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ナノマシンはご飯がお好き。〜あと少しで世界を滅ぼせそうだったんですが、異世界で人間の世話をする事になりました〜  作者: チャールスJ
第2章

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5話 偉大すぎて大変な本。

 帰ると掃除はもう終わっていた。まぁ広くないから6人でやればあっという間だよね。


「ナノ君。虫退治をお願い出来る?俺は夕飯の支度を始めるね。」


「わかった。僕も。手伝う。」


「さて、食材も大人数だから買いに行かないとね。買い物組。俺の夕食の下拵え組に分かれようか。メリッサは家庭料理とか作れる?この地域の食事を色々と食べたくてさ。」


「作れますよ。私も女なので。」


 地雷を少し踏んだようだ。だが、撤去の仕方は心得ている。


「流石メリッサだね。商売や旅の知識だけでなく、家庭料理の事もバッチリ出来るなんて。それじゃ今日はメインをお願いしようかな。俺も作るからさ。

 それじゃ、誰か買い物を手伝ってあげてくれる?荷物持ちも必要だからさ。ナノ君。リュックを何個かお願い。残った人は俺の手伝いです。」


「鮮度の確認でしたら、私が行きます。」


 メリッサ。マモリちゃん。ミリィちゃん。グレッグ、バルは買い物組。残りが料理組だ。


「さて、それじゃ手伝いをお願いしようかな?」


 手洗いなどは荷馬車に乗っている時にしっかり教えたので、衛生面に関しては安心である。

 ナノ君が双子の面倒を見てくれているのが可愛らしい。写真に撮ったら売れるレベルである。


「それじゃどんどん作って行くからね。今から始めるのは仕込み段階です。竃に火を入れておいてくれる?炒める物があるからさ。」


「了解です。『火花(リトルファイヤ)』」


 ゴロスは(かまど)に薪を何本か入れると魔法で火をつける。色々と聞いたら、長い詠唱は効果が長く、短いと効果は短いらしい。さて、食事の量はリリアも入れて13人分。中々な量だぞ。


「ナノ君。ホールトマトって缶詰に入ったヤツを6個出してくれる?中身は半分に分けてビニールに入れて、双子ちゃんには潰してもらうお仕事をお願いしてくれる?」


「わかった。これだね。」


 ナノ君の手にはホールトマトの缶が握られている。そして双子は楽しそうにお手伝いをしてくれる。


「ぐにゅぐにゅね〜。」


「ね〜。」


 そんな会話を見つつ、下拵えを続ける。


「ありがとね。ナノ君。今からミートソースとハンバーグを作ります。玉ねぎや肉とかは料理本の通りに作ってみよう。

 13人だけど、余分に食べるのが居るから、20人前にしておくか。男達もいるから材料を20人前よろしく。

 まな板と包丁は3組に、後は料理に使ういつもの機材とダッチオーブンを2つよろしくね。」


 そう頼むと、ナノ君が魔法のように食材や道具を出してくれる。本当に凄いよな。


「さてと。ゴロス!メル!料理は戦いだ!これから泣きながら戦うぞ!」


 ユーイチ、ゴロス、メルは泣きながら玉ねぎを刻む。メルは教会でも下働きをしていたらしいので、包丁を渡したら俺より上手かった。


「メルちゃん。焦がさないように炒めておいてくれる?」


「やっておくぜ。」


 刻んだ玉ねぎと挽き肉をダッチオーブンの中で炒めて貰いながら、俺はその間に部屋のテーブルなどを外に出す。流石に13人分の椅子やテーブルは無いので、ナノ君に頼んで追加のテーブルなどを出して貰う。


 炒めて貰った中にホールトマトを入れて、調味料などを入れる。あとは煮込めばミートソースの完成だ。

 味付けは濃いと子供によくないので、気持ち薄めにしてみた。


「ナノ君。レジャーシートを引いてもらって、クッションやテーブルとか準備してくれる?」


「わかった。」


「さて、お手伝い出来る子は居るかな?」


「てつだうよぉ〜。」「ぼくもぉ〜。」


 笑顔で子供達は言ってくれる。今度は、ビニールに入れた挽き肉やら塩やら卵やら調味料を入れたお肉を揉んでいく。

 まぁ冷たい手で本当はやった方が良いと言われているが、お子様達の『料理を作った!手伝った!』と言う記憶は大事である。


「むにゃむにゃするね〜。」


「むにゃむにゃだね!」


「いっぱいモミモミしてね。美味しくなるから。」


「もみゅもみゅしたよ!」


「もにゅもにゅした〜。」


 揉んでもらった肉をどんどん形作り、焼いていく。どうせ大食らいが多いので、個数も気にせず焼いていく。

 ひっくり返す仕事はナノ君と一緒にやった。ちゃんとナノ君も出来るから偉い!となでてしまったので、また手を洗う事になった。


 焼けたハンバーグをミートソースを入れて漬けておく。ミートソースの残りは、明日の朝ご飯に使おう。氷がキャンプ用品で出せたので、クーラーボックスに氷を入れて後で保管する事が出来る様になった。


