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51,76日目(金)②(6月18日)→77日目(土)

 掲示板を見たところ私が今から向かう施設は設定上厄災への対抗策として元々各国の首都にしか無かった施設を莫大な予算をかけて他の街にも増やしたものらしいです。なので施設の利用には金銭を要求されるんですね。

 まぁメタ的な解釈をするとここから通常敵も強くなってくるから新しいスキルの強化方法を実装しましたと言ったところでしょう。




 というわけでやって来ましたスキル強化施設です。早速強化してもいいんですが強化方法が幾つかあるのでその前にそれぞれの強化方法を復習しましょう。


 まずスキルの特殊強化には統合、合成、連結の3つがあります。そして連結は昇華とも言われています。


 1つ目の統合は同系統のスキルを合わせての正当強化。

 2つ目の合成は好きなスキルを組み合わせての変化強化。合成するとランダムでスキルが変化するようです。

 3つ目の連結は統合と同じ同系統スキルを纏めるものでもこちらは他に昇華と言い換えることも出来るように段階を飛ばした強化先に発展することもあるが相性が良くないと発展しない上プレイヤーによって発展スキルが変化したりするので現在検証勢による検証が行われている、ですか。

 発展型のスキルというのがどんなものか気になります。


 統合と連結の違いは剣術系スキルを例を出すと統合は剣を使ったスキルを統合するなら同規格の剣を使う物のみ、連結は剣を使うスキルなら防御スキルと攻撃スキルでも可、さらに大剣と短剣のように剣という枠内であれば別の種類でも可と。


 まず私の持つスキル群の中でも最も種類が多いノーマルの武器系スキルであるこれらを確認。


スキル─────────────────

・ノーマルスキル

武器系スキル

『魔闘術 Lv43』『縮地 Lv42』

『上級剣術 Lv18』『肉体掌握 Lv30』

『空歩 Lv32』『中級杖術 Lv15』

『中級盾術 Lv16』『中級斧術 Lv15』

『中級槍術 Lv15』『装備重量軽減 Lv24』

『中級弓術 Lv16』『狙撃 Lv34』

『上級銃術 Lv7』『曲芸師 Lv20』

『精密動作 Lv30』『念動力 Lv30』

『中級刀術 Lv6』『大鎌術 Lv7』


 この中だと『上級剣術』『中級杖術』『中級盾術』『中級斧術』『中級槍術』『中級弓術』『上級銃術』『中級刀術』『大鎌術』の武器系スキル10個と『魔闘術』『縮地』『精密動作』の肉体系スキル3つをそれぞれ統合か連結するのが良さそうですかね。魔法系は合わせた結果が思い浮かばないので今回は無しです。


それでは施設に入って早速強化していきましょう。




「スキル修練場へようこそ。強化場所はこちらになります」


 扉を開けて入ると施設の職員のような人から話しかけられました。それでは言われた通りついて行きましょう。






「こちらがスキルの強化を行う部屋になります。この部屋の中では外界の時間の流れから隔離されています。それではごゆっくり」


 後ろを着いて行くと部屋に到着しました。部屋の中は外とは時間の流れが違うようなことを言っているので時間をかけて組合せを考える人には良さそうですね。

 まぁ私は素材にするスキルを決めているのでサクッと済ませてしまいましょう。


 部屋の奥に小さな祭壇のようなものが置いてあります。おそらくあれを使って強化するんでしょうね。でも使い方が分かりません。




 ・・・・・・ふむ、これであとは素材にするスキルを選択するだけですね。MPを消費すると祭壇がそのMPを増幅して強化に使う魔力のようなエネルギーに変換、そしてスキルを選び最後に合成数に応じたお金を入れればそれで終わりです。基礎値が2個のスキルを素材にする場合で2万ユル、それ以上は1個増える事に1万ユル増額です。なので私の行うスキル強化は12万ユル消費します。

 これはまたダンジョン周回か生産で金策をする必要がありそうですね。武器系も肉体系も連結強化にします。


 スキル強化が終わるまで時間がかかります。武器系はともかく肉体系はサクッと終わるかと思いましたが意外とかかりますね。







《『魔闘術』『縮地』『精密動作』の連結が完了しました。発展技能(エボルアビリティ)へ派生します。》




《発展技能『調律躰導』を獲得しました。》



《続いて『上級剣術』『中級杖術』『中級盾術』『中級斧術』『中級槍術』『中級弓術』『上級銃術』『中級刀術』『大鎌術』の統合が完了しました。》


《スキル『武芸者』を獲得しました。》


 スキル強化が終わりました。新しいスキルの効果を確認してみましょう。


 

