16話 また何かやったらしいが、俺は知らん!
書いていて楽しいんだけど、ピンと来ない作者です。え?書くのに飽きたんじゃないんかって?まぁ趣味で楽しみながら書いてるからね(笑)
面倒な話し合いだなぁ。と思いつつユーイチは未だに土下座をしたまま待っているセルスの元へと向かう。グイフ君も居たので先に声をかける。
「村長。今回の経緯についてゴワイルに全て話したので、ゴワイルの相談に乗ってもらえませんか?私は周りにどのように伝えれば良いのか判らないので。」
「ユーイチが魔族と戦ったって聞いたけど、違うのか?」
「なんと言えば良いのか...まぁ詳しくはゴワイルに聞いてください。私はセレスさんとの話しもしないといけないので。それにずっと土下座のままで居られるのも困りますから。」
グイフ君はゴワイルと一緒に家に入っていく。そしてユーイチは、土下座をしているセルスに話しかける。
「改めまして。ユーイチと言います。土下座などせず立ち上がってもらえませんか?」
するとセレスは頭を地面に付けたまま答える。
「私は副ギルド長として。今回の冒険者を雇った責任として謝罪しなければならないのです。この度は誠に申し訳ありませんでした。」
土下座を続けるセルスにユーイチは答える。
「私は土下座が嫌いなんです。謝罪をする誠意を見せる格好ですが、その人がどんな顔をしているのか判らない状態で謝られても判断出来ませんから。それでも土下座を続けるなら、私は貴方と話したくありませんし、昨日も言いましたが謝罪を受け入れません。」
すると急いで立ち上がるセルス。近くにいたメリッサに声をかける。
「メリッサ。セルスさんと昨日は話しをしたんだろ?どうなったんだっけ?」
「商業ギルドとして謝罪をしたい。迷惑をかけたお詫びの品として、馬車ごと謝罪の品として持参したのを受け取って欲しい。ドラゴンなどの品物を購入金額の1割多く支払うので売ってもらいたい。冒険者の昨日の凶行について個人的に謝罪をしたい。との事です。」
「その通りです。昨日はメリッサさんにも伝えましたが、私や商業ギルドは敵対や利用する事を考えていません。その事について契約を交わす事をお約束します。」
「メリッサ。落とし所はどんな所が良いと思う?」
「敵対しないのであれば、謝罪を受け入れて品物を受け取って契約を交わすのが良いかと。」
「昨日襲いかかって来た件については、どうする気ですか?セルスさん。」
「冒険者ギルドに判断を仰がなくてはならない案件ですので、彼等の処遇に関しては判断が付きません。私個人としては彼等を雇った責任もありますので、ユーイチ様の求める処罰に従います。」
「それでは、前回の件。今回の件について貴方を商業ギルド代表として、私の意見を伝えさせて頂きます。宜しいですか?」
「はい。申してください。」
はぁ。とため息を吐きながら、ユーイチはセルスの顔を見る。目の前には土下座で顔に土のついた男の顔がある。ユーイチはセルスの胸ぐらを掴むと、締め上げながら伝える。
「分かり易い態度で話させて貰いますね。メリッサの提案を受け入れます。そして今回の件に関して商業ギルドに追加要求する事が2つあります。
1つ。教会の孤児院から追い出された子供や弱者が居た際は、何か手を差し伸べる方法を全ての商業ギルドで検討して実行してください。
2つ。私を利用するな。騙そうとするな。敵対するなら容赦しません。商業ギルドが騙そうとした件。無理矢理ギルドに入れようとした件。謝りに来た奴らが襲いかかって来た件。
次に私や家族に迷惑がかかった時は、どんな事があろうとも謝罪を受け入れず、敵対行動と判断して関わったギルド関係者を殲滅します。間違っても商業ギルドと私が仲が良い。などの噂が流れない様に。そんな噂で利益を得ようとした場合も同様です。」
胸ぐらを掴まれたままセルスは答える。
「は、はい。わかりました。」
「ちなみに契約はしなくていいですよ。そんな事をしたら貴方達に神様からの罰が当たってしまいますから。何かあった際の罰は、私のこの手で全員に必ず報いを受けさせますので。」
とてもにこやかな笑顔でユーイチは伝える。
「判り易く実力を見せた方が良いですか?今からドラゴンの首を引きちぎって見せた方が良いですかね?」
それを聞いて青ざめた顔で答えるセルス。
「私個人としても、商業ギルドとしても約束は守ります!!」
締め上げていた胸ぐらを離すと、ユーイチは残念そうに答える。
