54,84日目(日)(6月26日)①
6月もあと4日で終わって7月になりますね。来月からはソシャゲやその他の様々なゲームでも夏イベと言われる毎年恒例の公式イベントが始まる時期になります。
PDOも他のゲームと同じように7月以降には夏イベがあるでしょうから初の夏イベはどんな内容になるのか今から楽しみです。
個人的に予想するなら確率が高いのは特設イベントエリアの砂浜と海なんかが期間限定で実装されたりですかね?
水着なんかも実装されるんでしょうか?そのへんも楽しみです。
それとこの間の迷宮初見攻略の時に初見殺しビームが直撃したことでやられたボスのゴーレムさんですが、あの後掲示板と攻略サイトで情報を集めてから攻略サイトでボス戦での使用を推奨されていた身代わり人形をいくつか持って行った状態で素材集めも兼ねて1つ前のボス部屋後のセーブポイントから再開しました。
その結果、前回負けたあのボスゴーレムは前回負けた理由がわからないくらい完膚なきまでに完封出来ました。
腕でのラッシュも初見殺しビームも攻撃準備モーションに合わせて身代わり人形を投げれば確実に引っかかってボスが身代わり人形が落ちた位置に固定されるので攻撃中から攻撃後の隙まで含めて完全なボーナスタイムでした。
あとは素材集めのために行ったボス部屋までのゴーレム狩りの途中にこんな称号も獲得しました。
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【粉砕者】
物質系モンスターを打撃属性の物理攻撃で100体倒した者に与えられる称号。
物質系モンスターへの与ダメージが1.15倍、被ダメージが0.85倍になり物質系モンスターからのアイテムのドロップ率とドロップ量がそれぞれ1.05倍になる。
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見ての通り優秀な効果の称号ですね。個々の倍率はそんなに高くないですが火力と被ダメージの割合減少に加えてアイテム収集効率の両方を同時に上げられるのでとても便利だと思います。
これだけ便利だと私の他にも結構この称号か上位互換があれば上位互換を持ってる人がいそうですね。
ちなみに打撃属性の攻撃には土属性系列の魔法も含まれますが打撃属性の物理攻撃と書いてあるので主にハンマー系やメイス系が該当します。あとは質量で圧し切るタイプの刀剣類も一応含まれます。
私の場合、金属系素材は『人形作成』『魔工技師』『鍛冶』のレベリングで使うのでとてもこの称号は美味しいです。その上素材に使っても経験値が余り入らないような金属やその他の私にとっては不要な素材もプレイヤー、NPC問わずに誰かしら絶えず需要があるのでそれらは金策に使えますからね。
さてと、今月中に済ませたかったボス戦は思いの外すぐ終わりましたし今日は何をしましょう。次の公式イベント情報が出るまで前回の公式イベントで貰った旅行券を使って各国の首都巡りでもしていましょうかね?
