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好きなことを好きなように書けばいいと思うよ

作者: HNAK-XR

ボクは夜想曲を嗜む人間なのでついったでの交流もその界隈が多いんだけど、たまになろう作者さんのツイートが流れてくるといたたまれない気持ちになる事がある。

なんていうか「書くのが辛いよ」って言ってる人が多いっていうか、創作の本質を見失っちゃってるなぁ……って人が多いなぁ、って。いやまあ、夜想曲界隈にもたくさんいらっしゃるんだけどさ。


んで、その原因の一つが書籍化に伴うポイント至上主義で、これに対してボクは厳しいスタンスというか呆れて物も言えないタイプ。

というかホント、書籍化っていう餌を目の前にちらつかせられて盲目的にそれを目指してる人が多いこと多いこと。

そして知っての通りポイントはその一つの指標になっていて、しかも厄介なことにそれを稼ぐための手法みたいのもある程度確立されてしまっている。


ただね、本来書籍化ってのは面白いからなされるのであってポイントがあるからなされるものじゃないんだよ。


そこを作者も編集も履き違えてるせいでちぃっとも面白くないのがドカドカ書籍化して自分で自分の首を締めている、ってのがボクの所感。

大体そもそも、本気で書籍化を目指してそこに戦略と焦点を当てて死に物狂いで努力して面白いのが書けるのであれば、新人賞に応募するのが最短距離のはずなんだよ。

それをせずにポイントばっかり目指して、面白さの本質から目を背けるからよくわからないスパイラルに陥っていく。

朝昼晩とバカみたいに短い文字数で区切って投稿し、いかにポイントを稼ぐかに腐心するくらいなら、どうすれば面白くなるのかに時間を割いて一つの作品を丁寧に作って十万字の中で起伏を作る努力をするほうがよっぽど有意義だと思うよボクは。



閑話休題。



で、ポイント至上主義に陥ってしまうもう一つのタイプが「ポイントが無いと読んでくれる人がいないよ。だからポイントを取らなきゃいけないんだよ」ってやつ。

実はこっちのほうが深刻と言えば深刻で、書籍化云々の方は努力の方向音痴で済むからそれでいいんだけど、これは割合にネックになってくる。

夜想曲ならまだ性癖にピンポイントヒットさえすればスコップしてもらえるけど、いかんせんなろうは全体数が多いしね。


これに対するボクの意見としては「〝そもそもなんでなろうに投稿してんの?〟ってのをもう一回考えてみたら?」っていうことになる。


さっきも言ったけど、「書籍化を目指す=プロを目指す」ならなろうにこだわる必要はなくて、むしろさっさと新人賞に応募しなさいよって話。

でもそうじゃない人はなんでなろうに投稿してんのってなったら、多分お話を考えたり作ったりするのが好きで、それを文字に書き起こしてみたのを誰かに読んでもらいたくて、なんじゃない?

