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47,73日目(火)学園祭1日目②

今回は作者の趣味が出ます。

 ・・・・・・何だか教室の入口側が騒がしくなってきましたね。天音はもうほかのクラスに行ったので今はいませんが、今度はどんな人が来たんでしょうか。

 ちなみに天音と繭さんのポッキーゲームですが最後は天音がポッキーを折って終わりました。その時天音の口が動いていたので繭さんに何か言っていたみたいでしたが、一体何を言ったんでしょう。気になりますが言われた繭さんが顔を真っ赤にしているので今聞くのはやめておきましょう。


「乃亜、今度は誰が来たの?皆教室の入口近くに集まってるけど」


 ちょうどお客さんが帰って教室内に私達生徒しか居ないのでいいですがほぼ全員入口に集まってるのは問題だと思います。


「私もよく聞こえなかったけどなんか凄い人が来たみたい。詩音も行く?」


 そうですねぇ、今はちょうどお客さんが皆帰ったのでやることもありませんし。せっかくなので見に行きましょう。





 私と乃亜が人混みに近づくとその中心が見えました。そこに居たのは私より高い身長に黒地の着物を着たモデル並みかそれ以上のスタイルを持つ1人の美女でした。皆さん惚けていたりしますが……どうしても私には見覚えがあるんですよねぇ。まぁ他人の空似という可能性も完全に0と言いきれるわけではありませんが。


「・・・・・・師匠?」


「やぁやぁ詩音、ついこの間ぶりだね。あぁ、そうだ、とりあえずまずはこのガトーショコラを一つもらおうかな」


 本人でしたね。そして安定のガトーショコラ、ビターチョコベースですが用意しておいてよかったですね。うちの師匠は甘いものは嫌いなのにチョコレートは好きという変わった人ですから。一応師匠のような好みの人もいるかもしれないということでビターチョコベースとミルクチョコベースのガトーショコラが用意されています。

 どちらも前日に作って冷やしておいたものなのでどちらを頼まれても問題ありません。ちなみにもし余った場合はクラスの中で甘いものが好きな人が食べたり他のクラスにおすそ分けするらしいですよ。


「んー、美味しい。そう言えば繭も同じクラスだったよね?繭は?」


「繭さんならそこにいますよ」


「んーっ、あっいた。いたけど・・・・・・何あれ?何があったの?」


 私が示した場所を見た師匠が繭さんを発見したみたいですが言葉に詰まっています。

 ・・・・・・まぁ、繭さん今顔真っ赤ですからね。師匠はさっきまでのあれを見ていないので繭さんを見て何があったのかと思うのも当然です。


「さっきまで天音とポッキーゲームをしていたんですよ。それが終わったらああなったていたので私にも何があったのかわかりません」


 さすがにポッキーゲームであそこまでなるとは考えづらいですしね。


「あー……うん、私多分理由わかったわ。まぁその理由は言わないけどね。ま、なんでかは自分で考えなさいな」


 そう言った師匠から若干生暖かい目を向けられていますがこれは解せぬ。しかも師匠そのまま残りのガトーショコラを食べる方に意識が向いてますし。

 まぁ基本うちの師匠は他人に対して自分の楽しみを優先するタイプなのでこういうことは今更なんですけども。


「ね、ねぇ詩音くん、あの人誰?何かさっき師匠って言ってたけど」


 あー、繭さん以外は師匠と初対面ですからね。


「私が習ってる習い事の先生ですよ。護身術系統なので私は師匠って呼んでいます」


「そうなんだ。ていうか繭ちゃんも知り合いっぽい感じだけど繭ちゃんも護身術みたいなのを習ってるの?」


「えぇ、そうですよ。繭さんも私と同じものを習っています」


「そうなんだ。詩音くん護身術までできるんだねー(超ハイスペックナチュラル女装男子が強すぎる)」


 なんだかブツブツ言ってますが放置でいいでしょう。


「師匠、ガトーショコラの他に何か頼みますか?」


「うーん、それじゃ紅茶を飲んで帰ろうかな」


 紅茶、まぁこれも例に漏れず無糖のストレートですよ。そしてそれを飲み終えた師匠は満足そうに帰っていきました。


 それ以降は特に変わったことは無く、昼を過ぎたあたりで私の休憩時間になりました。ちょうど乃亜も同じタイミングで休憩時間になったみたいなので一緒に他のクラスの出し物を見に行きましょうか。そう思い乃亜を呼ぼうとすると既に私の近くにいました。そして私が口を開くよりも先に乃亜から質問されます。


