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44,43日目(月)②

合わないと判断した相手への対処が早い詩音

 話し合いの結果、なぜか私だけメイドと執事の両方をやることになりました。学園祭は2日間あるのでそれと可能ではあるんですけど正直片方に搾ってくれた方が楽なんですよね。メイドも執事もやるなら両方の動きについて覚えないといけないので負担が増えるんですよ。


 ・・・・・・まぁ、そのかいあってうちの恋人様がとても嬉しそうなので私は学園祭の日まで両方の動きを覚えるために頑張るのしましょう。幸い私は一条さんの御屋敷には門番さんに言えば大抵すぐ入れて貰えますしね。こういう時に中学時代門番さんやメイドさん、執事さんたちとと仲良くなっててよかったと思います。





 そして学校も終わり家に帰りつきました。やること済ませてダイブする準備は整ったので今日は魁斗さんたちと一緒に昨日は出来なかったクランホーム地下の探索をするとしましょう。あとその前にクラングループにクランホームで待ってることを書き込んでおきます。



 クランホームの敷地内でログアウトしたのでダイブ直後の場所も同じです。そして私がダイブしてきて少しするとレオさん達もやって来ました。


「よぉシオン、今からクランホーム地下に行くんだよな?」


「そうですよ。昨日スピカ達と探索して見つけたんですが何があるかわかりませんからね。人数は多い方がいいでしょう?」


「まぁ確かにな。それで?サクラやイナリ達もいるけど今すぐその地下に行くのか?」


 うーん、そうですね。レオさんと話している間にシエルやティア、マナも来ましたしサクラさんやイナリさん、社畜さんも居ます。これ以上ここにいてもやることないですし行きましょうか。


「そうですね。もう全員集まってますしこれ以上ここでやることもありませんからね」


 そう言って、既に地下への入口だと思われる場所を知っている私が先頭に立ちそこへ向かいます。





「シオン、本当にここが入口なの?」


「マナちゃんの言う通りだよ。私には壁にしか見えないんだけど?」


 ・・・・・・おかしいですね。スピカたちと別れて探した時には階段が見える状態だったんですが……


「ねぇスピカちゃんたちに聞いてみたらどう?エクラちゃん以外にも人化できるんでしょ?」


 そうですね。シエルの言う通りです。別れて探した時にスピカ達が見つけた場所なので元がどうなっていたのかとかスピカ達が見つけた時点で元から壁だった場合どうやって階段が出てきたのかが私には全然わかりませんからね。


「『サモン・エクラ』」


 エクラを召喚して聞いてみましょう。


「ご主人様どうかしましたか?」


 とりあえずあの階段を見つけた1人であるエクラにどうやって見つけたのか聞いてみましょう。


「昨日ここに階段があったはずですがどうやって見つけたんですか?」


「どう……と言われましても……ただスピカとルキスが壁に触れた瞬間壁が消えたとしか言えないんですが……」


 ・・・・・・本人達も原因がわかってないタイプですか……でもまぁとりあえず原因考察は後回しにしてと。それではスピカとルキスを呼んで触ってもらいましょう。


「サモン・スピカ」


「サモン・ルキス」



「キュィッ!」


「ピィー」


 それじゃあ触ってもらいます。レオさん達は壁から少し離れて立ってますね。


「それじゃあ2人とも、この壁に昨日と同じように触ってみてください」


 そういうと2人とも自前の翼で私の胸元ぐらいの高さまで浮き前足を壁に押し付けました。すると2人の前足が壁に触れた瞬間白と黒の無数の線が壁に走り模様のようになったかと思うといきなり強い光を放ちその一瞬反射的に目をつぶった私たちが目を開けると壁は元からなかったかのように綺麗さっぱり消えていました。


「・・・・・・それじゃあ行きましょうか」


「あぁ……原理は全く分からないけどとにかく先に進めるようになったしな」


 そのまま、昨日見た階段を下に降りて進んでいくとまたもや壁が私たちの目の前に現れました。しかしその壁は階段を塞いでいたものとは違い少し装飾が施されており、典型的な魔法陣のようではあるもののかなり複雑に書かれたものが描かれその中心に6つの結晶がはめ込まれています。ギミックは上と同じでしょうか?


