23,27日目(日)イベント⑧
ふぅ、到着しました。ですが・・・これ完全に戦闘始まっちゃってますね。まだ呪竜が出てきてないだけマシですが。しかもこれ今の時点で明らかにプレイヤー劣勢っぽいんですけど指輪使用していいでしょうか?
人混みに紛れて1時離脱、そして念のために隠密を発動してと、
「『クイックチェンジ』」
このスキルは所謂早着替えですね、装備欄を開かずに予め設定していた装備とスキル使用時につけていた装備を入れ替えるスキルです。これがなかなかに優秀なんですよね。こういう急いでる時とか特に。
ゴスロリ風衣装から軍服に変化、軍帽とマントも用意してあります。
そして魔王化発動、すると足元から黒いモヤのようなものが湧き出し私の体を覆っていきます。そして全身が覆われるとモヤが体に吸収されました。
これが魔王化の演出ですか。某仮面騎手の悪役さんの変身演出みたいで私は好きですよ。さて、魔王化によって使えるようになったスキルを使って戦場に向かいましょうか。
「『飛行』」
おぉ、軽く呟いてみると背中から悪魔のような翼が生えました。これで飛べるのでしょう。それでは新武具も装備して、行きますか!
人の少ないところに降りて召喚魔法と運聖兎の加護で2匹を召喚します。
「スピカとルキスは危なそうな人がいたら助けてあげてください。あくまで自分の命優先でお願いしますね」
「ピー♪」
「キュー!」
何気に今の私頭に大きな角が生えているんですよね、それこそまるで魔王のようなものが2本。軍帽の邪魔になる位置ではないので別に気にはしていませんけど。
取り敢えず人が少なくて魔物が多いところに飛びますか。自強化系に隠密を重ねて翼で飛翔、一瞬で先ほどまでいた位置が後方になりました。
向かっている先を見てみると今まさに1人のプレイヤーにリザードマンらしき者の持つ剣が振り下ろされそうになっています。
「フラガラッハ!」
私の隠し玉、ファフニールから手に入るバルムンクを100本以上合成した剣、それは特殊弾である転送弾と同じ効果を持っています。
「フ━━━━ッ!!」
短く息を吐き私の新たなメイン武器であるナイフで今まさに振り下ろされそうになっていた刃を弾きます。
「大丈夫ですか?」
「はぇっ?!え、貴方は一体……」
大丈夫そうですね、質問に答えている時間は今はありません。現在進行形で周囲を包囲されてますからね。
ですがその場から動かない彼らは私からしたらただの的でしかありません。ブーツの足裏から生成し地中を進ませた糸を彼らの後ろから出し首元に巻き付けます。その糸は斬糸なのでスパッと首が切り落ちますね。私がこの世界で初めて手に入れたエクストラスキルである切断の効果もあるのでしょう。
先程助けた人はちゃんと逃げたみたいですね。それなら私も少しだけはっちゃけてしまってもいいでしょう?
「『クリエイト・ゴーレム』『サモン・機械兵』『サモン・死体中隊』『人形兵団』」
対多数戦でしかも竜に属する種族が多数。さらに休息する暇がないので必然的に戦闘時間も長くなることで私が全力を出すことが出来る条件がほとんど整ったからこそのこのデタラメな召喚なんですよ。ゴーレムにオートマタに死体に人形、ぬいぐるみと自分でやっててなんですがさすがに絵面がカオスですね。
敵さんも若干困惑してますよ。敵もリザードマンにゴブリンにウルフにオーガと統一感のない集まりですがうちも人のこと言えませんからね。
さてと、ここはさっさと済ませてまた別のところに行かなければ。・・・・・・放置でも大丈夫ですかね?他のプレイヤーは誰一人として周りにいませんし。
・・・・・・放置しましょうか。
「汝は死を恐れず、進み続ける者、敵対する者全てを蹂躙せし者なり━━━━━『殺戮指令』」
簡単に言うと強制臨界起動状態ですね。性能が飛躍的に向上する代わりに効果時間終了時に自爆する浪漫モードです。全て無限に作成できる軍勢なので躊躇なくこの手を使えますね。
それではまた別のところに行きましょうか。
1番人が多く居るところへ来ました。人も魔物も両方多いここはやはり激戦区ですね。人数が足りなくて抜けてきた敵をフラガラッハで斬り裂いてますが戦局は一切変化し無いですね
エマさんから買った天瞳の片眼鏡にも呪竜の反応は無いですし。
ちなみにフラガラッハはこんな性能の武器です。
アイテム
天翔剣フラガラッハ ☆☆☆☆☆☆☆
レア度:特異級
龍を滅する剣を束ね数多の財宝、秘宝を贄とし生まれた剣。それは所有者の敵をどこまでも追い滅する追滅の刃。数多の英雄の武装を束ねたことにより武器そのものに破魔の力が宿った。
装備効果
[位置交換][分裂][追尾][破損耐性(大)][斬撃強化(中)]
[不浄特攻(中)][邪悪特攻(中)][魔法媒体]
お金に糸目をつけずに高額レア素材を大量投入したとはいえこのレベルのレア度の装備が何個もできるのはさすがにおかしいと思います。
位置交換の効果が優秀すぎてこれはメイン装備内定ですね。しかも分裂と追尾能力まであるという。
最高12本まで分裂できるので使い勝手がいいんですよね。それとさすがに呪竜が出てこなさすぎるので前線に突っ込んで暴れてきますかね。さすがに延々と雑魚処理するのは飽きました。