私が今持っている旅行券は王国、帝国、聖教国、扶桑国、皇獣国、森奥国、武装国、魔導工国、統龍国、妖精国の10ヶ国分でそれぞれ2枚ずつ確保しています。
各国の説明を見てみるとこれらのうち人間種が主に住む国は王国、帝国、聖教国の3国でその他の国は他種族連合国家かその他の種族が主に住んでいる国家みたいです。
滞在期間はチケット1枚でゲーム内時間1日なので私は各国2日ずつ滞在できますね。
そして最初にどの国に行くのかですがこの中だとまずは魔導工国が良さそうですね。
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アイテム
魔導銃(type:アサルトライフル) ☆☆☆☆☆☆
レア度: 英雄級 反動20
太古の昔この世界に在った機械皇国で造られていたとされる魔力を銃弾として打ち出す武器。現在では製造法の大半が失われており機械皇国の流れを汲むとされる魔導工国ではこの魔導銃を元に実弾銃と魔導銃の開発、そして生産が盛んに行われており他国にも一部輸出されている。
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前回の公式イベントで入手したこれを出せばもしかしたら何かしらのイベントがありそうですしね。古代の遺物を国に寄贈する代わりに何かしら見返りがあるとかそういう感じのイベントが期待できます。
アイテムの説明文に、「現在では製造法の大半が失われており(ry」ってありますからそれを再現するのが目的なら参考になるものは幾らでも必要でしょうし。
というわけでクランホームで魔導工国行きの旅行券を1枚使用します。
切り取り線があるのでそこからビリッと2つに破くと片方が自動で手から離れ、光を放ちながらその形を変え紫色のドアへと変化しました。
そして手に残った片方もドアの変化が終わると同時に同じように変化し始め、数秒でアメジストのような薄紫色の結晶が持ち手に着いているアンティーク風の鍵になりました。
ドアには鍵穴があるのでこの鍵で開けるんでしょう。それにしてもなかなか凝った演出で他の国に行く時の演出も楽しみです。
でもドアを開ける前に最終確認をしましょう。
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ステータス振り、良し。
・・・・・・
アイテムの買い忘れ、無し。
・・・・・・
デバフのチェック、良し。
・・・・・・
HPとMP、共に最大値で数も多め。
では行きましょう。
ガチャッ
ドアの鍵穴に鍵を差し込んで回すとそんな音と共に回りドアがゆっくりと、ドアノブを触っていないのにも関わらず自動で開いていきます。
ドアが完全に開くとそこにはドアと同じ大きさの紫色のモヤがありました。
これあれですね、ブロックで世界が構成されているゲームで通常世界から別世界の地獄に行く時に使うゲートを作った時に出てくるモヤに似てます。
モヤをくぐると、くぐる前にいたクランホームとは打って変わって薄暗い場所でした。昼間のはずなのにここは夕方か夜みたいですね。そして周りを見てみると至る所に街灯があり視界の奥には四方に大小様々な無数の時計が着き、正面には唯一大きな時計が着いている巨大な塔があります。
どことなく教科書で見た産業革命頃のロンドンの風景似ています。もしロンドンがファンタジーに侵食されたらこんな感じになるんでしょうか。
大通りを歩いていると周りの現地人の方からよく視線を向けられます。こちらをチラチラと見てはコソコソ話しているように見えるので人によっては不快感を覚える人もいそうです。
まぁ私はそういうことに関しては特になんとも思わないのでいいですけど。
とりあえず博物館か研究所のような場所を探しましょうか。そして見つかったらこの間のイベントで入手した古代式魔導銃を寄贈します。
正直なところ銃火器は報酬で貰ったユニークの方で今のところは事足りているのでわざわざ通常枠の方は使いませんからね。
そしてマップを見ながら魔導工国の首都を歩き回っていると博物館らしき建物を見つけました。なかなか見つからなかったのでもし首都に博物館が無かったらどうしようと思いましたが杞憂でしたね。
博物館の外観はフランスのパリにある有名な美術館を元にガラスのピラミッド部分を削って規模を縮小した感じが私の知ってる建物の中では一番近いと思います。
・・・・・・まぁ私はまだロンドンもその美術館も行ったことないんですけどね。
それでもイギリス風の街並みにフランスの有名な美術館風の建物があってその上で違和感がないのは面白いと思いますよ。
