10,ゲーム開始3日目〜4日目 リアル編part1
今回が初のリアル編です!
ん、んー。ぐっすり眠れましたね。今の時間はと……5時ですか。お昼ご飯を食べたのが3時頃でそこから少し時間を開けて寝たので2時間弱ですね。
2時間弱寝ただけであれだけの疲れが取れるとは…睡眠はやっぱり偉大です。
明日からはまた学校ですからね、課題をやりませんと。昨日はほぼ丸一日ログインしっぱなしでしたからね。その分今日に多めにやらないとです……
あと私自身が今週課題の出た教科の担当の先生が苦手なので提出するのが遅れたりして余計に関わりたく無いのもありますが。
「おにーちゃーん!今起きてるー??」
「起きてますよー」
「昨日ぶりだねー!ほんと毎日見てるはずなのに未だにうちのおにーちゃんが男の子なのが信じられない。」
「あはは、そうですかねー?」
「うん!いつも女の子みたいな格好してるし。それに前だってお兄ちゃん知らない男の人にガチ告白されたんでしょ?」
「うっ……あれは嫌な事件でしたね…」
くっ、確かにカイくんと歩いている時に知らない人から突然声をかけられたと思ったら告白を受けたことはありますけど…無論即刻お断りしましたが……
「仕方ないでしょう、実性別通りの服を着てたら男装してるの?なんて言われたんですから!」
私は何故か昔から本来の性別とは真逆の感じに成長してるんですよね。胸とかは除いて。
髪の毛は妹並みに1本1本が細いですし。ご飯も一般的な男性が一日に食べる量の平均より私の一日に食べる量少ないですし、筋トレとか結構しても筋肉とかほとんどつかないですし。さらに挙句の果てには中3の時に若干腰周りがくびれてきましたしね!
「んー、確かにお兄ちゃんはお兄ちゃんのはずなのにカイさんとかが着てるような服を着ると何故か男装した女の子にしか見えないんだよねぇ。」
「本当は男なのに女の子用の服を着た方が自然に見える私ェ」
「まあお姉ちゃんだし仕方ないよね!」
「お姉ちゃん言うでないっ」
「あぅ、じゃあねー。お兄ちゃん、勉強頑張ってー」
行きましたか、普通にしてれば可愛くていい子なんですが何故か私と関わるとポンコツ属性発揮するんですよねーあの子。ほんと謎です。
んー、じゃあ急いで課題を終わらせてしまいましょうか。
社会科と国語科の課題なので割かし楽なのが救いですね。
よし、やっと終わりました。もうすぐ夕ご飯の時間ですね。今日はなんでしょうか?
うまうま、今日はビーフシチューでした。明日のお弁当はビーフシチューとフランスパン辺りですかねぇ。うちのビーフシチューご飯やパンに合うように若干味付けが濃いめなんですよ。
そしてもう既に眠たいですがお風呂に入りませんとね。
ふー、極楽極楽。
課題を済ませましたしもう寝ましょうか。明日は学校ですし。
ん、んーー。
あ、おはようございます。あれ?今私誰に向かって挨拶したんでしょう?まだ寝惚けてるみたいですね。
「おにーちゃんおはよー!!」
む、うちの妹は朝からテンション高いですね。今日は学校だというのに。
「はい、おはよーです」
ズイッ
「いつものね!」
「あー、はいはい(撫で撫で)」
本当にうちの妹は撫でられるの好きですねー。私の方が寝坊しない限りは平日は大体いつもこんな感じですからねぇ。
「えへー、これで今日の学校も頑張れるっ!」
「それはよかった」
さて妹といつものやり取りをしている間にすっかり目も冴えましたし下に降りて朝ごはんを食べましょう。
「早くご飯食べないと遅刻しちゃいますよー」
「はーいっ」
さて、我が家は基本朝はパンを食べる家ですから今日もお馴染みの食パンが置いてありますね。
まずそれを半分にカットしてトースターにセット、そしたらフライパンを出して油を引き冷蔵庫から取り出した生卵2個を投入、さらにその横にもう1つフライパンを置いてベーコンを焼いていきます。
あ、生卵2個のうち1個は妹の分ですよ、さすがに朝からトーストとベーコンに目玉焼き2枚はきついですからね。
目玉焼きは半熟の状態で取り出してパン用の皿の上に、ベーコンはもうちょい焼いておきます。目玉焼きの準備が終わったのでセットしておいたトースターのスイッチをON!