フラガラッハを最大数まで分裂させ縦にした状態で体の周りを漂わせ回転させます。そしてその状態のまま頭と足が地面に対して水平になるように体を倒し、一気に加速。回転する刃で通り抜けると同時に敵は溶けていきます。
超速水平飛行中にも周囲に魔法をばらまいていたので結構な数敵を倒せました。
そして前線に着くとレオくんのパーティーがいますね。合流しましょうか・・・・・・
ん・・・?今一瞬危険予測に反応があったような……
突如空間そのものから滲み出るようにして竜が姿を現しました、そしてファフニールが幾度となく行ったように自分の存在を知らしめるかの如く咆哮します。
突然体力バーが縮みましたよ!?体力の最大値を減少させる攻撃でしょうか、これはかなり厄介ですね……
この攻撃を行う頻度がどれほどかわかりませんがこの攻撃を食らうほど体力が最大値でも一撃で死亡する可能性が高まるということですから特にタンクなんかは死活問題でしょう。防御力を上げて受けるダメージを減らしても体力最大値が減っているせいで受けきれないとかありそうです。
そしてあの呪竜、何かを溜めているんでしょうか?瘴気のようなものが外に放出されるのではなく内側に収縮しているように見えます。
危険予測に反応がっ!?飛行と縮地と空歩で上空に緊急離脱します。そしてそれと同時に溜めていた瘴気が周囲に向かって放たれました。
上への範囲はそんなに広くないようで呪竜より高くは広がりませんでした。しかし地面の方は魔物がいる位置の1番端まで広がっています、さらに瘴気が覆った箇所からゾンビやスケルトンなどのアンデッドがどんどん湧き出していますね。これ最初のイベントとしては難易度かなり高めなのでは?
とりあえず空中から極光魔法を撃ち込んでいますが全然減りませんね、それどころかむしろ増えている気さえします。
門の方からも魔法や矢が飛んできているみたいですがそれでは焼け石に水ですね。
・・・なんか火柱が立ちあがってますがあれ多分彼でしょうね、炎の色が金色がかってますし。
今ので1部分が空き地になりましたがそこも他の魔物によってすぐ埋まりました。
私もちまちま削ってますけどスリップダメージによる体力減少がやっぱり厄介ですね。一応HPポットで対処可能ですがあれ連続使用できないですし。ポーション使うことで処理数が下がりますし。
その間もフラガラッハを分裂させて削ったりしていますが全然減りません、これボス1点狙いで雑魚はできる限り無視できれば直ぐに方はつきそうなんですけどそれが出来ないから泥沼化しているんですよね。
その時、門から何かが飛び出して来ました。あれは・・・英国紳士のような服にシルクハットを被って杖のようなものを持った初老の男性ですね。視覚系スキルが統合された王乃瞳と狙撃による拡大によってよく見えます。
その男性は敵陣に飛び込むと同時にステッキの持ち手の部分を捻り引き抜きました。どうやらあれはただの杖ではなく仕込み杖だったようです。そしてその杖剣で瞬く間に魔物の群れを切り刻んでしまいました。
・・・あれこそチートではないでしょうか、単身敵陣に突っ込んで目で追えない速度で仕込み杖を振るい一瞬で敵を片付けるとかあの人もはや人間じゃないですよ。
━━━━━うわっ、さらにモンスターの頭を踏みつけて上に上がりそこを走りながら切りつけていきます・・・あの、もう全部あの人1人でいいんじゃないでしょうか……
敵陣に単身突っ込んで暴れるところまでは戦闘狂ってことで分かりますがさすがにその中で無双してるのを見るとほんとにあの人のスキル構成が気になりますね。
今だって空中を跳ねて斬撃を飛ばしたり突きから衝撃波を飛ばして相手に風穴開けたりしてますし・・・
本人のPSが高いのかスキルの組み合わせが上手いのかそれとも純粋に強スキルを多く持っているのか……
私は湧き出した雑魚を相手していますが呪竜本体は有志の方々がツルハシ片手に登っていってますね。
今更ながら呪竜の見た目を一言で説明すると山ですね、翼がなく鎧のような何かを纏っています。
登っている人達がツルハシを持っていることから推測すると鉱物系の何かでしょう。竜と言うだけあって西洋風のドラゴンのように長い首を持っています。そして手足に瘴気を纏い口からも毒のようなものを出していますね。
上の人たちに影響が出ないように注意して極光魔法を放ちます━━━━━━が顔に直撃しても怯みませんしなんならあれ気にしてませんね。
フラガラッハを飛ばして切りつけます、ほう、これは少しは入るみたいですね。一応私の攻撃にも竜特攻入ってるはずなんですけどねぇ。
「フラガラッハ展開━━━━━━━━魔法陣起動━━━━━━━━『極光砲』」
12本のフラガラッハを円形に展開、そしてその一つ一つを媒体に魔法陣を展開、魔法を発動します。
12本の剣の1本1本から放たれた極光が収束し先程私が当てた箇所に直撃しました。
「グギャァァァ!?!」
は??え、私一応竜特攻大を持っているんですけど……それでダメージがほとんど無い相手がフラガラッハを媒体にしただけの同じ魔法であんなにダメージ入るって一体どういうことですか。もしかして・・・フラガラッハを媒体にした事で私の持つ特攻ではなくフラガラッハの効果にある方の特攻が発動しています?
