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7年後

それから私は土曜日が怖くなった

土曜日に見た夢を誰にも話さなくなった

土曜日の夢だけではなく誰とも口を利かなくなった、利けなくなった

医者は事故のショックで声が一時的に出なくなってしまったのだと言った

お母さんとお父さんは後悔しているようだった

お母さんは自分が遊園地に行こうなんて言わなければ、と

お父さんは自分がしっかり前を向いて運転していれば、と

お姉ちゃんはまだ目を覚まさない

私は感情がなくなってしまったかのように泣きじゃくるお母さんと自分を責めているお父さんを眺めていた。



それから7年がたった今、私は中学3年になった

友達という存在はあの事故以来いたのだろうか。

口を利かない、利くことができない私は仲間外れにされていたのだろう

ごく稀に話しかけてくる人もいたが最近はいない

まぁそれは自分がそうさせているのだからしかたないと思う

「呉羽~もう学校に行く時間よ~」

あ、もうそんな時間になってしまったのか

制服に着替え、朝食を軽くすませた私は家を出た

家を出る前にベルを鳴らす、それが私にとっての「行ってきます」の合図だった

「行ってらっしゃい、車に気をつけるのよ」

私は学校に向かった


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