席替え
私のクラスはすごくにぎやかだ
話しを聞いているだけで笑いが出てくるような楽しいクラス
そんなクラスに似合わない人がひとり、クラスに到着した
教室のドアを開け誰とも会話をすることなく自分の席に着く
クラスのみんなもそうだ
まるで私は空気のように扱われている
私の席は窓側の後ろから2番目の席、人と関わらないようにしているのでこの席は結構気に入っている
今日の授業の用意をし終え、読書をしているとチャイムが鳴った
チャイムがなりみんなが席に着く
藤田先生がやってきた
「おはよう、今日の1時間目自習なので席替えをしたいと思います」
藤田先生は唐突に言った
やったー、と喜ぶ人もいれば、えー、と嫌がる人もいた
私はこの席気に入っていたのになぁ、と少し残念に思う
「おーい、呉羽~お前の番だぞ、早くくじを引け~」
ボーっと空を眺めていたら私の番まで回ってきていたようだ
私は席が変わらないことを祈りくじを引いた
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今の席の後ろの席だった
たぶん今のくじ引きで自分の運を使い果たしたと思う
早速、席を移動した
隣には誰が来るのだろう、静かな人がいいな、私に関心がない人がいい、など考えていると
「席隣になるのは初めてだね、よろしく」
と風間頼が話しかけてきた