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36,GW4日目③→40日目(金)

「あはは……かなり参っちゃってるね。まぁそれについてはゆっくり話すからそこでなにか飲みながらにしよ」




 天音に連れられて近くの有名コーヒーチェーン店に入りました。私も天音もキャラメルマキアートを注文します。

そして出てきたそれを持って店内の席に座り天音にさっきのことを聞きます。



「天音、さっき私があれからでてきたと同時にあんな状況になった理由を教えてください」


「わかったっ、まずお兄ちゃんのプレイ外の画面で中継されてたんだけどそれ自分でもわかってる?」

「えぇ、プレイ前に中継するか聞かれましたからね。それはわかりますよ」


「そして中継が始まったらそれを暇つぶしのためかわからないけど見てる人がいてその人数が段々増えてきたなーって思ったらお兄ちゃんがいきなり凄い動きし出すからみんな熱狂しだして最終的に本人が出てきてその熱狂がピークになったの」


「まぁ写真撮ってる人がいなかったからまだ自制できてるんじゃない?」


「なるほど、つまり中継に丸しなければ良かったんですか……」


「まぁ普通はあんなことにならないと思うけどお兄ちゃんだからねぇ……1人でダンスしてるみたいな動きしだしたのも理由だけど見た目が完全に女の子だしね。


それにしても驚いたお兄ちゃんの反応可愛かったね!」




 ぬうぅぅぅ、あれは失態です。そして天音からはGW終わるまでこのネタで弄られそうです。



「あっ、そうそうお兄ちゃん。最終スコア順位は2週間後に発表されて景品はそれから届くらしいよ」


 おや、天音が見てくれていたんですか。それならあの熱狂の中に戻らなくて済みますね。天音に感謝です。


 そしてもうすぐ4時です。そろそろ帰りましょうかね。バスですから電車と同じ感覚で乗る時間を決めて帰ると帰りが遅くなってしまいます。


「天音、そろそろ帰りましょうか。遅くなればそれだけバス停に人が並ぶでしょうし」


「そうだね。それじゃ帰ろっか」









 バス停に着くとちょうどバスが来たのでそれに乗って特に何事もなく帰り着きました。その後はお風呂に入っておばあちゃんの作ったご飯を食べて乃亜とデバイスでやり取りして寝ました。




 次の日はおばあちゃんにレシピメモ貰ったり料理を手伝ったりした以外特に何も無く夕方にはおばあちゃん家を出て家に帰りました。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆





 それからは課題を終わらせ空いた時間で最低限スピカとルキスと会ったりもしましたがそこまでGW前とPDOの私に変化はありません。


 そしてGWが終わったことで今日から第1回公式イベントの報酬配布が開始しますね。今日配布されるのはイベント終了日に配布されたスキル以外のアイテム等ですが・・・・・・たしか私は旅行チケットを交換していましたね。

 チケット使うのが楽しみです。



 さてと、今日の課題も終わりましたし、


「ダイブ、開始」






 さてと、それではプレゼントボックスの確認を……ってなにか聞こえませんでした?気のせいでs


「シーオーンさーまーぁー!!」


 ぐふぅっ?!


 うぅ……お腹に衝撃が……この声はルカさんですね?


「あぁぁ、疲れましたぁぁぁ……」


 あー……そう言えばイベント事後処理というかアイテム配布を手伝わないといけなくてGW中それにかかりっきりだったんでしたね。

 私の腰あたりに突撃してきたと思ったら今度はそのまま足の力が抜けかけていますね。


 とりあえずゲーム内の喫茶店のようなところに行きましょうかね。さすがに大通りでこれは人の目につきすぎます。マナは今日はGW分の課題を終わらせないといけないみたいでログインできないと言ってましたしこのまま移動してしまいましょう。



 しがみついているルカさんはこのまま移動すると確実に地面とキスすることになってしまうので、━━━━ふぅ・・・・・・よいしょっと、さすがゲームリアルだとできないであろうことが平然やってのけられる。本来は幼女とはいえ寝てるとそこそこ重たいですからね。そしてステータスの恩恵で簡単に持ち上げられたルカさんを背負ってと。