あとは出来上がり次第トーストの上にベーコン目玉焼きの順で乗せるだけというお手軽さ。忙しい朝にぴったりですね。
「くんくん、この匂いは!お兄ちゃん私も目玉焼きトースト食べたい!」
「はいはい、そう言うと思って2枚焼いてますよー。」
「やった!お兄ちゃん大好き愛してる!」
洗面所の方に寝癖を直しに行っていた妹も戻ってきました、やっぱり目玉焼きに反応しましたね。2枚焼いておいて良かったです。
「うまー!お兄ちゃんの目玉焼き半熟トロトロでうまー!ベーコンも肉汁ジューシーでカリカリでうまー!」
「お粗末さまです」
さて私は1枚で終わりですが妹は追加でもう1枚焼いてましたね。しかも器用に半熟目玉焼きを半分にして残した状態で。
「私は先に準備して待ってますからねー!」
「はーい!!(もぐもぐむしゃむしゃ)」
さてこれから制服に着替えますが勘のいい方はわかる通り学校の制服も女子生徒用のものを着ています。
男子生徒用のだと肩幅足りないですし何より似合わないんですよ。
近年法律がちょこちょこ変わって男女で性別による制服の固定がなくなったのがほんとにありがたいです。
昔は男子なら男子用制服、女子なら女子生徒用制服と完全に分けられていたらしいですからね。
今では女子生徒がズボンタイプの制服着てるのはよくあることですからね。その逆はまぁ下着とかの関係上少ないですが。私も元は下着は別に……って思ってましたからね。妹に力説されてちゃんとそれ用のものを履くようにしましたが。
少し考え事をしていたら妹の方はもうほとんど着替え終わってますね。私が着替え始めた頃に2枚目のトースト食べてたはずなんですが。
さて準備も終わりましたし行きましょうか。
「いってきます!」
「お兄ちゃんお兄ちゃんっ、手繋ご!」
「いいですよ、はい」
妹と一緒に手を繋いで登校するのも慣れましたね。最初は結構恥ずかしかったですが。
「あまねちゃんおはよ!詩音さんおはようございます。」
「あ、しずくちゃんおはよー!」
「雫さんおはようございます」
「あ、そうそうお兄ちゃん。私と雫ちゃんね、お兄ちゃんとカイさんのやってるPDOってゲーム一緒にやるから色々教えてくれない?」
「いいですよ、カイくんにも言っときますね。でもいいんですか?2人とも今年受験生ですけど。」
「うん、私も雫ちゃんも推薦貰ってるしそれでお兄ちゃんと一緒の高校に行くから!」
「はい、私も大丈夫です!勉強は続けますがほかのクラスメイトのように限界まで自由な時間を削ってするという程ではないので。」
「なるほど、なら大丈夫ですね。じゃあ2人とも2陣参加受付が開始したらあっちでの名前教えてくださいね。あ、私はこっちと同じくシオンでやってます。」
「わかった!」
「わかりました」
さて妹達がPDOに参加するということでPDOの中でも基本的なことなどを話していたら着きましたね。私の通っている高校と天音と雫さんの通っている中学はお互いすぐ近くなんですよ。
「じゃあ天音、また学校終わったらむかえにきますからね。」
「うん、お兄ちゃんまたね!」
妹と中学校の正門の前で別れて高校の方に歩いていると
「よ、詩音っ昨日ぶりだな!」
「おや、カイくんおはようございます。ですね、そう言えば家に帰ったらステ振りなどしませんと。」
「あー、お前のスキル正直構成が全くわからないからな。手足から体術系アーツと一緒に魔法撃つとか何それ??って感じだし。」
「あはは、まあゲーム内で闘技大会とかあるかもしれませんし切り札になり得るようなスキルの情報はさすがに相手がカイくんといえど教えませんよ。」
「まあだろうな。誰だってそうする、俺もそうする。」
話してるうちに教室前まで来ましたね、今日はいつにも増して中がガヤガヤしてます。
カイくんのあとについて入っていきます。結構な数の視線が私の方に来ますがまぁいつもの事なので気にしませんとも。
「入間ちゃんおはよー!」
「おはようございます、それと私は一応男なんですがねぇ」
天音とタメ貼るレベルで朝からテンションが高いこの人は新樹咲良さん私からすればわかりやすいほどにカイくんに好意を向けている人ですね。まあ本人は全く気づいていませんけど。
カイくんといいレオくんといい、まあどっちも同一人物ですが"さくら"って名前の人からよく好かれますね。
「む、だってこんなに可愛い子が女の子なわけないって言うし実際詩音ちゃんはその通りだけど、
私には可愛い女の子にしか見えない!」
朝から飛ばしてますねぇ。お、男子友達と話していたカイくんがこっちに来ましたね。ふふふ
「か、カイくんおはようっ!」
「おう、サクラおはよう。」
ふふ、挨拶交わしただけで真っ赤になるとは。初心ですねぇ。
「うっ、なんか詩音ちゃんから生あたたかい目で見られてる気がする」
感は鋭いんですよ、ただカイくんが関わるとぽんこつ化しますが。
咲良さんとカイくんのラブコメもどきを見ていましたが今日はクラスがいつもより数段騒がしいですね。少し意識して話を聞いてしてみましょうか。
「なー!おれPDO初期生産分のみの所謂1陣で参加出来た!」
「はー!?うらやま!俺買えなかったから2陣に期待するしかないわー」
「1陣がβ当選勢1万と初期生産分2万で計3万人だっけ?2陣用増産分が何個あるかによるよねー。初期生産分と同じだとまた前日徹夜組と転売ヤーが増えそうだし。」
「転売ヤー死すべし慈悲はない」
なるほど、男子はPDO関係の話題が多いですね。前日徹夜組と転売ヤーは昔から続く悪しき文明です、破壊されてしまえばいいのに。
女子はどうでしょうか?