「これも上でスピカとルキスがしたように条件満たしている人が触れれば解けるものでしょうか?一応全員交代で触ってみます?」


 そう私から提案するとレオさんとシエルが早速手を壁に当てました。この2人実は後先考えてませんね?まぁレオさんとシエルではなんの反応もなかったんですけどね。そして社畜さんも触りましたが同じく反応がありません。

 社畜さんが終わると今度はイナリさんが触りました。すると壁に埋め込まれた6つの結晶のうち1つに色がつき光を放ち始めました。ですがなにに反応したのかはわかりません。


 そして残る私達がマナ、ティア、サクラさん、私の順に触ってみるとマナで2つ、ティアとサクラさんで1つずつ、そして私で1つ色がつき全ての結晶が光り出すと壁がいくつかに分割され左右の壁と天井、地面の中に入っていきました。

 先代持ち主の魔女さんの技術力は相当なものだったんでしょうね。




 全ての壁が無くなったためそのまま先へ進むと地下とは思えないほど広大な空間に出ました。


 そこには作業机やいかにも魔女が薬なんかを作りそうな大釜の他床から天井の高さの本棚とそれにぎっしり詰まったたくさんの本があります。天井までと言ってもここは地上の図書館より天井が高いのでかなりの高さですけどね。

 その他にも瓶に入れられた謎の液体やなんの素材か分からないような毛皮や爪、牙などが落ちていたりします。


 作業机の上には何かの設計図のようなものや護符のような紙に模様が描かれたものの束、作りかけの魔道具があったりしますね。

 この部屋の広ですが上のクランホームとほぼ同じくらいはありそうです。なんと言っても端からでは反対端の壁が見えない程の広さです。もしかしたらここのどこかにかつての魔女の研究資料等があるかもしれません。




 そしてレオさんとサクラさんの提案で全員別れての地下探索が始まりました。



 作業机の上に置いてあるものを確認していると作りかけの金属製人形のようなものがありました。素のSTRでは持ち上がらなかったので念力に偽腕も使って持ち上げてみると金属製のドラゴンでした。これはロマンの香りがしますね。作り方などが書いてある資料はありませんかね?気になるので少し探してみましょうか。これが量産出来るようになれば私の戦力もアップするでしょうし。









 ・・・・・・ふむ、一応作り方が載った資料自体は見つかりましたが今の私ではまだ色々と足りなくて作れないみたいです……

 ほかの人たちはまだ探索中みたいなので落ちている素材を部位ごとに集め目で見てわかる同じ素材はまとめていきます。


「みんなっ!ちょっとこっちに来て!!」


 そうしていると突然イナリさんの叫び声が聞こえてきました。私は整理しているものがあったのでそれを置いて向かいます。


 そしてイナリさんのいるところに着くとそこには既に社畜さん、レオさん、サクラさん、ティア、シエル、マナがいました。どうやら私は最後だったみたいですね。


「で?あんな大声で叫んだけど何があった?」


「えっとね。説明するよりこれ見てくれた方が早いかな。というわけでここ読んで」


 社畜さんに聞かれて答えたイナリさんが見せてきたのは一冊の本でした。そしてイナリさんが指すページを見るとそこには━━━━


「・・・・・・魔女、ですか。ついでに2枚あった壁の解除条件とか載ってません?」


「魔女かぁ……うちのクラン名的にはピッタリだけど魔女の説明だけじゃなくて成り方とかも書いてあるのか?」


「あっ見てレオくん、ここにちゃんと魔女になる条件とかも書いてあるよ。多分これが成り方じゃない?」


 ほぅ、魔女になるための条件ですか。確かにそれはレオさんの言う成り方でしょうね。ですが魔女なんてジョブは掲示板どころかwikiもどきにも載ってなかった気がするんですよ。これ確実にレアジョブですよね?


