48,74日目(水)(6月16日)学園祭2日目
演奏シーンを文字で表現するのって難しいですね。音楽をテーマにした小説を書いてる人は尊敬します。
今日は学園祭2日目、昨日と違いステージを使った出し物がメインです。まぁうちのクラスでは2日目も午前中は昨日と同じようにメイド&執事喫茶をやるんですけどね。
私は昨日はメイドとして接客をしましたが今日は執事役です。午前中はクラスの出し物メインですが私の見たいステージは午後の1番最初なので全く問題ありません。
昨日と同じように朝礼を済ませてから各々メイド服や執事服に着替えます。私は執事役なので髪を一つにまとめてメガネを外し執事服を着れば準備完了です。
着替え終えた人からそれぞれテーブルを拭いたり調理の準備をしたりしています。昨日の経験からどれくらいの人が来るか予想がつく上昨日より終わりが早いので今日はサクサク回りそうですね。
開会時刻になりました。昨日よりは私のクラスに来る人が少ない気がしますね。やはり皆さんステージの方に行っているんでしょうか?
それから、お客様が来なくて暇な時間もありながら、ポツポツと来るお客様の注文を聞いたり出来上がった料理を運んだりしているといつの間にかお昼になりました。午後の1番初めに私が見たいステージがあるので、早くお昼ご飯を食べて向かいましょう。
ちなみに昨日と同じく真緒さんもいますよ。平日に他校生がいるのはうちの地域では文化祭、学園祭を1週間にまとめてやる上後片付けと前準備を含めて約2週間本来の学校は休みなのでなんの問題もありません。
今は私と乃亜と繭さん、魁斗さんと咲良さん、そして真緒さん一行の合計8人で歩いています。私たちはともかくほとんどの人が初見の真緒さん一行はやっぱり人目を引きますね。
「ねぇ、今更だけど詩音が見たいのって何なの?」
そして適当に談笑しながら歩いていると乃亜から質問されました。そう言えば具体的に何が見たいかっていうのは言ってませんでしたね。
「先輩、まぁ私から見れば従姉妹の人なんだけど、その人から今日は1時くらいから弾き語りをするから見に来てって言われてたからそれを見に行くんだ」
乃亜は今回初対面ですが魁斗さんなど何人か既に知り合いの人もいます。
「あぁ、あの人か……パッと見まともそうなのに色々と残念な……」
そう魁斗さんが言うと、乃亜が頭にハテナマークが浮かんでいるような顔をしていますが実際魁斗さんが言ったことはあってるんですよね。
常識人の皮を被った某イルカを撃ち出す聖女のような拗らせ姉属性を持った従姉妹(一人っ子)ですからね。
「急がないと八席まとまって空いてるところ無くなるんじゃないかしら?」
うーん、一応もう少ししたら皆さん体育館から出てお昼を食べてるので、その前に今からお昼を食べて体育館に行けば席は空いてると思います。
そしてそれを繭さんに言っていると真緒さん達の方でも何か話してるみたいです。
「真緒くん、私たちはお昼どうするの?」
「あー、今が12時過ぎで詩音の従姉妹の舞台が1時半からだから一旦家に帰るかな」
「おっけー、私から連絡しとくね」
おや、真緒さん達は一旦帰ってからまた来るようです。今から帰って1時過ぎまでに間に合うんですかね?1時半から開始なので1時を回ったあたりでいるのが一番いいんですが。
「一旦帰って間に合うんです?真緒さんの家って私の家から見て学校と逆方向でしたよね?」
「んー?余裕余裕、家からでもだいたい20分もあれば着くから」
それなら余裕ですね。1時に出ても10分前に着きますから今から家に帰ってご飯を食べるのに1時間近くも使えますからある程度ゆっくり出来ますね。
それから真緒さん達と別れて私達がお昼を食べ終えて体育館に向かっているところで真緒さん達が再び合流しました。そして体育館に入ると席も前の方が空いていましたから全員ステージ近くに座ることが出来ました。午後の部開始までもう少し時間がありますね。
「それでは、これより学園祭2日目、午後の部を開始します!」
時間になり司会の人によって午後部開始のアナウンスがありました。
「午後の部1組目は『NewBeginning』によるバンド演奏です!
