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一面

数多の妖怪たちが跋扈する幻想郷は、もう何度目かも判らない緑の季節を迎えた。個の色彩を持った花や木さえも、常緑の者たちに巻きこまれた。日は容赦してくれているようだ。妖怪も人間も、胸を弾ませ話を弾ませ外へと繰り出して行っている。


誰かが言った。「どうしてこんな温いのかしら」それは自然の象徴である妖精の言葉だった。自然に生まれ自然に生きる彼女たちだからこそ、微妙なその変化にも気づいたのだ。


とはいえ、殆どの妖精たちには、例えそれが異変だとしてもどうする事も出来ない。ただ自然に生きるだけだ。


いつも通りの緑に混じる場違いな彩りは気付かれず、その真意が明かされることもなかった。


ーーーーーーーー 1 ーーーーーーーーー


「博麗の巫女 今晩に 魔法の森 前に来たり」矢で貫かれつつ届いた文である。神社の暢気な巫女、博麗霊夢は多くの意味で、この文に困惑していた。来たりじゃなく来られたし、じゃないのかしらとか、そんなことだ。何処かの悪妖怪の仕業だろうと高を括り。


けれど霊夢はこの文の持つ意味に主観的に辿り着いた。ーこの文は私の留守の間に、この神社付近からわざわざ放たれた。文が軽傷で済んでいるのが証拠だ。つまり送り主は、いつでも私を襲える状況下ということ?


光は地球という星を幾周もするらしい。ただし、今の霊夢はそんなものを既に超越していた。少しの怒りと好奇心で、どうやら彼女は光を超える速さを持てるようだ。


今は妖しい夜。当然といえば当然なのだろうか。


霊夢 「上等よ!あんたなんて退治してやるわ!」


空にそれは響く。異変の無く休み続きだったその少女は、どこか楽しそうだった。


ーーーーーーーーー 2 ーーーーーーーー


魔を感じながら住処付近を、普通の魔法使いは散歩していた。なんという訳もない、歩きたくなったから歩いている。夜風に当たり飄々としていると、「んっ?」と無意識に発していた。


霧雨魔理沙は今ならなんでも切り裂いてしまいそうな鋭い風が、炙られ死ぬ寸前の様に嫌に温もった物と化していたのに気づいたのだ。だがそれは右半身だけ、その不吉な温もりは人工的なもののようだ。


森の出口を木々を見透かし見てみる。何処か幽かに、木枝に留まる人の様な鳥の様なシルエットが見えた。不思議なのは、それが影でないことなのだが。興味を持った彼女は誰にも止められない。


ーひょっとしたら、怪鳥か?想像は膨らむばかりだ。恍惚とした自分を眺める、魔法使いや妖精が敵となり立ちふさがろうとも、何が起ころうとも全て薙ぎ払える様な気がした。


ーーーーーーーー 3 ーーーーーーーーー


妖精の界隈では温い今の夏について、討論が絶えなかった。暑いのはいつもの事だ。だが妖精の反応と人と妖の反応が明らかに違う。それに、いくら氷精が場を冷やしても、すぐさま温さは帰ってくる。ただでさえ過ごしにくいのに、彼女は怠さを通り越して怒りを覚えてしまっていた。


だから彼女は宣言したのだ。一人の妖精に向けて。

チルノ 「あたいがこの暑い靄を消して見せるわ!」

スターサファイア「私はそれを聞いてどうすればいいの」

チルノ「あんたは人の位置がわかるんでしょ。不自然な奴はいないの?」

スターサファイア「んー、そんな遠くのことは知らないけど....」


妖精が教えてくれた情報と持論を頼りに、彼女は冷気を撒き散らし飛んだ。終始渋り顔だった妖精も、気をつけるのよというような顔をした。


氷精、チルノ。彼女は強い正義感を持ち、彼女たちにとっての熱帯夜を飛んでいた。ーこんな事したって、妖精にはお見通しなのよ!そんな、限りなさそうな自信も持って。


ーーーーーーーーー 4 ーーーーーーーー


式神の式神が涼風と共に遊ぶ姿には目もくれず、八雲紫は外を視つめていた。紫の瞳の奥には、新たな生命を見せる夜の葉桜でもなくこの郷に漂う妖怪たちの想いでもなく、幻想郷を覆い守る博麗大結界が映っていた。