 あと壁が開く条件も載ってました。


 1枚目は単純に光魔法と闇魔法を持つ人族以外の種族が触れるだけみたいです。まぁ両方持ってる人は私たちプレイヤーでも少ないですし人族の国にあるのに人族だけでは開かないという点も加味すれば1つ目の鍵としては妥当でしょう。


 そして2枚目は何人でもいいので呪術、精霊魔法、調合、錬成のスキルを持つ人と魔法使い、魔本使いの職業に就いている人が扉に触れ各スキルに対応する結晶全てを光らせればいいみたいです。ちなみに各必要スキルは進化後のものでもいいみたいです。



「魔女になるための条件ってどんな・・・・・・うわぁ……結構厳しいね」


 そうですね。シエルの言う通り魔女になるための条件は中々に厳しくいものです。


 その条件は7つあり、まず1つ目が職業としての魔法使いのレベルを最大にすること、2つ目が魔本使いのレベルを最大にすること、3つ目が2次職である各属性特化魔法使いの2度レベル最大にすること、4つ目が薬品関係のスキルを持つこと、5つ目が錬成系統スキルを持つこと、そして6つ目が精霊と契約することです。まぁこれは精霊魔法が使えることと言い替えてもいいでしょう。これらの条件を満たした後にこれには明記されていない最後の条件満たすことで種族が魔女へと変化するようです。


「うーん、これ魔女になるためにはかなり時間が必要そうだね。私たちの中だとイナリかマナちゃんがなるのが良さそうかな?」


 そうサクラさんが言いましたが私からすればサクラさんもなれそうですけどね。薬師系の魔女とか目指せばいいと思いますよ。


「私よりマナの方がなりやすいと思うわよ?魔女になるための条件中で分かってる6つの条件のうち2つをもう満たしているんだし。それに私は魔女よりなりたいジョブあるしね」


「私も別に今は魔女になる気ない。ねぇイナリ、イナリがなりたいジョブってなに?」


「んー、今はちょっと秘密にしとくわ。この間私が1人で散策してる時に条件満たしたやつだから。その時まで楽しみにしててね」


 まさかイナリさん魔女とは違うレアジョブの情報を持っているとは。以前のイナリさんが条件を満たしたってことは今の時点で最低限なれる下地はあるってことですよね?一体何になるんでしょうか?私気になります。


 そしてこの魔女関係の情報ですが掲示板には上げるんでしょうか?とりあえず皆さんに聞いてみましょうか。私としては見た感じだと私のサブジョブと違ってユニークジョブではなさそうなので情報開示してもいいと思います。それに多くの人が魔女を目指して条件を探せば最後の条件がわかるかもしれませんしね。


「皆さん、今見た魔女関係の情報ですが掲示板に開示しますか?」


「うーん、別に開示してもいいじゃないか?別にこれユニークスキル、ユニークジョブみたいな秘匿するべきものでも無いだろうし」


「それにこの本に書いてある情報だけ開示しても肝心な最後の条件が不明だしね」




 レオさんとサクラさんの他皆さん賛成だったので掲示板に書き込んでおきましょう。




 ・・・・・・なんか私が書き込んだ後に魔女になるための最後の条件が判明してないことについて初対面なのにいきなり攻撃的な口調で文句言って来た人がいたのでとりあえずの対処として運営に通報してブラックリストに入れておきました。ブラックリストに入れておけば街中やフィールドではこちらの視界から消える上相手から触れられることも出来ず声も聞こえなくなりますから迷惑な人相手にはこうするのが1番です。

 そもそも初対面の人相手に自分本位な言い方な時点で個人的には少なくとも仲良くなれそうな人ではないですからね。そしてそういう人はこちら側から対処して今後一切関わりあいにならないようにするのが1番いいんですよ。



 さて、今日は平日なのでダイブしたのは少し遅い時間でした。なので今日のうちにやることが無いなら明日も学校ですしこのあたりでログアウトしようと思いますがどうでしょう?


「皆さんこのあと全員で何かする予定ってありますか?無ければ私は明日から色々忙しいのでログアウトしようと思うんですけど」


「いやもうないと思う。ていうか俺も明日から軽く地獄だから今日は少し早めに寝て明日に備えないといけないからもう落ちるわ」


「私も、今日はこの辺でログアウトするよ。明日から練習大変だしね」


 そう言ってレオさんとサクラさんはログアウトして行きました。やることがないみたいなので私も2人に続いてログアウトしましょう。




次話から学園祭に向けてのリアル回多めか学園祭まで時間を飛ばすかどうしましょうかね?PDOは学園祭終わるまで取れる時間が少なくなる上やることも人形作成くらいなので特筆すべきことは無いんですよね。

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