博物館の規模は首都にあると考えるとそんなに大きくないような気がします。
博物館に入ってみると入口からすぐの所は落ち着いた雰囲気の普段使いするようなものと比べて少し暗めの照明で照らされていてその少し奥にガラス製のケースの中に展示品が置かれているのが見えました。
入ってすぐのところに受付らしい場所があるのでとりあえずそこで寄贈について話すついでに博物館の入場チケットも買っておきましょう。
受付さんに話してみたところ館長さんがちょうど手が空いてるらしく今から来るみたいです。
「こんにちは。初めまして、私はこの博物館で館長をしているイルミ・リーブラと申します」
そしてそれから少し待っていると獣人種の中ではケモ度は中間くらいの女性が出てきました。魔法族の国の首都にある博物館なのに館長は獣人族の方なんですね。それだけ優秀な人だということなんでしょうか。
彼女の見た目ですが顔と上半身は人間で腕と下半身はフクロウです。ハーピーのフクロウモチーフ版って例えが個人的には割としっくりきますね。年は大学生くらいかそれよりちょっと上っぽいです。
服装は博物館の制服らしい受付の人が着ていたものと似たものを着て頭に昔の飛行機乗りの人のようなゴーグルをつけていて首にはペンダントのようなものをかけてます。ゴーグルは上にあげているのでちゃんと目も見えます。
あと制服の上着の裾が長くて萌え袖のようになっていて羽の先端部分がそこからチラッと見えています。
おっとり系ハーピー風獣人のお姉さん、ですか。これは一部の人達に色々と刺さりそうな属性盛り盛りですね。
「専用の部屋があるのでそこで今回寄贈してくださる品物を見せていただきますね」
そして羽のようにふわふわした髪質に前髪は中央部分がいちばん長くなっていて眉の上あたりに斜め上に伸びている毛があります。
まぁこれはリアルのフクロウにもある部分ですしおそらくその再現でしょう。
案内された部屋に着くとソファーに座るよう促されたのでそれに従って座りました。中はテーブルを挟んで2つのソファーがある以外は観葉植物と絵画くらいしかないです。
「さてと、それではまず寄贈してくださる品をこれの上に置いて頂けますか?」
すると私が座った後に対面に座ったイルミさんがどこからか真っ白の布を取り出すとそれをテーブルに被せてそう言いました。
「わかりました」
なので言われた通りアサルトライフル型の魔導銃を取り出してテーブルの上に起きました。するとそれに手をかざしたりルーペーのようなもので細部まで見始めました。
「ふむふむ……む、これは・・・・・・失礼、少しお時間を頂きます」
見始めて少しすると立ち上がり扉の近くに移動しペンダントを口元に近づけて小声で何かを話しています。一体どうしたんでしょうか?でも私に出来ることはなさそうなので何か言われるまで大人しくこのまま待っていましょう。
「館長!持ってきました!!」
待っていると扉が開いて魔法族の人が白い布に包まれた物を抱えて部屋の中に入ってきました。
「ありがとう、それじゃそこに置いておいて」
彼はイルミさんに言われた通りの場所に持ってきたものを置くとすぐに帰っていきました。そして扉が閉まると布を広げて包まれていた物が目に入ります。
それは私が寄贈しようとしていた物とほとんど同じものでした。違いは1部パーツが私のと比べて欠けていることと赤黒い血の痕のようなものが所々に付着しているところくらいです。
「見ての通りこれは寄贈してくださる品と同じ物です。ですが保存状態が明らかに違います」
確かにそうですね。私の持ってきた方は新品のような見た目ですがこちらは下手に扱えば壊れそうなくらいにボロボロです。
「ですからここに寄贈するより古代武装研究所に寄贈しませんか?状態がいいので研究用のサンプルとしてかなり向いてますし」
ふむ、研究所ですか。でも普通研究所って言うと警備なんかが厳重で簡単に入れて貰えないと思うんですがそこはどうするんでしょう。
そう思ってイルミさんに聞いてみると、
「あぁ、研究所への紹介状は私が書くので手続きはかなり簡単になると思いますよ」
あ、イルミさん紹介状まで書いてくれるんですね。それならまぁ何とかなりそうです。そして紹介状は今日中に書くらしく貰えるのは明日みたいです。学校が終わってからになりますね。
今日のところは魔導工国の雑貨屋さんなんかを巡って気になるものを色々と買ったら王国に戻ってスピカ、ルキス、エクラを召喚して戯れながらクランハウスで鈴華さん達が来る3陣参加日用のアイテムを量産していきましょう。




