知らない天井
俺が目を醒ますと吹き抜けの天井が見えた。
「知らない天井だ…」思わず呟いてしまう
「いや、ここはお前の部屋の天井だぞ」
「バカな、俺が住んでいるのはアパートの一階だぞ」
「とりあえず大丈夫そうじゃな」
「お前はたしか…さっきの新人類天使か?」
「その呼び名では長かろう、タンサで良い。よろしく頼む」
「そうかタンサ…それよりも何故?何で俺の部屋の天井がこんなに高くなってる?何で貴様が俺の部屋にいる?」
「それに関しては私から説明しましょう」
隣の部屋から声が、イケボが聞こえてきた。たしか隣は空き家だったはず。
ガチャリ、無いはずの俺の部屋?と隣の部屋をつなぐ扉が開くと、そこから角が金色の大きな鹿の様な角が出てきた…
「おっと失礼。先ほどまで世界中のサーバーをハッキングしていましてね。アンテナを伸ばしたままでした」
何かハッキングとか物騒な事が聞こえてきたが、それどころじゃない。その角が引っ込んだと思ったら、金の刺繍が入った黒のタキシードを着た金髪のイケメン野郎が笑顔で俺の部屋に入ってきた。
「うむ!お前は選ばれたのだ!喜べ」
新手の宗教の勧誘か?
「タンサ様、それでは説明になっていません…私から彼に説明しますので少しお待ち頂けますか?」
「うむ………………………………………そうだな分かった」
何か、ものすごい間があった気がするが、もしかして説明したかったのか?
「ありがとうございます。それでは洋一さん、私はタンサ様のコンシェルジュとして作られた人造人間107号改と申します」
「人造人間?何の冗談だ?」顔は良いが痛々しいやつだ
「うむ、人造人間107号改はクロス博士が私のコンシェルジュとして作ってくれたのだ」
「そうです。でも、まあ、いきなり人造人間の話しをしてもホモサ…洋一さんの理解が追い付かないですよね…では、タンサ様。私の右腕を切ってもらえますか?」
「え?」
「うむ」
そう言うとタンサと言う少女は自分の左腕を挙げた、腕が一瞬光ったかと思うと、よく見えない光の様な何かが俺の前を通りすぎ、イケメン野郎の腕を飛ばした!
「なっ!?」
腕を切り飛ばされたイケメン野郎は、ニコニコと笑いながら切られた腕の断面を見せてくれた…
「どうですか?これで私が人造人間だと信じて頂けますか?」
一瞬目を背けていた俺だったが、手品か何かかも知れないと思い直しイケメン野郎の方を見ると、そこには綺麗に切断された右腕から金色に光る配線や黒い骨の様な物が見えていた。
マジか…でも、さっきの攻撃や腕の切断面を見ると信じざる終えないかもしれない。
それにこいつらの、この世の者とは思えない美しさにも、それならば納得できる。逆にそうじゃないと説明がつかない気がした。
「分かった…信じるしかないようだな」
「そうですか、ありがとうございます」
そう言いながら落ちた右腕を拾うと、切断面に近づけるイケメン野郎。パアッと金色に光ったかと思うと腕が吸い寄せられる様にくっつく。2、3度腕を振り、手をグーパーと閉じて開いて確認すると、何事もなかったかの様に再び話しだした。