『来年から別々の道に進む私たちによる高校のライブをぜひ楽しんでください!!』
との事です!」
NewBeginning、新しい始まりとかそんな感じでしょうか?まぁバンドからの一言メッセージみたいなものでも「来年から別々の道に」なんて言ってますし恐らくあってるでしょう。
そしてアナウンスが終わると照明が暗転しステージの幕が開きました。
幕が開き切ると同時にステージは照明に照らされ、その上には5人の男女が立っていました。
「それではメンバー紹介を行ってもらいたいと思います。ではどうぞっ!」
ステージ上の5人に司会の方がそう言ってマイクを手渡しました。
「あー、はい。えー……皆さんはじめまして、ご紹介にあずかりました『NewBeginning』ボーカル担当の木更津当麻です。僕自身他メンバーのような楽器が出来ないので消去法でボーカル担当になりました。はいじゃあ次」
手渡されたのはボーカル担当の方でしたか。木更津さんは名前と担当を含めた自己紹介をして隣の人にマイクを渡しました。
「はい、当麻からマイク変わりました。ベース担当の龍峰或杜です。初めての方も、何度か来てくれている方もぜひ僕達の最後のライブを楽しんでいってください!」
うわぁ、爽やか正統派イケメン。歓声が凄いですね。アイドルなんかに居そうなくらい顔立ちが整っています。金髪ですが不自然さはありませんね?もしかしたらハーフかクォーターだったりするんでしょうかね?
「はい、それじゃあ次は翔平に代わります!」
「あー、或杜から代わった照間翔平だ。担当はドラムだ。あと初めてのやつもいるから一応言っとくがこんな口調だが俺ァ別に不良ってわけじゃねえからな?」
ドラム担当の人も金髪ですね。ですがベースの人と比べて同じ金髪でも暗めです。口調は不良とか言われても納得出来る感じですが、本人曰く不良では無いみたいですね。初対面の人の多くからから誤解されてそうですけどね。そして特に何も言わず押し付けるようにマイクを渡しました。
「こんにちはー、穂篠鈴華です!バンドではギターを担当してます。楽器はギターが一番好きです。ギター以外の楽器は出来ないけどギターには自信があります。最後のライブでもよろしくお願いします!
それじゃあ最後はつーちゃんお願いっ!」
このギター担当のふんわりショートボブの女性が私の従姉妹です。確か弾き語りって言ってたはずですがあれはどう見てもバンドですよね?
メンバー自己紹介最後の一人になりました。最後にマイクを渡された人ですが、あれは……ペンギン?あの手でどうやってキーボード弾くんでしょうね?
「つーちゃん言うなです。リンはそろそろそのゆるふわ感を場合によっては抑えるべきだと思う……です」
「わーい辛辣ゥ!でも辛辣に言いながらも何とか丁寧口調にしようとしてるところとか可愛いから辛辣なつーちゃんもアリだね!」
ペンギンさんは小柄ですね。着ぐるみ状態で鈴華さんよりも小さいので中の人は150センチくらいでしょうか?あとうちの従姉妹さんはポンコツさが露見仕掛けています。
「ダメだこいつ。早く何とかしないと」
ペンギンさんからもジト目向けられています。真面目にしないと最後の自己紹介が終わらないんですが?
「うん、リンはもう放置しておこう。
改めまして皆さんこんにちは。結識椿です。着ぐるみ姿でキーボード担当なことに疑問を持つ人もいると思いますがなんの問題もありません。この高性能着ぐるみならキーボードなんて余裕です。ブイブイ」
そう言って椿さんが真顔でピースピースしてます。一部の人に刺さりそうですね。あとあの着ぐるみ、ペンギンの手部分の裏から指を出せるんですね。意外と便利そうです。
そして全員の自己紹介も終わり各々自分の担当する位置に付き、演奏が始まりました。
ボーカルの声が凄いですね。大声というわけじゃないのによく響き通る声です。そしてそれに合わせつつ一切邪魔をしていない他4人の演奏と全員のレベルがとても高いです。
いっそグループとしてのアカウントをSNSや動画投稿サイトに作ってそこで演奏等をアップしたりすればいいのでは?音楽系動画投稿グループとして有名になりそうです。
静かな曲、激しい曲、明るい曲、少し暗めの曲など曲の雰囲気も様々ですし時々入るソロ演奏もミスが無くハイレベルです。しかもその時にファンサがあると先輩同級生だけでなく先生方や学園祭に来ていた外部の方の歓声も聞こえます。
学生バンドなのにレベルが高すぎますよ……本当に公式アカウントとか作ったらオリジナル楽曲が出来そうです。