「ねー聞いてっ!私1陣でPDO参加出来たのっ!」
「「えーっ!いいなー!」」
「最新のゲームだけあってやっぱりグラフィックとかも凄いの?」
「凄いよー!今までのゲームとは全然違う!可愛いうさぎの手触りとかも本物みたい!」
「うらやましー!私も2陣で参加するからその時は色々教えてー」
「いーよー」
ふむふむ、驚くべきことに女子もPDOの話題がほとんどですね。これはうちのクラスにゲーム好きが多いのかそれほどPDOが世間的にも注目されているのか……恐らくは後者でしょうね。
その後は休み時間になるとみんなPDOの話題で持ち切りになったこと以外は特になく今日の学校が終わりました。
さて、それでは天音を迎えにいきましょうか。
天音と雫さんが現在進行系で通っているこの中学、実は私とカイくんの母校でもあるんですよね。なので敷地内の建物の配置や内部構造などは把握し切っているのでわざわざ他の人を呼ばずに済むのでいいですね。
さてうちの妹さんはどこにいますかねー。
おや?何やら人が沢山集まっている一角がありますね。近づいてみましょうか。
……あれはうちの天音ですよね?そしてその前に天音の同級生らしき男子がたくさ、並んでるんですがこれ一体どんな状況なんでしょう。もう少し近づいてみましょう、声が何か言ってるのはわかるんですが内容が全く伝わってこないので。
うーん、近づいた結果わかったことですがうちの妹めちゃくちゃモテるんですね。
まあ確かに?まず最初に兄目線でみても顔がいいし、性格いいし、いつも朝起こしてくれるし、笑顔が尊いし、スタイルもいいし、運動も勉強もできるし、それでいて完璧超人かと思ったら適度に弱点があったり甘えてきたりするところもあるしでモテないわけないんですけど……
なんかモヤってしますね。まあ告白した人は私が見てる限りだとみんな振られてるんですけど……ざまぁ……おっとつい本音が。
むぅ、これだけ自分より前に告白して振られている人がいるのにそれでも告白をするとは。もう妹攫って帰ったらダメですか?
天音自身もなんかよく見ると作り笑い感あるんですよね。
ふぅ、作り笑いしてる妹をそのままにしとくのもなんか違う気がしますし……よし、連れて帰ってしまいましょう。
「ふぅー……天音ー!!」
「あっ!お兄ちゃんっ!!あ、みんなごめんねー。私用事あるから帰るねー」
「それじゃぁ帰りましょうか」
「うんっ!」
とりあえず数多のゲームを渡り歩いた結果生まれた私の特技のひとつ、【口元は笑みを浮かべている目元は一切笑ってないどころか殺意すら感じる笑顔】を披露しておきましょう。
ニコォ
ビクッ
これで大丈夫だったらいいんですが。
「お兄ちゃん早くー」
「今行きますよー」
「天音ってモテるんですねー、私びっくりしましたよ。」
「んー、正直言って煩わしいんだけどね。人がお兄ちゃんと帰る約束をしてるのに大勢で囲んで告白大会みたいなことされたらイラッとしない?その時点であそこにいた男子の誰の告白を受ける気もなくなるよね。
まぁ私は元からクラスメイトからの告白をOKする気なんてないけど」
「まあアレは邪魔ですよね。私も天音の立場でアレやられたらイライラする自信ありますし。
帰ったら一緒にお菓子食べて気分を変えましょうか」
「わーい!私飲み物はココアがいい!」
「んー、残りがありましたかね。あれば用意しますよ。」
「ありがとー」
最後にちょっとした出来事がありましたが天音と過ごすお茶会タイムは私にとっての癒しなので無問題です。
さてと、今日の分の課題やったら少しだけログインしてステ振り等しましょうかね。
ブクマ評価など貰えると更新ペースが早まるかもしれませんよ




