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「……フィーネ・サーペンス嬢。貴女のことは色々と調べさせていただきました」


しばらく無言だった王子が口を開いたのは、どこかの探偵や刑事がいうような言葉だった。

そして何を今更、とも思う。

公私共に傍に就き身を守る護衛騎士が身元不明の妖しい人間だったら困るだろう。


「貴女にどんな事情があれど、護衛騎士として王城に入れば貴女に自由はない。結婚だってそう簡単には出来ないでしょう。貴方は国のためにそういった幸福を棄てるのです」


「存じております。4つの時に兄が死に、それより王家にこの身を捧げる為に生きてまいりました。生意気を言うようですが、ご無礼をお許しください。私にとっての幸福は、女として結婚することではございません。それも一種の幸せといえましょうが、それだけの為に生きるのではありません。父が、兄が笑っていれば胸が温かくなる。これも幸福でしょう。

勅令とはいえ私は父と兄に沢山の愛を貰い、今日まで剣を習いました。厳しさは私の心身を守るため。そんな愛を頂いて、どうして不幸と言えましょう。」


「なるほど、なら貴女は護衛騎士の勅令を受けたことで家族の会いを感じたから幸福だと、そういうことですね?」


「そうです。私は戦いに勝利するたび、彼らの愛を感じることでしょう。それだけで十分なのです」


大人の騎士と張り合えるようになった。

もし私の人生がシスティアのシナリオ通りに進んでしまうのなら、私はいずれ破滅する。

マルビス兄様が護衛騎士として存在しなくて、悪役として登場していた私が王子の護衛騎士になっている時点でシナリオがどうなっているのかはわからないけれど。


「ふーん…、僕の護衛騎士が女になるって聞いてどんな奴かと思ってたけど…、へぇ、お手軽な女だな」


綺麗な顔で綺麗に微笑んでたかと思えばいきなりディスられた。

いや王子がそんな性悪みたいなこというわけなくない?ツンドラ王子は別に口悪くののしってきたとかそういうことは全然なかったし、むしろ丁寧な口調で寄せ付けない絶対零度な対応だった。


「どうせもうすぐ学園に通うことになって、あんたはその間だってドレスを着てめかしこんで、貴族子息令嬢と魔術科に行くんだろう?戦いで勝つことが幸せ?口先だけで戦いを語るな。剣を持ったところで、あんたは俺の唯一無二の護衛騎士にはなれないだろ」


激情のまま





あと2年の訓練。

サーペンスの末の娘は4歳の時から社交の場に出ない故にその存在はあまり知られていない。


着飾った悪役令嬢ではない私という存在はシナリオに何処にもない、それこそ異質なものだ。

けれど自分の破滅を知っていて態々ヒロインをいじめ倒す気にもならない。


ならばやる事は1つ。

システィアのシナリオに登場していたお兄様のように職務通りに王子を護り、静観する。


そうすれば登場人物に穴を開けることにはなるがゼロス王子の後ろに控えるモブくらいにはなれるだろうか。


私が知っている世界で、私が知らないシナリオが進む。

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