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お昼ごはんを食べよう


シャールの生家である、クリフソン邸へ向かう前に少し自分の話をしよう。


僕、アルミッド・カーターとしての両親は既に他界している。

まだ幼かった頃、病弱だった母が病に倒れたのが始まりだった。

父は町医者を呼ぶために首都へ向かっていたところ、崖の崩落に巻き込まれて亡くなってしまう。

夫の訃報で悲しみに暮れた母は病状を悪化させてしまい、後を追うようにこの世を去ってしまった。

二人とも真面目で優しく、良くできた人だったので当時の僕はショックだった。

その姿を見て不憫に思ったクリフソン家の当主、ニコール・クリフソンが僕を養子にしたいと申し出る。

家同士の交友が深く、普段からシャールと僕がよく遊んでいた事で提案は村にすんなりと受け入れられた。

そして現在。食事はクリフソン家で提供されて、夜は両親の遺した家で寝泊まりする暮らしを送っている。

彼らの厚意が無ければ僕を取り巻く環境は苦境に陥っていただろう、いくら感謝してもしきれない。

そして僕らは昼食を頂くために、手を繋ぎながら村の中心部である広場を通り過ぎていくのだった……。


広場の中心には井戸があり村人の憩いの場所となっているが、今日は普段に比べてなぜか人の往来が少ない。

水汲みする人や、旦那の愚痴を言い合うため奥方が集まる時間なのだけど、誰もいないのは珍しかった。


「ねぇ見て、すごい馬車だよ」


シャールがぐいぐいと僕の服を引く。

指差した先を見ると、見慣れない馬車が村の入り口に停まっていた。

全体が黒塗りで覆われて、至るところに金製の豪華な装飾が飾られ目を惹く作りになっている。


「あんなの悪趣味だよ、見栄っ張りな金持ちの道楽さ」


「そう?私は好きなんだけどな」


今までにも肥沃な土地に目を付けて、狙ってくる不埒ものが後を絶たないでいる。

詐欺師紛いの商人に、儲け話を持ち寄る怪しい投資家。

住民達も慣れたもので、手早く追い返すのもまた日常の光景だった。

馬車の持ち主もそう。感性の悪さを自ら露呈しているだけあって、さぞ悪い奴に違いない。


「そっかぁ……アルってセンス無さそうだもんね」


「え。いや、すごいよね!パッと見分かんなかったよ。」


とりとめのない話を交えながら、一旦村を出て街路沿いに進んでいくと、小高い場所に木製の柵に囲まれた二階建ての立派なお屋敷が見えてきた。

近づくほどに料理の匂いが鼻腔をくすぐり、小腹を刺激する。


「この匂いは、ビーフシチューだな。間違いない」


「うぅ、私もうお腹ぺこぺこだよ。先に行ってるね」


自宅へ向かって駆け出すシャール、変わり気のない日常に顔が綻んでしまう。

振り返って村を見渡す、ため息が漏れ出るくらい穏やかな風景。

自分は本当にこの村が好きなのだと、改めて認識する。

この地域だけ俗世と切り離されていて、時間が流れていないような錯覚に陥っていく。

静かな平穏は世代が変わっても、きっと時代に取り残されながら続いていくのだろう。


「アルー、まだ~?」


感情に浸っていると、窓越しに催促されてしまった。

返事の代わりに大手を振って返し、柵扉を開けて進んでいく。

敷地内の庭園は色彩豊かで、小綺麗に整い趣がある。

明るく生い茂った芝生を踏み越えて、少し遅めの昼食を頂くために第二の自宅であるクリフソン邸へと足を踏み入れるのだった。

四苦八苦して作ってます(汗)

達成感と不安で一杯ですが、誤字報告や改善点など、容赦なく渇を入れて頂けると励みになります!

完成目指して頑張ります!

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