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55,85日目(月)(6月27日)①

更新予約忘れてるやんけ!?って事で急いでメモ帳からコピペして更新です。新キャラ2名の元になってる要素を当てれる人は多分居ないと思われ

 ドーモ、突然ですが私は今魔導工国首都から出て少し歩いた所にあるとあるダンジョンの入口前にいます。


 その理由ですが予定通り学校から帰ってきて諸々の準備を済ませてからダイブした後イルミさんから受け取った紹介状によって研究所にはサクサク入れたんですが、そこの所長に寄贈する品を渡そうとした時に、


「ふむ、これを受け取るのはいいがついでにダンジョン奥の素材を狩ってきて欲しい、成果に対応した報酬はこちらで用意してある」


って言われたからです。所謂お使い系クエストの1種っぽいですね。

 ちなみに所長の見た目ですがヨレヨレの白衣にメガネをかけていてボサ髪の上目の下には濃いめのクマがある痩せた男性と言うそこはかとなくマッドサイエンティスト感のあるものでした。


 まぁこれでも一応私はゲーマーの端くれなのでちょっと特別そうなクエストのフラグを自分から捨てるなんて勿体ないことはしません。


 という訳でやって来たのがこのダンジョンです。軽く見た感じはよくある地下迷宮型と同系統っぽいですね。


 今回集めるアイテムですがいくつかあり、まず鋼鉄蟻ことスチールアントの吐く酸とその甲殻、次に潜影蝙蝠ことシャイドバットの羽の皮膜、そしてゴブリンの角とコボルトの牙、これらが主です。

 ですがそれに加えてこれらと比べて優先度は低いですがダンジョン最奥にいるボスのドロップアイテムも一応収集対象になっています。


 おそらくボスのドロップ素材込みだとボス素材が無かった場合と比べて何かしらのボーナスがあると思うのでボス素材も狙っていきます。


 ダンジョンの入口から入って少し進んできましたが今のところ出てきたのはゴブリンとコボルトがほとんどです。一応シャイドバットも数回出てきましたが皮膜は1枚しか落としませんでした。

 今のところ1度も出てきていないスチールアントは今いる階層だとレア枠だったりするんでしょうか?


 今も『調律躰導』を使って走りながら目の前に現れたモンスターに飛び蹴りをしたり足元から湧いたゴブリンの頭部を走る勢いのまま踏み抜いたり遠くから近づいてくるコボルトの急所に『複製の魔眼』で複製した投げナイフを投擲したりしながら進んでいます。


 それにしても、本当にここは迷路のような地形ですね。分岐に行き止まりは当たり前、それに加えて今まで見ただけでも状態異常罠に落下罠まで完備されています。


 今も十字路の交差点でゴブリンとコボルトの2種混成の集団が突然発生しました。あれがスチールアントとシャイドバットなら倒せば必要素材が揃いそうなんですけどね。


 正直わざわざ近づいて1匹1匹倒すのも面倒なので、一網打尽にする準備をします。まずはフラガラッハを取り出して12本に分裂させます。その次に剣先を集団の方に向けた状態で私の周囲に円形に配置します。そして準備が終わったらそこから放つ魔法であの集団を一気に焼き払ってしまいましょう。


 そう考えて配置したフラガラッハ1つ1つの魔法を発動待機状態にしていると突然私から見て右の通路から黄金色に光り輝く光が飛び出して来るととそのまま集団の中心に飛んで行きました。


 そして次の瞬間その光は一気に膨張し、そのあまりの眩しさに私が1度目を閉じ、少しして次に目を開けた時にはゴブリンとコボルトの双方が1匹残らず消え去っていました。


 そしてその後光が飛んできた方を見ているとおそらくプレイヤーと思わしき男女2人組が出てきました。


 2人の外見は私と同年代くらいでそれぞれの詳しい外見は男性の方が金髪に紫眼のアバターに黒い軍服のようなものを着て勲章のようなものがいくつか胸元に着いていました。


 そして女性の方は白髪に緑の眼をしたアバターでアニメやライトノベル等でシスターが着ているようなロングスカートタイプの黒い修道服を着ています。こちらはアクセサリーと言えるようなものは首から下げている十字架くらいしか見えません。