 まず『調律躰導』は・・・・・・なるほど、体を動かす行為全般に補正がかかるようです。縮地は変わらず使用可能な上、元のスキルより自由度が上がっていると。体術系は使えるかわかりませんがかなり優秀なスキルになった気がします。


 そして次に『武芸者』ですがこちらは武器の使用全般に補正がかかりアーツも1部のみですが使えます。


 ・・・・・・今回はそこそこ当たり寄りの強化先引きましたかね?最高の当たりを引いたかは不明ですが私としてはこれでも十分当たりと言えるでしょう。


 この後は・・・・・・そういえばここはスキル修練場でしたね。ならスキルの試用も出来るでしょうし新しいスキルを試してみましょうかね。





「ここでスキルの試用をすることが出来ます。他の渡り人の方と同じ修練場に入ることは無いのでごゆっくり」


 修練場はインスタンスダンジョンと同じタイプみたいですね。他のプレイヤーが居ないのは自分の新しいスキルの情報がバレにくくなるのでありがたいです。


 それではまず『調律躰導』から先に試してみましょう。


「ほぅ・・・・・・なんというか、機人族の方が使ったら映えそうなスキルですね」


 

 『調律躰導』を使うと体から赤く光る粒子が吹き出し、手足に篭手や脚甲のような形で纏われました。さらに追加で粒子が吹き出し薄く体全体を覆い、それによって全身がぼんやり赤く光っている状態になりました。

 次は元にしたスキルを1つずつ試して行きましょう。


「まずは『縮地』━━━む、これは・・・・・・」


 縮地は元のスキルのような前方一直線だけでなく、前後左右斜めの計8方向に移動可能。その代わりどの方向に移動するか選択する必要があるのでスキル発動から実際にアバターに影響を及ぼすまで若干のタイムラグがあります。


 方向を決める時の起点は顔が向いている方向のようなので顔だけ横に向けて右移動を選択するということが出来ます。

 これはまた、色々と悪用出来そうな・・・・・・


 他の2つは、『魔闘術』が体術、格闘術の動作全てと攻撃の威力、肉体による防御時ダメージカット率上昇。『精密動作』は思い描く動きができるように粒子が体を支えるというところに元のスキルの面影が残っています。


 次に『武芸者』を試しましょう。



 ・・・・・・両手に同種の武器を持っての二刀流と両手に別種の武器を持っての二刀流の両方で武器とその武器に対応するアーツを扱えるのは確認しました。手甲脚甲にも武器判定があるので体の動作全般に補正がかかる『調律躰導』ともそこそこ相性が良さそうですね。


 では次です、


「『黒魔の偽腕』」


 召喚した計6つの黒腕のそれぞれに剣や槍などの武器を持たせます。これにも『武芸者』の効果が乗ればかなり強いんですがどうでしょうかね?


「『一閃』『穿ち』『岩砕』」


 試しに剣アーツ、槍アーツ、斧鎚共通アーツの3種類を使いましたがどれもアーツの効果を発動しませんね。それと偽腕の操作感は今までと変わりません。つまり偽腕は肉体判定では無いということですね。

 まぁ"偽"腕とあるのでそれも当然でしょう。


 最後に的を出して『調律躰導』使用状態での体術を確認して終わりにします。

 壁際に移動するとダイアルがあるのでそれを回して的の種類を選択します。的は木製の人型、木製か金属製の直方体の塊、4足動物モチーフのあみぐるみの3種から選ぶことができます。選んだらダイアルを奥に押し込むと奥の壁際に選んだ的が現れます。


 私が今回選んだのはあみぐるみタイプです。そしてこのタイプは他2種と違い的の形がランダムなのでより実戦に近いスキル練習ができます。


「『調律躰導』」


 先にスキルを使用して準備を済ませたところで今回のあみぐるみが現れました。基本的に犬猫や熊、虎などあみぐるみにはモチーフがあるらしいんですが今回のこれは・・・・・・狐、ですよね?尻尾が2本あるのでカテゴリ的には妖狐?