「サモン・スピカ、ルキス」


「やっほー、ご主人!」


「主こんにちは」


「2人ともこんにちは。そして『召喚(オーダー)・エクラ』」


 スピカとルキスと最近ようやくスキルが習熟したことで扱えるようになったアイテム、連魂の宝珠を使ってとある人形を元に生み出した子を召喚します。


「こんにちは、ご主人様。どうされたのですか?」


 この子の名前はエクラ、銀髪金眼の私のアバターと真逆の金髪銀眼の子です。どうしてこうなったのか言葉遣いや動きがまさに従者という感じになっています。

 体はイベントボスの竜の素材である呪潜鋼をふんだんに使った人型にかつて買った連魂の宝珠を核に使い人で言う血流としての役割である魔力を流し動作させるための回路兼血管のような役割としてエマさんの店で買った高品質の水銀を使っています。


「今からルカさんを連れて喫茶店に行くので折角ですから皆で行こうと思いまして」


「それなら別に私まで呼ぶことは無かったのでは?一応食事ができるとはいえ嗜好品のような扱いですし」


 この子は私が制作している人形達と違ってどちらかと言うとホムンクルスに近いオートマタですからね。私たちと同じように食事が出来ます。ほかの人形達はゴーレム寄りですから食事は出来ません。空気中の魔素で動いています。そして従者という立場なためいつも1歩引いてるんですよね。


 なので少し強引に行かないといけません。


「それはまぁそうなんですが。久しぶりにこっちでゆっくり出来そうなので折角ですから皆で過ごそうと思いましてね」


「そうですか。まぁ私はご主人様の従者ですから?主の好意を無下にするわけがありませんよね。それでは私がルカ様を抱えますよ」


「そうですか。それならお願いしましょうかね」


 どこぞの黒聖女のようなわかりやすさですね。そしてルカさんを抱えてくれるようなのでお任せします。




 まぁすぐ近くだったので私が背負っていても負担はそれほどなかったかもしれないですね。


 人はプレイヤーとNPC合わせてだいたい10人前後ですね。私含め5人以上座れる席は・・・・・・ありました。6人用席ですがこの際仕方ありませんよね。


「ルーカーさん、喫茶店に着きましたよ。10日間忙しかったみたいですから好きなものを頼んでいいんですよー」


「んミュ……ん・・・・・・シオン……様?あれ?私なんでここに……」


 あらま、衝突したあたりの記憶が無いんですか?まぁ疲労も凄いみたいですしそもそもこの世界の住人は外の人達と比べて遜色ないくらい自然ですからそういうこともあるんでしょう。


 さてと、席に座ってルカさんの話を聞いたりしていると定員さんがメニュー表を持ってきてくれました。今日は何を頼みましょうかねぇ……




 外と違ってここでは現実のお腹にたまらないおかげで沢山食べられるので普段食べないようなものにしましょうか。




「皆何を頼むか決まりましたか?」


「はい!はい!シオン様っ!わたしパフェが食べたいです!」


 ルカさんの口調が見た目相応ですねぇ。まさに幼女。るかさんはパフェですね。飲み物は後でまとめて聞けばいいでしょう。


「ご主人っ、私はシフォンケーキと紅茶飲みたい」


 ふむふむ、スピカがシフォンケーキと紅茶と、後はルキスとエクラですが何にするんでしょう?


「むー・・・・・・ブルーベリー……タルト……チーズ……むむむ・・・・・・どれにしよう……」


 ルキスは何やらすごい葛藤してるみたいですね。注文を急ぐ理由もないですし決まるまで待ちましょう。

 あとはエクラですが……こちらもルキスと同じように迷ってますねぇ。最初はそこまで乗り気じゃなかったみたいでしたがいざ来てみると目をキラキラさせて食い入るようにメニュー表見つめています。





「決まりました。私はチーズケーキとシトラスティーにします」


 エクラの方が早く決まりましたか。ルキスは・・・・・・まだ迷ってますねぇ。そして私たち以外にもお客さんが増えてきました。

 


「ん、主、僕も決まった!フルーツタルトとプリンアラモードとカフェオレにするっ!」


 おぉ??ルキスは2つですか……いやまぁ別にこの間のイベント報酬のおかげでお金は沢山ありますからルキスが2つ頼んでも全然たりはするんですけど……他の子達が一人一つのデザートと飲み物を選んでる中ルキスだけデザート2つは不公平ですよねぇ……はてさてどうしましょうか。