おや、レオくんのパーティが攻撃を加え始めましたね。そろそろスピカとルキスを呼び戻しましょうか。ルキスには上空からのブレスとスピカの防御を担当してもらってスピカには上から攻撃魔法と回復魔法をかけてもらいましょう。
隠し玉その2、そろそろ切るべきですかねぇ。レオくん達も出し惜しみ無しで大技連打してますが一向に倒れる気配ないんですよね。それに飛び回っていて気づいたんですがこのゲーム内でカタログスペック最強格って言われているとある種族の方を見ていないんですよね。まぁこの時間帯では出てきたくてもなかなか出てこれないんですど。多分その方たちは物資補給なんかを担当しているんでしょう。活動場所屋内ですし。
隠し玉その2を切るとその人たちも私もフルスペックで活動できますからね。私自身手札はできるだけ見せたくない派なんですが見せないまま負けるより見せてそれでも負けたの方が納得できる気持ちもあるので使いますか。
「陽を隠し、帳を下ろせ。我は境界を越える者。闇よ空を覆い尽くせ━━━━━━━『時刻変化・夜』」
詠唱が終わると鐘のような音が響くと同時に一気に夜に変化しました。下ではプレイヤーが何か騒いでますが今説明している時間はないのでとりあえず放置でいいでしょう。それと夜になったと同時に街の方からいくつか高速で飛んでくる反応がありますね。
まぁ私はフラガラッハを飛ばしつつ魔法を撃ち込んで行きましょう。夜になったことでステータスも上がってますしそれなりの火力にはなるでしょう。
まぁたあの変態紳士が暴れてますね、ちなみに私の中での呼び名はこれで固定です。あの人剣術特化型かと思っていましたが風系統の魔法を使ってます、どの位の魔法かはわかりませんがね、しかも背中に翼が生えてます。吸血鬼族でしょうか?それにしては日中から無双してましたよね。日光に完全な耐性を獲得したんでしょうか。
夜になったことで私のステータスは約3倍です。日が出ている間出来なかったことが出来ますね。
「『ルインランス』『ノクスランス』『カオスランス』『ボイドランス』」
さらに最近発見された魔法の使用法、魔法陣を重ね合わせる事で魔法の威力を向上させるという物を使い4属性の魔法陣を重ねてさらにそれをフラガラッハを媒体に先程から徹底して狙っている頭部に向けて放ちます。
対象、沈黙しました。上の人達に被害は無いみたいです。そしてその人達は現在上の鎧のように纏われた鉱物を剥がしています。もうすぐこのレイド戦終わりそうですね。
続きが気になる方などいましたらブクマや感想等など貰えると作者のモチベが上がって続きが出たりするかも。
作者の別作品『奈落に落ちたら案の定裏ダンジョン直行ルートでした』の方もどうぞよろしくお願いします。こちらは今作と違って異世界召喚物になってます。クラス召喚です。
猫蜜柑 @mikanneko__ 作者のTwitter貼っときますので興味ある方はフォローお願いします。基本的に日常ツイと頭に浮かんだ設定流すのがメインです。
今話のシオンの装備は、軍帽にズボンタイプの軍服、そしてマントとガントレットとグリーブを装備しています。軍帽軍服は濃紺に青と黒の装飾が施されガントレットグリーブは夜のような黒色の物です。
そして髪を後ろで束ね本人からは見えませんが片目に魔法陣のようなものが映し出されています。ちなみに魔王化時はそれに加えて角と翼も生え体からオーラのようなものが出ています。