「「「「「ただいま〜。」」」」」


「「「「「「おかえり。」」」」」


「「おかえりぃ。」」


 ダッチオーブンは火からどけて、場所を開ける。余熱でも十分味が染み込むはずだ。

 ナノ君にブランケットを出して貰って、くるんで保温する。


「何か出来る事はあるかい?お皿とか準備は終わったんだが。」


「大丈夫ですよ。座っていてください。」


 あっさり振られた。なら座ってるかな。

 マモリちゃんも頑張って料理をしていた。まだ体を動かすのに慣れてないようで、2人は走ったり細かい作業が苦手だ。だが、楽しんでやっているようだ。


「ゴロス。いつも子供達の見守りありがとうな。何か困った事や大変な事は無いか?」


「奴隷じゃない時よりノンビリ過ごしている。美味い物も食べて、せかせか働かなくていいから。喋る事が多くて大変な位だ。」


「確かに子供相手だと話す事が多くなるよな。何かあったらちゃんと相談してくれ。叶えられる事は対応するからさ。」


「ああ。よろしく頼む。」


 横でラルファ君とレミリアちゃんは置いてあった料理本を開いて『しゅごいね〜』と言ってページを開いていた。文字は日本語だが、写真で楽しんでいる。


 ちなみにナノ君とメルちゃんは、前にナノ君に伝えて作って貰ったジェンガで遊んでいる。ナノ君は慣れていないので、勝率は悪いが楽しそうだ。

 そんな事をしていると、料理が運ばれてくる。


「出来ました。ユーイチさん。皆さんも食事にしましょう。」


 美味しそうな匂いがしてくる。


「さて、食べようか。リリア。夕飯の支度が出来たぞ。」


 すると瞬時に目の前に現れるリリア。今日も美人だ。


「ただいま帰りました。」


「おかえり。リリア。」


 にこやかな笑顔を向けてくる。いつもより美人かもしれない。そんなバカな事を考えていると声がかかる。


「ユーイチ兄ちゃん。食事が冷めちゃうよ?」


「ごめんごめん。それじゃ食べようか。」


 テーブルには茹でられたポトトの山。色々と刻まれている野菜のスープ、ブッシュボアかな?の肉野菜炒めのようだ。俺はダッチオーブンを持ってきて、トングでハンバーグを用意したお皿の上に取り出して、お玉でミートソースをかけていく。


「ハンバーグは多めに作ったから、おかわりはあるからね。マモリちゃんはとりあえず3個までね。

 みんなが食べ終わって、残ったらハンバーグ食べていいから。」


 止めておかないと確実に無くなる。暴食出来るけど、普通でも平気な事は知っているから容赦しないユーイチ。

 だが、そんな事はユーイチだけ思っており、周りから『甘いなぁ。』と思われているのに気がつかない。


「それじゃいただきます。」


 それぞれが食事前に食べる前の文言を言っている。色々と違いがあるらしい。何人かは『いただきます。』になってきている。


 そして各々がワイワイ喋りながら食事を始める。ちなみにラルファ君。レミリアちゃんの食事お世話係はユーイチが好んでやっていたが、主がやる仕事では無い。と周りから言われてしまい、交代制でやる事になった。


