇのか!!」


 いきなり怒鳴り始めているので、子供達がマモリちゃんに抱き付いてビクビクしている。

 コイツは敵だな。そんな事を考えていると、リリアが怒る。


「ランバルト!子供達が怯えてるでしょ!さっさとコッチに来なさい!」


「俺はチビ達に何もしてねぇだろうが!アァ!?」


 リリアとランバルトと呼ばれたヤンキーが口論を始めると、リリアの横で寛いでいた金髪の中性的な可愛らしい子が、可愛らしい声で2人を諫める。


「リリアちゃんも、ランちゃんもいい加減におし。私のお客さんの前で揉めるような子に育てた覚えはないよ!」


 すると2人は無言で黙る。そしてユーイチ達に声をかける。


「すまないね。お客さんの前でバタバタ見せちまって。そこだと日差しが暑いだろ?みんなコッチにおいで。」


 そんな事を言いながら、手招きでユーイチ達を誘うので、ユーイチ達は素直にリリアと子供の近くへと向かう。そして、ランバルトと呼ばれたヤンキーもユーイチを睨みつけながら付いてくる。


「さぁさぁ。遠い所からわざわざ呼び出して悪かったねぇ。気軽に地上へ行ければいいんだけど、そういう訳にもいかないんでね。」


 ユーイチは地面に膝をつけると、美少年?に伝える。


「初めまして。大村雄一と申します。創造神様に声をかけて頂き、参りました。」


 近くにいたマモリちゃん達も同様に膝をつく。これは移動中に相談して決めていた事だ。練習もしたし、子供達もちゃんと出来ている。

 すると笑いながら、美少年?は答える。


「私が創造神さね。まぁ堅苦しい挨拶は抜きにしよう。なんせ娘の旦那なんだから、私にとっちゃ義理の息子さ。

 そして子供達に膝を折らせているのは好きじゃあない。そこにお座り。」


 美少年?は、美少女だったようだ。その言葉に甘えて、マモリちゃんに頷くと、子供達を用意されている椅子に座らせる。そしてユーイチも席につく。

 目の前にいるのが創造神であり、リリアの母親との事。これは、今後の家族関係を考えると、ちゃんと挨拶せねば!と考えていると、クスクス笑いながら創造神は答える。


「まぁ男でもあるし、女でもあるからどちらも正解さぁね。何しろ1人で子供を産むんだから両方でないと無理に決まってる。それにリリアちゃんから、ユーイチ達の事は聞いてるし、娘が決めた相手だ。結婚も反対しないし、好きにおし。」


 綺麗に心を読まれてるな。と、思うユーイチ。


「まぁ創造神と言う位だ。心くらいは読めるに決まってるさね。」


 と笑いながら答える創造神。下町のマダム口調なので、違和感を感じる。まぁそれを聞いて、素直に答えることにしたユーイチ。


「ありがとうございます。リリアと子供達と仲間達と暮らせているだけで十分幸せな生活を送らせて貰っています。1つの贅沢を言わせて頂ければ、創造神様はリリアの母上殿ですので、可能であれば『お義母さん』と呼ばせて頂きたいと願っています。」


 すると、横で睨みながら聞いていたランバルトが、顔を赤くしながら怒鳴り付ける。


「てめぇ調子乗りやがって!!リリアなんて呼ぶだけでもハラワタが煮え繰り返るのに、ババァの事を『お義母さん』だと!?このや、イテッ!!」


 すると空から金タライが落ちて来て、ランバルトの頭に直撃する。そして創造神様が怒り始める。


「ランちゃんいい加減におし!誰がババァだって!」


 そう言うと、ランバルトの耳を引っ張り始めて説教が始まる。そんな姿をため息を吐きながら、リリアは皆に説明する。


「ごめんなさいね。いつもこうなのよ。地球の日本のヤンキー漫画?にハマったらしくて、気が付いたら口は悪くなるし、変な服を着始めるし、髪なんて黒髪だったのに真っ赤に染めて、困ったもんだ。」


 ランバルトの赤髪は染めていたのか。ってか、ヤンキー漫画にハマるって、厨二病か?


「それを勧めたのはクリュメシュなんだけどね。」


 またアイツか!ろくでもない事ばっかしやがって!と思うユーイチ。それを聞いて創造神様は答える。


「向こうの世界は、こちらの世界のファンタジー?を真似て、こちらは向こうの世界に影響されちゃうから困るのよね。リリアちゃんは浜辺のビーチが気に入って、仕事場をビーチにしちゃうし困ったねぇ。」