 男性の方はジョブやスキル構成が分かりませんが女性の方は明らかに聖職者系統でしょうね。


 そんなふうに2人組に対して色々分析しているとこちらに歩いてきました。

 そして互いの距離が腕を振り上げようとすれば相手の体に当たりかねない程の距離にまで近づいてくると


「・・・・・・(ジーッ)」


 女性の方がこちらをジーッと見てきています。一体どうしたんでしょう。なおこの間男性の方は視認範囲内に出現したモンスターを刀のようなもので倒して回ってます。戦い方的に高機動手数多のAGI戦士とでも言うべきスタイルのようです。


 さらによく見ると右手だけに持って振るっていた刀を左手側からモンスターが攻撃しようとするのを見ると即座に手放してインベントリに入れ、その次の瞬間には左手に先程収納した刀を取り出しそのまま攻撃の姿勢に入っていたモンスターを切り裂いています。


 収納からの再展開が寸分の狂いもなくできるからこその動きですね。

 最終的には諦めましたが私も別のゲームで似たようなことをしようとしたことがあるので何となく分かります。


 さらにまた右から先程と同じように来ると今と同じように今度は左手から右手に持ち替えています。

 思考操作なのか単純にUIを見ずに操作できるだけ配置を覚えているのかは分かりませんが私の知る限りのプレイヤーの中でシステムへの慣れはトップクラスだと思います。


 それにしても、随分アクティブで楽しそうに戦っていますね。もしかして戦闘狂のようなタイプだったりするんでしょうか。


「あの・・・・・・」


「はい?どうかしましたか?」


 私が男性の方を見つつそのプレイスタイルを考察していると先程までこちらを見続けていた彼女から声をかけられました。


「この後私達とパーティ組んで貰えませんか?」


 ・・・・・・ふむ?パーティですか。特に断る理由もありませんし今後も固定になるわけじゃなければ組んでも良さそうです。


 ですが今も再び湧き出したモンスター達を相手に単騎で無双状態に入っている彼には何も聞かなくていいんですかね?


「ダンジョンを出たところで1度解散するなら構いませんよ。始めた頃から一緒にパーティ組んでる人がいるので」


「はい。それで大丈夫です。シオンさんよろしくお願いします」


 私が条件付きで承諾すると彼女がそう言って頭を下げてきました。ゲームなのに礼儀正しいいい人ですね。


「あとパーティを組むって言うのは彼には言わなくてよかったんですか?」


「え?あ・・・・・・でも今言うの無理そうじゃないですか?」


 あ・・・・・・って、さては完全に忘れてましたね?それから少し待つと戦闘が終わったらしくこちらに歩いて来ました。

 そして歩いている途中で女性の方が男性の方へと近づいていきこちらには聞こえないくらいの声量で何かを話しています。


 その話も体感1、2分程度で終わると2人揃ってまた私の方に来ました。


「話は終わりましたか?」


「はい。なのでまずは自己紹介しませんか?」


「いいですよ。私からで大丈夫ですか?」


 と言っても自己紹介する相手は実質1人になりそうですが。

「はい。大丈夫ですよ、お願いします」


自己紹介するなら一時的な安地になってる今のうちがいいでしょうからサクッと済ませてしまいましょうね。


「私の名前はシオンで種族は人族です。戦闘は一応近距離から遠距離まで担当できます。最後に趣味枠として生産スキルもいくつか取得しています。2人ともよろしくお願いします」


 そう言って軽く頭を下げます。次は女性の方みたいで男性と横並びの状態から1歩前に出るとそのまま話し始めました。


「プレイヤーネームはアケディアです。種族はシオンさんと同じく人族でスキルは回復やデバフと中遠距離担当の支援系ビルドにしてます。一応私も料理だけですが生産スキルを持っています。シオンさんよろしくお願いします」


 ふむ、やはり生産スキルの中でも料理持ちは多いですね。サクラさんも持ってますしマナもお菓子の供給用に取ろうとしてるって言ってましたし。支援系はパーティー組むなら1人は欲しい役なのでおかげでこの後が少し楽そうです。


 そして最後は男性の方ですね。一体どんなプレイスタイルなのか、私の推測は当たってるのかが本人の口から聞けるのが楽しみです。


「最後は僕ですね、プレイヤーネームはスペルビアで種族はレア種族の堕天使です。戦闘スタイルは遠近対応の万能型です。好みは近接ですけどね。アケディア共々よろしくお願いします」


 まさかの堕天使ですか。種族詐称とかは無いでしょう。種族を言う時に合わせて左右一対の翼を広げて見せましたし。あと好みは近接って言った時に少し口角が上がっていたので戦闘狂説は継続です。