「ぱんばーぐおいしー!」


 ラルファ君からお褒めの言葉を頂きました。俺も食べてみよう。

 トマトソースやデミグラスソースがあるんだから、ミートソースも大丈夫だろう?と作ってみたが、食べてみると上手く出来た。

 ハンバーグもちゃんと焼けて、ミートソースの煮込み時間が短いから味にパンチは少し無いが、ハンバーグの味が負けてないのでちょうど良いだろう。

 明日はトーストにソースを載せてチーズをかけて焼くピザトーストか。それともスパゲティにするか迷う所だ。


「今日も美味しい食事ですね。キリキルのスープも美味しいですよ。」


 キリキルの材料をこの前聞いたのだが、謎の植物だった。

 この辺りの森にしか生えていない草らしいのだが、草を切る人によって風味や味が変わるという不思議食材だった。色合いも変わる。

 草を植え替えて持ち運ぼうとすると、誰がやっても味は苦くなるらしい。そして他所では育たない。だから特産品として売れない。

 どんな謎植物だ?と思ったが、ファンタジー植物だと思ったら納得した。


「このキリキルは、ミリィちゃんが切ったやつなんですよ。」


 スープを飲んでみる。優しい味がした。ホッとする野菜の甘味だ。ポトトを齧ってハンバーグを食べつつ肉野菜炒めもしっかり味付けされているので食が進む。


「マモリ。ちゃん。今。おかわり。3個。食べた。よ。?」


「ナノ君。それは記憶違いですね。あとで私がメンテをしてあげましょう。」


 お皿を持って席を立ち上がろうとしたマモリちゃんをナノ君が止めていた。おいコラ。俺だって怪しいから見てたぞ。確かにマモリちゃんは、おかわりをしていた。


「マモリちゃん。記憶違いはマモリちゃんだ。もうハンバーグをおかわり3個食べたでしょ?俺も見てたから。」


「そうでしたか。私も後でメンテをしておかないと。」


「まだみんな食べてるだろう。なんで食い意地だけ、そんなになったんだ?ほら、お皿にポトトを乗せてミートソースをかけたら持ってきな。

 ナノ君。チーズとバーナーを出してくれる?」


「はい。」


 ポトトにミートソースをかけて持ってくるマモリちゃん。ユーイチはその上にチーズをかけてバーナーで炙ってチーズを溶かす。


「ほら、火傷しないように食べろよ?みんなも気になったら試してみてくれ。」


 ユーイチが甘い事をみんなが気がついているが、美味しい物が食べれるので、黙っている一同である。


「また食べてしまうのも、ユーイチさんのご飯が美味しいからですよ。」


 リリアもハンバーグを食べながら話す。


「確かにユーイチの食事は美味しいな。今までは出来合いを出していたが、食材と作り手が変わるとやはり違うな。私もユーイチの食事は好きだよ。」


 周りからも『美味しい』と言って貰えたので作り甲斐がある。

 マモリちゃんの横に座っていたレミリアちゃんが、フォークにハンバーグを刺して『たべゆ?』と言って差し出している。


「いただきます。美味しいですね。ありがとうございます。」


 迷いなく食べたぞ!まぁ頭を撫でてお礼を言ってるから許そう。俺も『あーん』とかされたい。撫でられたレミリアちゃんもご満悦だ。


「なんだユーイチ?お前もされたいのか?ほら。口を開けなさい。」


 横に座っていたリリアからフォークに差し出してハンバーグを差し出される。恥ずかしいぞ。だが食べたい!

 俺は迷わず食べた。うん。今までで1番美味しいハンバーグかもしれない。


「それじゃお返しに。アーンして。」


 自分がやった事に気が付いたのだろう。赤くなりワタワタしてる。可愛い。そして上目遣いで口を開けた。


(ナノ君。録画しておいてくれるかな?)


 《2人の。動画。ずっと。撮影。してる。》


 これはコレクションを作らなければ!と心に決めながら、ハンバーグをリリアの口に入れる。

 モキュモキュ食べてるリリア。可愛い。そんな姿を見て、バルが呆れた表情で伝えてくる。


「メリスリリア様。ユーイチさん。大丈夫だと思いますが、一般的に恥ずかしいと分類される行為ですので、外でやられると要らぬ話しが飛び交う事になります。お気をつけ下さい。」


 周りを見ると、女の子は顔を赤くしながらこっちを凝視している。レオン君は隣に座ってるラルファ君にアーンしてあげている。可愛い。


「わ、私はこちらに来る時間が少ない故、多少の蜜月を過ごさなければならないのだ。夫婦だしな。」


「そうだな。これくらいは勘弁してくれ。外ではやらないから。」


 最近は進化の影響なのか、やる事が派手になっている気がする。まぁ悪い事じゃないからいいさ。

 そんな楽しい団欒を過ごしながら夜はふけていくのであった。


 後日、双子ちゃんから、『こりぇつくって。』と本を渡されるユーイチがおり、『七面鳥ってどう焼くんだよ!』と悩むユーイチである。



楽しく書いてるのですが、モチベーションアップの為、お時間のある方。感想とかあると嬉しいです!めっちゃ自分は楽しく書いてるんですが、冒険らしい冒険をしてないのは良いのかな?とか迷ったりもしてます。

協力よろしくお願いします。

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