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とある記憶の記録:2

親友と何気ない話をするのが好きだった。

趣味では読書、絵、とにかく静かな事が好きだった。

嫌いなものは、その時間を邪魔するモノだった。

そう、アレみたいな──…

「ねぇ、✕✕ってね…」

「いつ見ても気色悪ぃ…」

毎日毎日、あることない事ばっかの話が飛び交う空間。

息が詰まりそうで、気色悪さに吐きそうな感覚を覚える始末。

なんて汚れた世界なんだろう。

この世で一番、『()()()()()()


そんな中、人生が変わる出来事が起こった。

その日は、いつも通りのクソみたいな日々だと思いながら一人通学路を歩いていた時だった。

不意に、後ろからいきなり名前を呼ばれ、とある陽キャな男子と少し会話をした。

会話と呼べるものか分からなかったが、こんな事には慣れていない私にとって、初めて会話したにも関わらず呼び捨てだった事には驚いた。

だけど怒りなどは微塵もわかず、ただただ心が浮き立つばかりだった。

あの日の、彼のたった一言。

たった一言だったけれど、あの日の事は私の人生を変える出来事だったと、呼べるものとなった。

それからはいつの間にか、毎日毎日彼の事を朝昼晩と考えるようになった。

普段する意味さえ分からなかったSNSを始めたきっかけは彼だった。

何もかもが彼が基準になり、彼に心酔していた。

恋だと気づいたのは、親友に言われてからだった。

だけど気づいたところで、これは叶わぬ恋だと知っていた。

好きな人がいるらしかった。

でも、それでも私は構わなかった。

せめて、許す限りは彼のことを見ていたい。

隣に立つ人を見届けるまで。

こんなクソみたいな世界でもいい所があることを知った。心から見守りたいと思う人が出来たから。

だからお願い。まだ、このままで…

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