「詩音、まずどこから行くの?」


「そうだね、もうお昼を過ぎてるし出店でご飯買おうかな?乃亜は食べたいの何かある?」


「んー、ちょっと待って、マップ見て決めるから」


 そう言うと乃亜はポケットから小さく折りたたまれた紙を取りだしそれを見始めました。横から覗き込んでみるとそれは各クラス出し物の場所と内容が記された事前配布マップでした。さすが乃亜、準備がいい。


「・・・・・・たこ焼きと、オムそばと、サイコロステーキと、あとタピオカにする。朝ごはん以外何も食べてないからお腹空いた」


 そう言うと乃亜は頭の中で買う順番を考えているのか立ち止まってから小声でなにか呟いています。そして考えが纏まったようで歩き始めました。私はそれについて行きます。


 さてまず買うのはたこ焼きです。まぁ、出来たては熱いですからね、これなら他のものを買ってる間に食べやすいくらいの熱さまで冷めるでしょう。私も出来たて熱くては食べられませんしちょうどいいです。


「たこ焼き8個入りをねぎポン味ネギ多めで1つと……詩音はどうする?」


「そうですね、私は普通のソースたこ焼きにします。オプション追加は無しで6個入りをください」


「まいどありー。6個入りが180円、8個入りが240円だよっ!」


 ふむ、2パックでワンコイン未満ですか。見た目は美味しそうですしこれは売れそうですね。そして500円を渡して3年生の先輩からたこ焼きを受け取りました。

 その後はオムそば、サイコロステーキ、タピオカドリンクを買い、私は普段購買で売ってるパンが今日もあったのでお昼用にメロンパンとチョココロネを買いました。


 そしてお昼を食べようと食堂に移動しましたが、既に今日の学園祭に来ている人と生徒でほとんどの席が埋まっています。どうしましょうか。

 そう思っていると乃亜が私の服のを引っ張ってきました。


「見て、詩音。あそこの席空いてるよ」


 そう言って乃亜が指さした場所は、食堂の中で数少ない3人用の席でした。今日は学園祭ということもあってここで食べる人はそれぞれのグループで固まっているので空いていたようです。


「ほんとだ。それじゃあそこに座って食べよっか」


 そう言って互いにそれぞれ買ったものをテーブルの上に広げて食べ始めました。


「もぐもぐ……ごくん。・・・・・・ねぇ詩音、なんでわざわざチョココロネの下をちぎってるの?」


 食べ始めて少しすると乃亜からこんな質問をされました。


「これ実は下の方までチョコが入ってないんだけど、こうすると下の部分もチョコと一緒に食べれるんだ」


 「チョココロネのチョコが入ってない部分もチョコが入っている部分と同じくチョコと一緒に食べられる裏技」と言われて教えて貰ったこの食べ方ですが、正直教えて貰うまで気がつきませんでしたでした。それまでは、袋に入ったまま食べることが多かったので普通に上から食べて、チョコが入ってない最後の少しはそのまま食べていました。


「ほぅ。一口貰ってもいい?」


 どうやら乃亜も興味があるみたいです。タピオカを飲みながらジーッと見つめています。・・・・・・あれ?いつの間にかサイコロステーキ、オムそば、たこ焼きの全てを食べ終えています。私はまだチョココロネの他にメロンパンが残っているというのに……まぁ乃亜が幸せそうなのでいいんですけどね。


「うんいいよ。はい、アーン」


 チョコを付けて乃亜の口元に持っていき、乃亜が口を開けたのでそのまま口に入れます。何だか親鳥が小鳥に餌付けしてるみたいですね。


「あーん。・・・・・・ん、美味しい」


「でしょう?こうすればチョコが口につくことも減るから綺麗に食べられるんだよ」


「そうなんだ。私も今度チョココロネ食べるときにやってみる」


 乃亜がそう言った後にチョココロネを食べ終えてメロンパンを食べました。やっぱりメロンパンは上の生地がカリカリしてる物が1番ですね。たまに上にかかっている生地を触るとそれが指にベッタリとつく物もありますが、そちらは正直あまり好きではありません。

