20話 褒められたりする場所には、家族全員で向かうよね。
修正して読んでるのが楽しくて仕方がない作者です。
仕事をサボって家族と2回目の映画を観ていると、村に行っているマモリちゃんから残念そうな声でユーイチに伝えてくる。
(ユーイチさん。仕事を休むほどの疲労と聞いて、祝いの席を中止にするか話し合いを始めています。どうしますか?)
そりゃ主役が居ないと意味ないよな。
(顔は出せるけど、派手に祝われるのも好きじゃないって伝えてくれる?)
(はい。グイフ村長達も同じ意見ですので、安心してください。戦争終結の祝いの席は夜に行われるとの事ですので、夕飯の準備はしないで平気との事です。)
夜までのんびりできる事が確定したぞ!と喜ぶユーイチ。
(それと冒険者との話し合いですが、前回の行動を不問にする条件で彼等の戦闘技術、知識の提供。私達に多少の便宜を図る事。そして私達の事を外部に漏らさない事を条件として契約を承諾しました。)
これで色々と情報収集が出来る。この世界がどんな世界か調べておくのは大事だ。....あ。あぁ!!!!
ユーイチは部屋をゴロゴロしながら気がつく。リリアに聞けば良いのに今頃気がついた!神様なんだから詳しいだろ!!そんな事に気がつかなかった自分が恥ずかしい。まぁ美人な嫁さんとしか見てなかったから、仕方がない。
そんな感じで、狭い部屋を転がってるユーイチを、子供達はキョトンとして見ている。
「ユーイチさん大丈夫ですか?」
ミリィちゃんから心配されてしまった。
「うん。大丈夫。早く気がつかなきゃいけない事を、今頃気が付いただけだから。この地域や国やら色々と勉強したくてさ。リリアに聞けば良かったんだよね。」
すると納得したように笑いながらミリィちゃんが答える。
「確かに色々な事を知ってると思います。私も色んな話しを聞きたいです。」
そんな話しを2人でしているが、子供達は相変わらず映画に夢中だ。ナノ君だけ、トコトコ歩いてきてユーイチの頭を撫で始めた。
「ユーイチ。大丈夫。僕達。居るから。ゆっくり。調べよ。?」
ナノ君の可愛らしい顔から、大人なセリフを言われてしまった。まぁ急いで無いしおいおい聞いていくかな。
「そうだね。色々とゆっくり勉強しようか。」
そんな会話をしつつ、そろそろお昼の時間に近くなるので、グレッグ達も帰ってくる時間になる。さて子供の夢を叶えるかな。
「ミリィちゃん。お昼の準備は全部やるから、子供達と映画を見ててくれる?今日は準備とか全部やるからさ。」
ミリィちゃんは困った表情で答える。
「私も手伝います。」
「ちょっと1人で作ってみたい料理があってさ。ミリィちゃんも映画を観てて欲しいんだ。」
「わかりました。みんなと観てますね。」
さてミリィちゃんも部屋にいて貰う事が出来た。それじゃ準備をするかな。ユーイチはナノ君に話しかける。
(ナノ君。お昼の材料なんだけど....。)
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「アニキ。今戻りました。」
子供達が映画を観終わる頃、グレッグ達が帰ってきて、何故かテントに居るユーイチに顔を出してきた。
「お疲れさま。そろそろお昼ご飯が出来るから、お皿とか並べて待っててくれる?今日は子供達が喜びそうなお昼ご飯なんだ。」
子供達には映画を見せたまま、ユーイチは1人テントの中で料理を作っていた。これは使っている所を見せないようにして運びたいと思い、ナノ君には子供達を外に出ないように誘導するよう頼んでいる。
(ユーイチ。そろそろ。お腹。減った。)
(今出来たから、扉を開けてくれる?)