要は趣味。高校生で言ったら部活のようなもん。

今、そういったものを投稿できる場所はすごく開かれた。なろう以外の投稿サイトでもいいし、個人ブログでもいいし。

そして、そのどれか一つのサイトででもPVが一つでもいいからついたとする。


これね、実は相当凄いことだよ。


ボクが中高生の頃は個人サイト全盛期みたいなもんだったけど、そこでカウンター一つ回すのにどんなけ努力しなきゃいけなかったか。

ましてブックマークが一つつくってとんでもないことだよ。

少なくともブクマしてくれた人は、書籍で言うなら〝手にとって購入する〟くらいの事をやってくれたわけなんだから。

おまけにTwitterとかのSNSなんかで宣伝も簡単にできる時代。「ブクマしてもらえる=手にとってもらえる」確率は物凄く増えた。

だから今、ボクらは多少はPVがあるのは当たり前になってしまったし、あわよくばブクマしてもらえることも十分ありえることになった。

でも忘れちゃいけない。本来それはすごく難しいことで、一つでもついたら大勝利の代物なんだって事を。

なんせ趣味の代物だからね。読んでくれる人が一人でもいたってだけで泣いて喜ぶくらい嬉しいことなんだよ。

ボクも初めてブクマがついた時、嬉しくて何度も何度も見返したからね。深夜だったから更新ボタンを押しても幸い減りはしなかったし(笑


ところが、だ。

これくらい簡単に読んでもらえるようになった悲しい弊害として、感想欄で暴言を吐かれたりイジメられたりってことが起きるようになってしまった。

これはね、特に若い人ほど凹むんだろうなって思う。

ボクなんかはリアルでボロクソ言われることに慣れてしまったので面と向かって怒鳴られないだけネットの世界は全然マシ、なんて思ってしまうけど、特になろうは十代の人も多いだろうしね。

夜想曲を奏でられる人でも凹んで「書くのが辛い」ってなるくらいだから、これは本当に悲しい弊害だと思う。

ただまあ、そこはやっぱり原点に立ち返ればいいんだと思うよ。


書きたいモノ書いて何が悪いんじゃー! って。

あるいは、オレが面白いと思ってんだから面白いんだバカヤロー! って。


趣味の創作の世界で他人の評価に振り回されるってことほど愚かな事は無いでしょ。

(こうしたらもっとよくなるんじゃない? って言われて、確かに! って思えば次に活かせばいいのであって、無視しろって言ってるわけじゃないよ。必要以上に気にしすぎることは無いよねって話ね)


だいたい、中高生はこれから経験してくと思うけど、ぶっちゃけリアルの世界なんて「ふざけんなコンニャロー!」ってな出来事ばっかなクセに面と向かってそれを言ったらもっと面倒なことになるから「すみませんでした」って言うしかないことばっかなんですよ。

ホント「お前が面白くない、気に入らないってだけならまたしも、その日たまたま機嫌が悪かったってだけで少し前に『それでいい』って言ってた案件ボロクソ言ってんじゃねーぞコンニャロウ!」ってことばっかり。

でも「すみません」って言うしかない。

それとおんなじくらい理不尽なことを、なんでネットで、しかも趣味で投稿してるもんで言われなきゃならんのだ、っていう(笑

(念の為言っとくけど、「理不尽なこと」ってのは批判的な意見って意味じゃないよ。誹謗中傷のたぐいだよ)


だから、好きなことを好きなように書けばいいと思うよ。

頭の中に思い浮かんだ設定とか、台詞とか、シチュエーションとかを形にするの、すごく面白いしワクワクするじゃない。

通学中、通勤中、運転中、暇な授業とか会議中、妄想膨らませるの楽しいじゃない。そのシーンを切り取りたくてそわそわするじゃない。


そのワクワクをそのまま書けばいいんだよ。


作者が楽しんで書いてるものは読者に伝わるし、そのうち読んでくれる人も出てくるし、上手くもなるし繋がりもできるし。

そして不思議なことに、ついったでエゴサーチなんかすると「ここにこだわったんだ」っていうのを見抜いてくれる人が現れる。

そこまで読んでくれてたんだ、って人も現れる。そこは次の課題にしようと思ってたんだよね、って部分を指摘してくれてる人も現れる。

そして何より、これ以上の物語は書けない! って思ってた自分の限界をあっさり越えてる自分が必ず現れる。

それくらい創作って、物語を紡ぐってすごく面白いことなんだから。せっかく気軽に投稿できる時代になったんだから。

ポイントとか誹謗中傷に振り回されずに自分が信じる面白い話を書いてほしいなぁ、なんて。

TLを見ていて切ない気分になったおじさんは思うのでした。




10/29 誤字修正

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― 新着の感想 ―
[良い点] 書くことを純粋に楽しめばいいということがよく伝わる作品で、心が温かくなりました。ありがとうございます。 [一言] 理不尽なことを言われて謝らなくてはならない場面、多いですね……。共感できま…
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