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川越流警備術究極奥義

俺はおもむろに立ち上がるとヘルメットを脱いだ…


「はっはは、やっと謝る気になったか」


「違う!」


「なにぃ?それでは何のつもりだ?この状態でヘルメットを脱ぐなぞ、自殺行為に他ならないモー」


俺は黙って、ヘルメットを両手で持つと立ったままの状態で後ろに仰け反り弓なりの体勢になった…


力を溜めたあと、前転して起き上がる力を、遠心力を込めて投げる!叫ぶ!


「川越流警備術奥義!飛燕ッ」


叫び声と共にヘルメットは飛んで行き砂ぼこりを切り裂くっ!


「飛べ!唸れ!燕よ!」


「グゥ…」「キン!」短いうめき声と金属音が聞こえた後、砂ぼこりが止み松牛が姿を見せる…


「フゥモー危ない危ない、もう少しで直撃するところだったモー…だが残念だったな、お前のヘルメットは俺の腹を少し切っただけで検討違いの方に飛んで行ったモー」


「ああ…だが、これでいい」


「フモー?諦めたと言うことかモー?フッフッでは遠慮なく止めをささせてもらうモー」


再び、ザアザアと足を高速でうごかし牛砂嵐を仕掛けてくる松牛…


砂煙が立ち上り、周りの視界を遮る…マウンドの周りに砂の煙が満ちる


「よし、これだけやれば充分だろモー」


「とどめだモー!」


「よーいちー正面じゃ!」


「大丈夫だ…見えてる!」


「え?」


ここだ!バットを水平に持ち変えて、グリップエンド側を右手に持ち先にして、ヘッド側が後ろになる様にして左手を添える。


「まさか?牙○?」タンサが叫ぶ!


「違う○突ではない!」俺が答える!


「川越流警備術究極奥義!オルタネイトブレイック!」





スピードアクセスDTによって、ビリヤードの玉の様に

突き、捉えられたボールは真っ直ぐに風を切り裂きながら飛んでいく、そして…バンッと言う音が響く。


「な、なせだブモおおおおおぉぉぉぉ」


と言う雄叫びとドスンと言う音が砂煙の中から聞こえた…


砂煙が晴れた後には腹を押さえて横たわる松牛がいた。


「ふぅ」俺はホームベースを一周すると監督の前に行った。


「これでランニングホームランだな」


「あ、ああ…」


「では、失礼する」


俺は監督にお辞儀をしてから、マウンドに横たわっている松牛に近づいた。


松牛はまだ意識が有るのか、薄目を開けて俺の方を見て質問した。


「な、なぜ?俺の球が見えた…俺の牛砂嵐は完璧だったはずだモ…いつもより、多目に砂を巻き上げたはずなのに」


「フッそれだ」


「どういうことだモー?」


「おかしいと思わなかったか?なぜ?何故いつもより砂を多目に巻き上げた?」


「それは…何か最後だけ、砂煙の立ち方が鈍かったから、ちょうど、お前がヘルメットを投げたあと…って、まさか?」


「そう、あの技はお前を狙った物じゃない」


「で、では何を?」


「あれだ…」そうやって俺が指差した先にはスプリンクラーが回っていた。


「な、なにモー、最初からあれを狙っていたのか…」


「ああ、そうだ」


「フッ勝てないワケダモ…俺は周りが、周りを見てなかッた…自分の事ばかり見て、いや自分の事すらも砂で隠して、何も見ようとしてなかった。だから…」


松牛は右手で顔を目を隠して泣いていた…顔は砂にまみれていて表情は見えなかったが、涙で出来た跡だけは隠せなかった。


「フッそれに気づいただけでも大したもんだ!

俺たちは、まだ何度でもやり直せる…だって高校生なんだからな」


「ああ…ああ」松牛は何度もそう言って泣いていた

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