ナノ君に扉を開けて貰うと、ユーイチは完成した巨大な皿に山のように積まれた『スパゲティミートボール』を持って家に入っていく。そして、それを見たレオン君達は興奮して喜ぶ。
「「「「えいがのだ!」」」」
先ほど見た映画には大皿に乗ったスパゲティミートボールを仲間達とわけて、がっついて食べるシーンがあったのだ。この世界にはスパゲティは見かけた事がないので、今の所、オリジナル料理になるらしい。
「マモリちゃん。子供達がお皿に取るのを手伝ってもらっていい?俺はサラダとか運んで来るから。」
「わかりました。それじゃ1人づつ取りましょうね。」
マモリちゃんに手伝いを頼んで、ユーイチはサラダや副菜を運ぶ。今回の食事は全て映画に登場した食事だ。わざわざミンチ肉を固めて骨付き肉に作り替えたりして、映画の食事を忠実に再現してみた。
「ユーイチさん凄いですね!」
ミリィちゃんからもお褒めの言葉を貰った。やはり気晴らしは子供達が笑っている姿を見ると心が洗われるようだ。
大人達は食事に大興奮しているのを理解してないのでキョトンとしているが。
「ユーイチさん。子供達が興奮しているんですが、この食事が何かあるんですか?確かに珍しいですが。」
ユーイチは席に着きながら事情を説明すると、皆が映画に興味を示す。これは夜に第3回の放送が決定しそうだ。夜に子供達を寝かしてから酒でも呑みながらの放送かな?
「映画を見る時には、私も誘ってね。」
いつもより神々しい衣装でユーイチの隣りに登場するリリア。女神様と言った姿での登場だ。
「もちろん誘うさ。所で今日は随分と女神様としての威厳がある服装だけど、どうしたんだ?」
するとリリアは笑いながら答える。
「勿論、私の夫が祝われる席に妻が参加するのは当然だろ?その衣装を先に見せたくてね。仕事も特別に終わらせてきた。今回はタナティウスとリエラが代わりに仕事をしてくれているんだ。」
家族全員で俺を褒めるのに立ち会うのか。恥ずかしくて照れる。そんなリエラは、確かに普段付けてない宝石の付いたティアラや腕輪を付けている。こんな豪勢な物は初めて見た。
ユーイチは素直に感想を伝える事にする。
「確かにゴージャスで美人な俺の嫁さんだけど、俺は神様の役職に惚れた訳じゃないから、普段の方が落ち着いた服の方が好きだな。水着も似合っていたけどね。」
白い砂浜で金髪美女の水着姿はインパクトがあり過ぎた。そんな事を考えていると伝わったのか、リリアの顔が赤くなる。
「ユーイチ!あの場所の出来事は他言無用だからな!」
そんな会話をしていると、目をキラキラさせているレミリアちゃんが、トコトコ歩いてくると、リリアに近づく。
「きれぇね!しゅごいね!」
流石小さくても女の子だ。綺麗な物に興味津々な様子。そんなレミリアちゃんをリリアは、優しく抱き抱えると膝の上に乗せる。
「この良さが判るとは、小さいながらもレミリアは目が肥えているな。」
「めがみしゃまね。めがみしゃまみたいにキレイなの。」
リリアは笑いながらレミリアちゃんの頭を撫でて答える。
「そうか。レミリアか、女神様の様に美しい女神様なんだな。流石私の家族だな。良く本質を捉えている。」
ラルファ君もご飯の途中なのに、近づいて来ると、一生懸命答える。
「りりあおねーちゃんはめがみしゃまで、めがみしゃまだからキレイで、だからめがみしゃまなんだよ?」
うん。何言ってるか判らないが、褒めているのは確かだ。だが綺麗なのは同感だ。そんな気持ちを込めてユーイチはラルファ君を膝の上に乗せて頭を撫でる。横で聞いているリリアも笑っている。
「さて、それじゃお昼にしようか。ナノ君。子供達の食べこぼしがリリアの服を汚さない様に、|ナノマシン化をお願いしてもいい?」
「まかせて。」
そんな家族団欒を楽しみながら、皆で食事を進めるのであった。
冒険しないなぁ。無理に肉弾戦しないよなぁ。と最近諦めてきた作者です(笑)