 リリアのビーチは可愛らしいものだ。水着も似合っているし。今日は白を基調としたビキニにパレオを使っており、大人な雰囲気も似合っている。大事だから2回言ってみた。


「そうよね。リリアちゃんはせくしーだから、そう言うのが似合って羨ましいわぁ。」


「ババァは良い加減、歳の事を考えろよ!!」


「全く困った子だねぇ。ちょっと前までは『ママ』と呼んでいたのに、クリュメシェに会ったらもう少し懲らしめてやらないと。」


 ヤンキーが少し前まで『ママ』か。まぁ母親が好きなのは子供としては当然だよな。と考えつつ頷いていると、ランバルトはユーイチを見て怒り始める。


「てめぇ何を『そうだよな。』って顔で頷いてやがるんだ!!ケンカ売ってるのか!ヤンのかてめぇ!!」


 ランバルトから喧嘩のお誘いが来ちゃっているが、俺はする気がないぞ?と考えていると、創造神様が提案してくる。


「そうそう。ユーイチさんに会おうと思った理由が3つあったのよ。一つ目が、直にあってリリアちゃんの選んだ人を見てみたかったの。

 ちゃんとリリアちゃんの事が好きみたいだし、神様の伴侶としてもう少しやる気があると嬉しいけど、そこは今後に期待って事かしら。

 二つ目が、リエラちゃんのせいで迷惑かけちゃったでしょ?あの子の母親として、ちゃんと謝らなきゃと思って来てもらったの。

 本当にごめんなさいね。こっちの生活で不便があったらリリアちゃんに伝えてくれたら配慮するから言ってね。」


「今が幸せなので、配慮などは大丈夫です。美人の嫁さんと兄弟達や村の人達と仲良く暮らして行きますので。」


「そぅ。それなら良かったわ。それで三つ目なんだけど、ランちゃんがヤンキー?になって喧嘩したいと言い始めちゃったのよ。それで他の神に喧嘩を始めちゃうと、色々と世界が不安定になっちゃうから困ってねぇ。

 そこでね?ユーイチさん。ちょっとウチのランちゃんと喧嘩してあげてくれないかしら?それでね?私の事をババァなんて言う子に、お仕置きしてもらいたいのよ。」


 作り物のような綺麗な美少女である創造神様の笑顔に迫力がある。そして耳をひっられているランバルトも怯えて震えている。素直にユーイチは思った。逆らっちゃダメだと。


 ユーイチは、素直に創造神様に聞く事にした。心を読まれるなら、内緒の会話も出来るはずだ。

 どうしましょう?どの位まで喧嘩をしますか?一応、ナノマシンで出来てるので、痛みとか無いですし、色々と地球の格闘技とか覚えているんですが。


「ユーイチさんが前にクリュメシェちゃんにした以上でも平気よ?だって私って創造神だから、亡くなりそうになったら助けるから。

 さぁランちゃん。喧嘩してみたいって言ってたし、ユーイチさんに暴言を言っちゃってるんだから、存分にやりなさい。

 ちなみにランちゃんって、ユーイチさんの事を全く知らないの。だから安心して『本気で』やっていいのよ。最近は仕事をサボって何も勉強しないんだから。ヤンキーを辞めたいって言うまで頑張って欲しいねぇ。」


 笑顔で答える創造神様。どうしよう。存分にやれって言われても、子供達の前でそんなに激しい事は出来ないぞ?と考えていると、リリアが話しかける。


「ユーイチの顔に『子供達が心配だ。』って書いてあるわよ。大丈夫よ。この世界は暴力とか身近なものだから、小さい頃から見せていた方が良いわよ。」


「そんな殺伐とした世界なの!?」


「それはそうよ。だって魔獣やらモンスターが徘徊している世界なんだし、山賊とか普通に居るわよ。だから、殴り合い位は見せておいた方が良いわよ。」


 そういえば、モンスターとか倒すのを見せてたよな。

 そんな事を考えていると、レオン君と手を繋いでいるミリィちゃんからも賛成の言葉があがる。


「村でも、男の人達の喧嘩とか見た事があるんで、大丈夫です。怪我とかして欲しくないから、ユーイチさん負けないでください!」


「ユーイチにいちゃん負けたらダメだからな!」


「ユーイチにいちゃんがんばって!」


「「がんばりぇー」」


 殺伐とした世界だなぁ。と思うユーイチ。まぁ喧嘩したい事位はあるし、喧嘩した事ない神様相手に勝てば良いんだよな。でも恨みとかないから、喧嘩しにくいなぁ。と考えていると、ランバルトが創造神様からの折檻(耳をつねる)から解放されて、ユーイチに怒鳴り始める。


「てめぇがやるって言うのか!上等だ!!」


 見た目がまぁランバルトの方が30センチ程高い気がする。2メートルを超えてそうなんだよな。まぁある程度の筋肉質だけど、ボディビルダーみたいなタナティウスとは違うし、なんとかなるだろう。


「それじゃやるのは良いけど、喧嘩のルールを決めようか。金的と目潰しは禁止で良いかな?あとは殺さない様に最低限のマナーは守ろう。」


「ん?ふざけた事言ってるんじゃねぇよ!ぶっ殺してやる!!」


 ランバルトはユーイチに近付くと、睨みつけながら近づいて来た。その瞬間、ユーイチの右ストレートがランバルトの顔に突き刺さった。


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