「私はセルスさんに恨みはありませんが、これくらい迷惑を被っているという事を意思表示させて頂きました。貴方個人に何かを感じてはいません。
私は子供達とのんびり暮らしたいだけです。権力に関わる気もありませんし、無駄なお金にも興味はありません。せっかく頂いた物ですが、私個人が利用する事もないでしょうし。」
「いえ、商業ギルドはそれほどの事をしたのですから、仕方のない事です。私個人としましても、ご迷惑をおかけしてしまっていると思っています。品物に関してはギルドからですので、好きにしてくれて構いません。」
ピリッとした緊張感の中、グレッグが笑いながら2人の間に入る。
「アニキ。昨日も俺やメリッサでアニキの性格を話しておいたんで、副ギルド長さんもわかってくれてます。」
「ありがとな。ただでさえ面倒が多くて、今はピリピリしていてな。」
するとグレッグは呆れながら尋ねてくる。
「アニキ?まだ何かあるんですか?俺に出来る事はありますか?」
「いや、リリアと2人きりで相談した方がいい内容かな。何かあった時には頼らせてもらうよ。グレッグ」
するとグレッグは笑いながら自分の胸を叩く。
「任せてくださいアニキ!俺に出来る事は、なんでもやりますので!」
そしてユーイチは、セルスの顔を見ながら伝える。
「まぁ私は普通に生活したいだけの人間ですので、変に聖人のように扱われるのも好きではないので、普通に接してください。様で呼ばれるのも好みませんので普通にお願いします。
そして販売など詳しい事は商売担当のメリッサやグレッグ達に全面的に任せていますので、やりとりは彼等にお願いします。」
「判りました。しかし本当にユーイチさんは奴隷に全てを任せているんですね。」
「彼等は奴隷の立場ですが、私の仲間です。奴隷の期間が終わったら、私との関係も変わらず続くと思いますので、これからも仲間をよろしくお願いします。」
するとセルスは笑いながら答える。
「判りました。これからも良き付き合いが出来る事を心掛けさせて頂きます。」
右手を差し出すセルス。ユーイチはその手を握り、答える。
「良き付き合いが出来る事を祈ってます。」
そんな会話をしていると、さっきまで鐘を鳴らしていたグイフ君が慌ててやって来ると、ユーイチに抱きつく。
「ユーイチ!さすがユーイチだ!!やっぱり凄いよユーイチは!!」
『凄い』を連呼しているグイフ君。セルスと握手していた手を離すと、グイフ君の頭を撫でながら答える。
「村長?まずは落ち着きましょう。リッケルドさんにも相談した方が良いのかな?」
すると、家から出て来たリッケルドさんが笑顔で話しかける。
「ユーイチさん。改めてゴワイルから聞きましたが、流石に興奮するのは無理もないです。私も息子と同じ気持ちですから。やはりユーイチさんは凄い人ですね。」
ニコニコしながら話しかけて来るリッケルドさん。
「私も聞いても平気ですか?」
セルスは聞いていなかったのか、笑顔のリッケルドに尋ねる。
「ええ。これはギルドにも伝えるべき内容ですし、国に広めるべき内容になります。村長から発表がありますので是非とも聞いてください。」
そしてリッケルドさんから先ほどの内容が伝えられた。
「本当に、その様な事が?」
「ええ。彼等の言い分が正しければ、そうなります。」
村長の家の前には、鐘の音を聞いた村人達が集まっていた。そしてリッケルドさんが皆の前に立って話し始める。
さっきゴワイルに見せた内容を村のみんなに伝えてる。そして村が震えるかと思うほどの歓声が上がる。
端っこに居たラルファ君とレミリアちゃんが、大声に驚いて泣き始めたので、急いで向かう。子供達やマモリちゃん達と合流して集団から離れる事にする。
「ユーイチさん。本当に戦争が終わったんですか?」
ミリィちゃんが尋ねてくる。
「昨日見せた動画に映ってた1人が居ただろ?その魔族の1人が姫さまらしくて、色々と教えてくれたよ。どうなるか判らないけど、たぶん終わるんじゃないかな?」
平和な日本に居た俺としてはピンと来ていない。戦争なんて体験した事ないからな。それを聞いたミリィちゃんまで泣き出して抱きついて来る。他の子供達までが泣き始めたからやばい!
「マモリちゃん!みんな泣いちゃってるから、家に帰るぞ!」
近くに寄って来た村人達には断りを入れて家に帰るユーイチ。俺は知らん。子供達が優先だ!そんな歓声が湧き上がっている広場を後にするユーイチなのであった。
面倒事をゴワイルに押し付けてやったぜ!