 でもメロンパン自体は好きなので高校に売ってるのがカリカリメロンパンでよかったです。



「ふぅ。さてと、それじゃ教室に戻ろっか」




 私たちが教室に戻ってくると、今度は教室の中に人混みができていました。何となくデジャブを感じますが今度は何があったんでしょうか。とりあえず中に入ってみましょう。もしかしたら教室に入れば何をしてるかわかるかもしれませんし。


 そして教室に入るとそこに居たのは、私がチケットを渡した師匠と別のもう1人である、人形沼に落ちた幼なじみの真緒さんと4人の美少女(そのうち完全に日本人らしき人は1人だけで他は外国人風の顔立ち)がいました。幼なじみは顔が死んでるように見えますが何があったんでしょうね?


「ねぇ詩音?なんかこっち見てるんだけど、知ってる人?」

 

 そう乃亜に言われて指さされた方を見ると、美少女4人とクラスメイトに囲まれていた真緒さんがこちらをジーッと見ていました。


「うん、中学の時のクラスメイトで今は別の高校に通ってるけど一応幼なじみだよ」


「そうなんだ。それじゃ詩音話してきたら?あっちは身動き出来なさそうだし」


 そうですね。見たところ真ん中に真緒さん、その周りに4人、そして4人と話そうとしているクラスメイトがその周りにいる事で出たくても出れないみたいですし。


「ちょっと通りますよーっ━━━━さて真緒さん、会うのはこの間ぶりですね。約束の品は帰る時渡します」


「分かった。けどまずはここから出してくれない?」


「・・・・・・周りの4人に言えばいいのでは?おそらくクラスメイトは周りの4人と話したいから壁のようになってるんでしょうし」


 私がそう言って少し離れると、真緒さんが何か話し、4人が動くとそれに合わせてクラスメイトも移動し空いた隙間から真緒さんが出てきました。


「まずは何か頼みますか?」


「それじゃ飲み物1つ。さっきまでめちゃくちゃ暑かったから。あと魁斗は?」


 飲み物の種類指定はないので私の好みでいいでしょう。というわけで紅茶を持って戻ります。

 私が戻ると真緒さんの他に美少女4人と乃亜もいました。コップを追加で持ってきましょう。

 魁斗さんはここにいないなら咲良さんと学園祭デートでもしてるんじゃないですかね?


 全員に飲み物が行き渡ったところで真緒さんの左隣に座っている人が口を開きました。彼女は銀灰色(シルバーグレイ)の髪に青い目をしていて西洋風ドールのようです。ゴスロリ系が似合いそうですね。


「あの、貴女とマオさんってどんな関係なんですか?」


 ・・・・・・どんな関係か、と聞かれても……すぐ思いつくのが幼なじみ、かつてのクラスメイト、腐れ縁、悪友とかですが、思いっきりジト目で半ばこっちを睨むように見ている彼女にそれで通じますかねぇ。まぁ一応本当のことを言いますが。


「彼との関係は幼なじみ兼学友兼腐れ縁の悪友あたりが妥当だと思いますよ?」


 私がそう言うと、今度は煌金色(プライマルゴールド)の髪に翡翠色の目をした先程の人の左隣に座っている人が口を開きました。何だか中世ヨーロッパのお姫様のような雰囲気があります。


「えっと、私も聞きたいんですが。マオさんと貴女ってお付き合いしてたことあるんですか?」


「「え?彼と?(こいつと?)ナイナイ」」


「ていうか今更ですがお二人共私と真緒さんは同性ですよ?」


 性別を間違えられることが最近ないので忘れてましたが初見だとやっぱり間違えられますね。


「え?!」


 うーん、性別を疑われるのは久しぶりですね。PDOでは性別をいちいち訂正していませんし。


「ていうか私は恋愛対象女性ですし恋人もいますからね?」


 そういった後は謝られて6人中半分が互いに初対面ということで自己紹介をして連絡先を交換し真緒さん達は帰っていきました。

 それから学園祭1日目終了時間になったので片付けをして帰ってきました。明日は今日のようにバザーメインでは無くステージの出し物メインです。なので今日より執事&メイド喫茶の時間は少なくなります。


 明日は仲のいい先輩がステージで自由参加の出し物をするらしいので楽しみです。




チョココロネの食べ方は毎週金曜夜7時半から放送されていた某アニメで知りました(今は土曜夕方放送ですけど)

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