 最初の方は柔らかな微笑みを浮かべる無害そうな人だと思わせる雰囲気でしたが先に戦闘狂を疑う動きを見たあとだと正直それも擬態に見えますね。




 あの後自己紹介をしてから正式にパーティーを組んで進んできました。途中でスチールアントがソロの時の出現率はなんだったのかと言うほど群れで出てきたので必要数の素材が集まりました。

 それとここまで進んでくる中で2人の戦闘スタイルについてわかったことがいくつかあります。


 まずアケディアさんは支援系と言いつつ槍で広範囲を薙ぎ払ったあと投げナイフを投げて的確に急所を攻撃したりするなど普通の支援ビルドと比べて明らかに攻撃力が頭1つ抜けている上回復は広範囲設置型という高スペックなものでした。


 さらにそれを上回るのがスペルビアさんで、彼は左右どちらかに装備した武器を相手に合わせて瞬時に装備し直すことで持ち替え対応すると言ったそのPSの高さがよくわかる技能の他、その後は翼を利用して空中を高速で移動しながらの殲滅、さらには高速飛行から急な完全停止、そしてそこから再び急加速して一瞬でトップスピードに達するという離れ業まで見せました。


 特に最後の高速飛行から完全停止後に急加速という動きはPDOが発売されるまで私がもう1つのゲームと共にプレイしていた妖精郷をメインの世界として他に北欧神話のユグドラシルに内包される世界がモチーフになった世界が舞台として存在するゲームでは飛行がメインコンテンツの1つであるにも関わらず全プレイヤーのうち戦闘主体のプレイヤーの中でも知名度が高いトップ層にいる人達の中でもできる人が限られていた超高等テクニックです。


 私もPDOを始めるまで練習していましたが急加速と急停止のどちらかならともかくとして両方を連続で行うのは無理でした。

 もしかしたら彼もあのゲームをやっていたんでしょうか。少し気になります。


「この扉の先はボス戦かな?」


「どうだろう?体感的にはそこそこ長い時間ダンジョンにいる気がするからボス戦でもおかしくないけど」


 今私たちの前には巨大な、具体的には平均的な体格の人なら縦に2人、横に3人並んでも余裕があるくらいの高さと幅をした扉があります。濃く暗い色をしてる上に装飾まで施されてるのでこれがボス部屋前の扉だと思ってよさそうです。


 扉を開けて中に入ると中は扉の4、5倍程度もの縦横の広さに扉の3倍程度高さになっていました。さすがにいくらボス部屋といえどこれはちょっと広すぎませんか?この半分くらいの部屋でもボス部屋として十分な広さだと思うんですけど。


「奥に銀色の結晶があります。私が試しに攻撃するのでその後すぐ対応できるように準備しておいてください」


 私がこの部屋の広さについて疑問に思っているとアケディアさんがそう言って投げナイフを構え魔法を使うと同時に結晶に向けて投擲しました。そしてどちらも防がれることなく直撃し、衝撃で土煙が上がります。


 私達2人の準備が終わった直後、何かに散らされるようにして土煙が晴れ、そこに居たのは公園の草むらなどにいる普通のバッタの見た目と比べて各部位が鋭角化し金属のような質感に見える黒の体に赤い線が入った巨大なバッタでした。


「キィーーーン」


 私たちの方を向いたバッタから機械が動き始める前段階のような高い音が聞こえ始めました。


 そしてボスに対しての私達の反応はと言うと、各々で武器を構えてすぐにでも戦える準備をしたりスキルを使って自己強化をしたりしていました。


 そして高音が終わるとバッタの方から駆動音のような鈍い音がし始め、その体の一部が突然ドロリと液状化して地面に広がり、そこからボスのバッタを小型化したような黒いミニバッタが無数に湧き始めました。今は各々で捌ける程度の量ですがこれ以降湧く量によってはこの攻撃を繰り返されるだけでもしかしたら詰んでるかも知れませんね。


 なのでいのちだいじに、搦手も躊躇なく多用して短時間で倒すより時間がかかっても最後まで生存仕切ることを目標にやっていきましょう。




金髪紫眼の堕天使

天羽あもうあかつき

PNスペルビア


白髪緑眼の聖女

豊穹とよそら林檎(りんご)

PNアケディア


この2人のモチーフと姓名の由来を当てれる人がいたらちょっとビビる。一応漢字名の日本人自作キャラの中でもトップクラスに元ネタから名前決めに時間がかかってるので

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