藍「紫様。何処かを、視てらっしゃるのですか」

式神は主にそう問いた。

紫「藍、違和感ないかしら。いつも結界の管理をしてる貴方なら..」

藍「結界?ざっとですが、特に変わりないような」

紫「それは表面上の話ね。いい?結界には内と外の二層があると仮定するわ」

藍「は、はい」

突如語り出す奔放な主を理解しようと努力しつつ、式神はそれを聞いた。


紫「今の結界は言うなれば、外が変わらず硬く、内が脆くなっている。外が破壊されればそんな結界は、壊れてしまう。」

藍「結界の、内側が脆い?そんなことが出来るのですか?それに、外の結界の強度だって、伊達ではありません。そうそう壊れるなんてことはないと思いますが」

紫は再び遠くを、結界を視た。そして呟いた。ーあの子なら、ね。


式神にはそれは聴こえなかった。また景色を見だした主を心残りにし、結界へ急いでいった。 賢者・八雲紫は、異変など関係ない、旧友と会うために夜へ紛れていく事にした。たとえその道のりが、細く複雑で曲がりくねっていたとしても。

[1面 涼夜の陽炎〜prologue of prologue]


<博麗霊夢> 喜怒哀楽で連鎖する巫女さん



霊夢「夏なのに、本当涼しいわ」

霊夢「涼しいのに、こんな処に呼び出されて

   」

霊夢「出てきたら殴る……」


モマ「えぇ、殴られちゃうの〜?」


霊夢「退治するって言ったのよ。それじゃさ

   ようなら」


モマ「まってぇよ。用事あるから呼び出した

   んだよ、博麗さぁん」


霊夢「おだててる気?」


モマ「まぁ、もしもの話として、聴いて欲し

   いんだけど〜」

モマ「この幻想郷が、消えて再び強くなって

   再生する。そんな1つの物語、どう思

   う?」


霊夢「それは本気なの、冗談なの」

霊夢「本気なら、退治する。冗談なら、退治

   する」

霊夢「さあ、どっちなの」


モマ「さっきモマは物語って言ったけど、そ

   れが本当とは限らないよね〜」

モマ「モマにも、よ〜く判んないっ!」


霊夢「そ、じゃ退治すればはっきりするわね

   」



  〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜



モマ「あれぇ、ぼーっとしてたらやられちゃ

   ったぁ」


霊夢「犯人のくせに弱いのね」


モマ「弱くて悪かったよ〜。でも、巫女さん

   は反対なんだねぇ〜」


霊夢「当たり前よ。まだ何か企んでるの?」


モマ「いい事教えたげる。此の先をずぅっと

   飛んでくと、里があるの」


霊夢「……? そうだったかしら」


モマ「いつもは透明だからね〜。でも今は見

   えるはず。そこに真の異変の主犯格が

   いるんだよ〜」

霊夢「真の異変? というか、そういう大事

   そうなことさらっと教えてくれるの

   ね」


モマ「だって負けちゃったもんだ〜」


霊夢「ああ、そう。一応行ってみるわ。(子

   供か……)」


********************


<霧雨魔理沙> 努力と好奇心の白黒魔術師



魔理沙「まったく、夜だからかなんだか知ら

    ないが」

魔理沙「彼奴らの攻撃は激しいな。とはいっ

    ても」

魔理沙「あの影? の正体は、拝めそうだ

    ぜ」


モマ「我を、崇めよ讃えよぉ〜」


魔理沙「ははー、有難や有難や」


モマ「モマを奉ってくれる貴方は、だ〜

   れ?」


魔理沙「私は魔法が使えるぜ。こんな時間に

    木に止まったりなんかして、鳥の真

    似事か?」


モマ「モマはモマだよ。知らない?」


魔理沙「その辺の事は、私ゃ疎くてねぇ」


モマ「待ち合わせてるの、お家に帰ってくれ

   るかな〜」


魔理沙「気になった物はとことん追求するタ

    イプだぜ」


モマ「知らない方がいいことも世の中ある

   よ〜」


魔理沙「いらない知識なんて無いぜ」


モマ「其れを証明できるかなぁ〜」



  〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜



魔理沙「さ、QEDだ。よく判ったか?」


モマ「貴方、所詮魔法を齧った人間だと思っ

   てたのに」

モマ「意外と強いじゃん〜。貴方もしかした

   ら、合格かな?」


魔理沙「何の事だ?」


モマ「先をずっと行くと里があるんだけど、