「━━━」


 口を開いて鳴くような仕草をしていますがあみぐるみなので鳴き声はありません。


 鳴き終えると今度は後ろ足で立ち上がり前足を地面に叩きつけました。するとその瞬間2本の尻尾が伸びて私の方へ迫ってきました。

 そのうち1本は躱してもう片方はリアル技能の受け流しで対応します。本来なら少しHPが削れているはずですが今回は一切削れていません。

 その代わり腕を覆っていた粒子の1部が消えています。粒子にはダメージを肩代わりする効果もあるんでしょうか?では脚で試してみましょう。


 縮地を右斜め前、前、左斜め前、右、前の順でくり返し至近距離まで接近すると前足を振り下ろしてきたので今度は脚で受け止めます。さすがに完全に受け止めるには負担が大きいので少ししたら縮地で後ろに下がります。


 ふむ、やはり受け止めた箇所の粒子が消えていますね。実質鎧としての役割もあるということでしょうか。

 では次は実際に攻撃してみましょう。顔を斜め上に向けて縮地、それによって相手の上を取り今度は下に縮地、それに加えて縮地によって高速直線移動をするのでその加速を加えて背中を思い切り踏み蹴ります。


 すると蹴りが当たる直前、膝から下の粒子が足先と足裏を覆うように移動しました。何となくですが威力を高める効果もありそうです。あとは消えた粒子が時間経過で再生するのかを確認したら終わりにしましょう。


 まず攻撃を防ぎ、そこから距離をとってスキル試用を終了します。ダイアルを終了に回して押し込めば的は消え、体力やMPも全て回復します。ダイアルの近くは安全地帯なのでスムーズに終了することができます。

 防御してから数秒ではまだ再生は無し。まぁこれは妥当ですね。数秒で完全再生出来るなら実質軽装に追加で全身鎧装備してるようなものですし。


 それからさらに5分経ちましたが一向に再生しません。では適当にスキルを見たりしながら2、30分ほど時間を潰しましょう。これで再生しなければ身代わりとしても使える制限付きの強化外殻という扱いで確定しますがどうでしょうか?






 あー・・・・・・、このスキルはとりあえずで雑に使えるタイプじゃなさそうですね。30分すぎても再生しませんから通常戦闘では再生待ちで時間稼ぎをしても意味は無さそうです。

 一定量の被ダメージの肩代わりと肉体を使った攻撃の一時的な与ダメージ上昇を同じリソースを使って行うので片方の運用法を使いすぎるともう片方の運用が出来なくなります。一応粒子による肉体制御の補助も効果としてはあるんですがそれは実感が無いので考えなくていいです。


 身代わりとしての運用と与ダメージ上昇手段としての運用は4:6か3:7くらいがベストですかね?まぁ最終的に実戦での使用を繰り返して立ち回りを調整すればいいでしょう。


 今日はこの辺で終わって明日は金策用の料理を市場掲示板に流してからクランハウスの人形達の定期メンテナンスをしたら適当なダンジョンにでも潜って新しいスキルを調整しましょう。






 はい、まずは料理を量産しますが何を作りましょうか。今売れてるものを知るために市場掲示板と通常掲示板の料理版を見ていきましょう。


 ふむふむ、肉類は安定の需要で変わらず一定の人気。最近増えてきたのは魚介系と果物系ですか。苺とか今の時期に取れるんですね。6月に好きなだけ季節外れの果物を食べれるなら需要があるのも頷けますね。まぁ私はこれに載っている果物を1つも持ってないんですけど。


 なので肉類と魚介系を作ります。

 肉類は信頼と実績のビーフジャーキー様を量産します。これは量産用の工程に1手間かけるだけで1段品質が上がるので他より高く売れてコスパがいいんですよね。私にとって金策の主力です。単品だと安いですが量産すれば問題ありませんからね。

 次に魚とさっき買ってきたハマグリもどきを焼いて行きます。味付けは魚の方はシンプルに塩焼き。ハマグリはバター醤油で行きましょう。魚は内臓入りのままだと基本的に品質が下がるのでしっかり下処理してから焼いて行きます。


 これが終われば次はダンジョンですね。






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