「ルキス、2つはダメですよ。皆1つずつしか選んでいませんからね。でもそんなに食べたいのなら私もプリンアラモード頼むつもりでしたからシェアしましょうか?」


「うぅ、わかった、それでお願いします」


「えールキスだけずるいっ!私もご主人としぇあする!」


 えぇ……スピカ……いやまぁいいんですよ?別にプリンアラモード大きいですしシェアすれば私は3種類のデザートを楽しめますしとまぁ私にとって得になることも沢山ありますがスピカとまでシェアすると他の子達が……


「あっ、あのシオン様。私もシェア、したいです!」


「ご主人様、私だけ仲間はずれというのもどうかと思いますよ。なので私もシェアしますね」


 ハッハッハ、やっぱりこうなりますよねー。カイくんが中学の時お弁当忘れた女の子に自分のお弁当上げてたのを思い出しますねぇ。

 確か女の子の方が購買でパンを1つ買っててそれを見たカイくんがいつも食べてたグループに誘ったんでしたか。

 そして女の子パンを数口貰っておかずを上げてたらほかの女子までやってきてカイくんのお弁当に元々入っていたおかずがなくなってましたね。


 まぁそれ以降は彼も軽率にシェアしないように気をつけてるみたいですが。




 そして最終的に私は皆とそれぞれが頼んだものをシェアするということに決まり店員さんを呼んで注文を済ませました。





 そしてルカさんのGW社畜生活の愚痴なんかを聞いていると注文した飲み物とデザートが来ました。社畜生活と聞いてふと思いましたがそう言えば社畜さんGWは休暇どのくらい貰えたのでしょうね。今度あったら聞いてみましょう。




 パフェ、シフォンケーキ、チーズケーキ、フルーツタルト、そしてプリンアラモード。リアルが夜でも好きなものを食べられるとはいえさすがにいくらなんでもこれだけ食べれば満腹です。プリンアラモードはシェアして残った分が食べきれなくてルキスにあげましたしね。

 ルキスはフルーツタルトとプリンアラモード食べた上でまだ何か食べられそうです。余裕そうに見えます。




 さてと、ルカさんの話は聞きましたしスピカ、ルキス、エクラとの会話も終えましたし今日はあと何をしましょうか。私は金曜に課題を終わらせる派なので夜ダイブ組ですからそんなに時間はありません。

 あまり長く時間をかけずある程度空いた時間を潰せるものなにかありませんかねぇ。うーむ、外はもう夜の10時を回っていますが・・・・・・マナがいれば話してるだけでも絶対退屈なんてしないんですけど今はログインしてないですからねぇ……


 この間のイベントの報酬確認・・・・・・はほぼほぼ見るものもないですし使用するにしてもどうせならマナ達と一緒の時がいいですし……ほんとにやることないですね?


 それにしてもこの始まりの街の人口は第2の街が解放されたにもかかわらず多いですねぇ。PDOは現実の2倍の速度で時間が経つので今はだいたい9時頃ですがプレイヤー、NPC問わず人は多いです。今もパーティを組んだプレイヤーが街の門を開けてもらおうと門番さんに頼んでいます。こんな時間から狩りにでも行くんでしょうか?

 それに前線で攻略組のようなことをしているプレイヤーのほとんどは門が閉まっていても攻略に迎えるように門を超える手段を持っているはずですから彼らは攻略組では無いのでしょう。そして頼まれている門番さんは当たり前ですが断固として拒否しています。

 まぁそれはそうですよね。NPCの方々からすれば夜になって活発化しているモンスターがいる中外に行くなんて最悪自殺願望の塊か死の恐怖が無い化け物みたいに映るでしょうし。しかもプレイヤーは何度死んでも蘇るので余計にそういう人たちにはその認識が深くなりそうです。





 やっぱりもうログアウトしてしまいましょうか。



ルキスはうちの腹ぺこキャラ枠。沢山食べる子は可愛い。エクラは邪ンヌと咲夜を混ぜて少しばかりぽんこつさを足した感じのイメージ。

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