   そこで起きてる問題を解決してくれな

   いかなぁと」


魔理沙「勿論いいぜ。お前を追い掛けた甲斐

    があるってもんだ」


モマ「もう待つ意味もないかな〜」

モマ「モマ帰るから、吉報を待ってるよ」


魔理沙「任せとけ、私に解決できない異変は

    ないぜ」


********************


<チルノ> 自信過剰な氷を飛ばす妖精



チルノ「あの妖精によると」

チルノ「確かこの辺りのはずよね、怪しい気

    配は」

チルノ「誰かいるなら、出て来なさい! こ

    のチルノ様が成敗してやるわ」


モマ「ん? 只の氷精如きが、何でこんな処

   に居るのかな〜」


チルノ「そう、あんたには手強い、氷精よ」


モマ「生意気〜、融かしてあげよっか」


チルノ「あたいに勝てるわけないでしょ」

チルノ「あんたこそ、凍らせてやる!」


モマ「本当、妖精って馬鹿だなぁ〜」

モマ「さっさと片付けてあげる」



  〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜



モマ「そんなぁ〜、モマが、氷精なんかに負

   けるなんて」


チルノ「妖精を見くびらない方が良いって、

    判ったかしら」


モマ「むぅん、モマが氷精なんかに。妖精何

   かにぃ」


チルノ「いつまで言ってるの。あたい

    は聞きたいことがあるのに」


モマ「何よ、氷精」


チルノ「あの妖精が感じた気配は、あんただ

    けじゃない。もっと大きな何かがあ

    るの」


モマ「ん〜。あぁ、あの里の事かな」


チルノ「あの里?」


モマ「はぁ〜」


チルノ「あたいが勝ったんだよ、言う事には

    きっちんと従ってもらわないと」


モマ「ううん、先にずっと行ってみれば里が

   あるよ」

モマ「行きたいなら行けばぁ〜」


チルノ「溜息ばっかで、疲れるわ」

チルノ「暑いのを解決しに来たのに、モヤモ

    ヤしたままじゃない」

チルノ「これは、その里に行かない理由がな

    くなったわね!」


********************


<八雲紫> 妖しい純愛の賢者



紫「妖しいわね……」

紫「夜は元から妖しいけれど、今夜は特に」

紫「何か大きな野望でも動いているのでしょ

  うね」

紫「やだぁ、わくわくしてきちゃうわ」


モマ「そこそこの歳月生きてきたつもりだけ

   ど」

モマ「こんな変人初めて見たなぁ〜」


紫「あら、ありがとう」


モマ「ははぁ、やっぱり変」


紫「それはそうと、貴方。何処か温かい感じ

  がするのだけど」

紫「貴方発祥なのかしら」


モマ「あれ? 今は出してないのに。勘の良

   い事だねぇ〜」


紫「今年の夏は涼しいのに、こんな害悪があ

  るなんて」

紫「何時の夏も、虫の駆除は必要なのねぇ」


モマ「がぁっ、害悪っ?」

モマ「そんな熱を振りまいてないんだから、

   迷惑してないでしょ!」


紫「さて、駆除駆除、と」


モマ「あんた、モマを見て判んないの!?」

モマ「モマは虫じゃなく、動物だい!」



  〜〜〜〜〜少女弾幕遊戯中〜〜〜〜〜



紫「ふー、楽しい労働っていうのも、あるの

  ね」


モマ「ろうどう....?」

モマ「笑顔で潰してきたのは誰だよぉ〜」


紫「まったく、本当に虫やら何やら増えてき

  たから」

紫「異変も起こるのかしら」


モマ「!」

モマ「貴方、もしかして知ってるの....」


紫「教えて貰わなくて結構よ。私は私で、目

  的地を目指すから」


モマ「本当に、変な人〜」


紫「ええ、じゃあ、さようなら。それと、揚

  げ足をとるようだけど」

紫「私は人じゃなく、妖怪よ」


********************


次面[2面 相対世界への渡守〜God of life

               and death]

<オリキャラ紹介>

火影モマ(ほかげ もま)


・熱を扱う程度の能力

・妖獣

・小柄

・赤茶色のセミロング

・全体を覆うマント

・裾の広がったノースリーブワンピース

・明るく自由奔放


[ 読んでいただきありがとうございます。まだまだ連載していくつもりなので、

興味があったら覗いてみてください]

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