今回演奏している曲はテレビより動画配信サイト派の私でも知ってるような超有名曲や、私が生まれるより昔に出てから今まで人気が衰えない名曲などほとんどの人が知ってるよくな知名度のある曲のカバーです。
しかもそれぞれ元の曲のいい所を壊すことなく全体の雰囲気がガラッと変わっていたりとアレンジされていてそのレベルもとても高いです。
最終的に元々の予定通り5曲歌い終えた後にアンコールで2曲追加で歌って終わりました。この後に出てくる自由参加枠の人は演奏系じゃなくて良かったですね。あのバンドの後に他の演奏をやるのはメンタルがキツいでしょうからね。
先輩達のバンドの後は有名芸人さんのネタの大枠を使って細かい内容は自分達で考えた漫才、4人組のダンスが2回、軽い手品など様々な物がありました。どれもわざわざ自由枠を使って参加しているだけあってレベルが高いですがやっぱりあのバンドが頭一つ抜けていますね……
さて、元々見たかったもの+αを見終えた訳ですがこれからどうしましょう。出し物メインなので昨日のように出店が大量にあるわけてもないですしこの後にみたいだしものがあるわけでもないですから正直この後は暇そうです。
というわけで乃亜や魁斗さん達に聞いてみましょう。
「皆さんこの後どうします?何か見たいものとかありますか?」
「私は特にない」
「私も無いですね」
「俺達も無いな。適当に出店とか冷やかしに行くか」
「真緒さん達はどうします?」
「あー、僕達は出店で適当にお土産買ったら帰るよ」
皆さん特にこの後の予定は無いみたいですね。あぁ、この後帰る真緒さん達は例外ですよ。そうなると何をして残り時間を過ごしましょう。本当にやることがありません。
「━━━━━━ッ━━━━━ッ」
真緒さんたちと別れて何をしようか悩んでいると何か声が聞こえました。どことなく聞き覚えがあるような声の気がしますがなんて言ってるのかは聞こえません。
声が聞こえた後に今度は同じ方向から足音が聞こえてきました。少しずつこちらに近づいてきているような気がします。
「しーちゃーんッ!かいくーんッ!」
あぁ、鈴華さんと椿先輩でしたか。2人とも制服姿ですが椿先輩が予想以上に小柄でしたね。もしかして150も下回ってるのでは?多分私服姿での初見なら年下と間違えると思います。
「あ、鈴ねえさんちわーっす」
「おーかいくんおすおすー」
なんか魁斗さんと鈴華さんがにこやかに会話してますがそんな鈴華さんの横で椿先輩はクレープもしゃもしゃしてます。その姿はとても小動物感が強いです。
「いやー、それにしてもしばらく見ないうちにイケメンっぷりに磨きがかかってるねぇ。写真撮るからもうちょいこっち来て」
「あいさー」
「イェーイ!ピースピース」
あの二人なんか知らないけど相性いいんですよね。ノリが似てると言うよりもっと根本的な所が綺麗に噛み合ってるというか。
中学の時くらいから鈴華さんが美男美女、中でも特に美少年や美少女に目がないのは知ってましたが少し見ないうちに悪化してません?
魁斗さんは半分くらい身内判定入ってるからいいものの関係的には赤の他人の男子高校生にそんなノリしてたら相手を勘違いさせそうですね。
「ふぅー、満足満足。でもやっぱりつーちゃんが至高だね。ツンデレ合法ロリ雑丁寧口調ジト目甘党美少女とか属性の渋滞がすごいけど」
魁斗さんとツーショット自撮りを済ませたと思ったらいつの間にか椿先輩の後ろにいて軽くハグしてるんですが。ていうか今言ってた情報が多すぎます。
ツンデレ合法ロリ雑丁寧口調ジト目甘党美少女って自分の性癖を詰め込んだオリキャラみたいな感じしますね?あと椿先輩ってさっきつーちゃん呼びを嫌がってる感じだったのにそれより上のハグとかはされるがままなんですね。
鈴華さんも黙ってればモテそうなんですが中身が残念な上黙ってられないので彼氏はまだ出来てないらしいです。
「あ、そうそう私達もPDO買うから始めたらよろしくね」
私、達?鈴華さんの他に椿先輩持ってことですかね?まぁ以前にギターを教えてもらったこともありましたし序盤にやることを教えるくらい別にいいでしょう。
「それじゃあ言う事言ったし帰るよつーちゃん。クラスの出し物の片付けも手伝わなきゃ」
「りょー。それじゃあリンも言ってたけどPDO始めたらよろしくです」
そう言って2人は帰っていきました。結局PDO買うから序盤に手伝って?って言いに来ただけでしたね。私達も片付けは無いですが教室に帰ってあとは雑談でもしていましょうか。
バンドメンバーはそれぞれ大元になった版権キャラがいます。割とわかりやすいかもしれませんが暇な人は予想してみてください。




