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ミドルフェイズ4 黒い記憶と本の御子

**********



マスターシーン3:書庫の記憶3


「博士!! 博士ー!!! しっかりしてください!! 辛いのはわかりますが………貴方がそうであってはならないのです!!」

あの悪夢の日から三日経った。私は今も崩落した瓦礫の側で、ただ絶望に打ちひしがれていた。


…………この瓦礫の下には、長年の研究成果が、共に研鑽し、同じ飯を食らった同胞が、……愛を誓い合った妻が……。

日暮れの都市を他種族連合による軍勢が襲い、街は瞬く間に火炎と混乱の渦へ。


我らアルヴも高度な兵器で対応したのだが…………人海戦術と物量に任せた応酬には耐えられなかった。

私の、私の書庫は真っ先にターゲットにされてしまった。私の、私の……。


「……博士。私たちは、生きているんです。生きているからこそ、出来ることをするしかないんです。」

「…………冷たいように聞こえますが、それしか、ないんです……」

いつしか、助手まで泣き崩れてしまった。ああ、君まで泣かせるつもりはなかったのに。


…………


……そうだ、出来ることをするしかないのだ。私たちにも出来ること、それは書庫をまた作り上げることだ。


あの野蛮な奴らに我らの高度な技術を使われるくらいならば。この世から葬り去ってやる。

集めて集めて、集めつくして、地の底に……!!


「……助手。こんな私でよければ、もう一度手伝ってくれるか?」

「博士!!」再び満面の笑みを私に向ける彼女に、真意を打ち明けることなんて、できなかった。



**********



コハル:「それが、この場所……」

迅雷:「こういう事があったから、ここができた…んですねー」

鏑:「…こん膨大な量ば、集めなおした、のか…」

あるかり★:「『私は主を救うことができなかった。ならば、せめて書と共に眠りにつかせてあげたかった。』…。」手元の讃美歌の書をめくりながら

コハル:「そういう、ことなのかな?」あるかりのほうを見て


あるかり★:「…まだ、なんとも。それに」

あるかり★:「ここで書庫は終わりじゃないですしね」

鏑:「…俺たぁは、戦争なんて経験したこつねぇけど…これは、な…」眉間に皺を作り、考え込む。どちらが悪い、ということではないのだろう。アルヴも、他の種族も。


GM:ふと。鏑の持っている人形が、かすかに震えます

???:「……ん……んん…。」

迅雷:「ん、まだ奥ありますし。そっちも…え?」なにいw

コハル:「!? 鏑! その人形!!」

鏑:「…うぇ!?」ビクッとするが何とか落とさない。


???:静かに、目を開けます。状況がわかりかねず、未だ寝ぼけ眼

あるかり★:「ふぇっ…?」

???:「……君たち、だあれ?」

コハル:「え、えっと……?」


鏑:えーと、とりあえずこの状況、多分凝視して名前とタグが見えるなら確認すると思います

GM:はーい。[人造][物品][精霊][魔具]ですね

あるかり★:「そちら、…こそ?」


???:「わたし? ……え、知らないの?」

迅雷:「えーっと…知らないですよう」

あるかり★:「しりませんわん」ドヤァ

鏑:「…モンスターのたぐ…いにしちゃぁ敵意ば無さすぎ、ばい…」ジロジロ

コハル:「って、そんなジロジロみたら失礼? でしょ」>鏑さん

???:「私はこの書庫に纏わる中でも、随一を誇る知識量を誇る妖精!」喋ることに、テンションが少しずつあがります


ノミコ:「その名もノミコよ! 禁書の精霊、ノミコ!」

コハル:「ノミコっていうんだね、よろしくー」

迅雷:「えーっと……よろしくお願いしますー?」

鏑:「(…ヘンなモン拾っちまった…) いや、でもよぉ…」と困惑の表情

ノミコ:「……ってあれ?私の本は!?」


ノミコ:「あ、そこのちみっこ! 本を返しなさいよー!」

コハル:「ん……? もしかして、この本のこと?」

ノミコ:「それは私のヨリシロみたいなものなんだから!」

コハル:「ってちょっとまてーい!! ちみっことはなんだちみっことはーーー!!!」

ノミコ:「なーにさ!ちみっこにちみっこって言って何が悪い!」


鏑:「…なんか、元気すぎるちゅうか、なぁ…」と困った表情であるかりを見る

迅雷:「そこツッコんでたら話進まないですよう!」w


コハル:「そもそも、身長的にはあんたのほうがちっちゃいでしょうがー!!」

ノミコ:「ハン! 妖精はフリーサイズなんですー」とひとしきり口喧嘩

あるかり★:「どーどーどー。それで、こんなところでノミコさんはなにをしてたんですわん?」

ノミコ:「……て、そういえばあの黒いモジャモジャは?」

ノミコ:「……そうだ! 主を止めないと!」


鏑:「コイツ、人ん話聞かんばい…」苦笑

コハル:「ん? 主?」

あるかり★:「襲われたから、私たちが倒したわん」

ノミコ:「わぁ、見た目よりもずっと強いんだね、君たち……」

迅雷:「そりゃあもう!」えへん?w(

鏑:「まァ、〈冒険者〉だからなァ…」


コハル:「やっとわかったの? それじゃあ早くさっきの発言を訂正しなさい。ほらっ」

ノミコ:「あ……ごめんなさい」素直にペコリ

コハル:「うん、素直でよろしい」満足そう

ノミコ:「えへへー。素直でしょー」満面の笑顔で


ノミコ:(単純な頭なので、一つのことにしか頭が行きません……w

コハル:(はーい

あるかり★:この精だめじゃんww

鏑:wwww


迅雷:「って、それよりも、その主ってどういう…?」話を戻してみようかw

ノミコ:「……ってそうそう!主が大変なの!」

あるかり★:「おちついて話してごらんなさい。強ーい私たちならなんとかできるかもしれないわん」


ノミコ:「主がね、執務室に閉じこもったまま出てこなくなっちゃたの!」

鏑:「まずはー…。主…ってァ、誰ん事ぞ?」

ノミコ:「主は……主だよ? ここの主、凄い人なの!」えっへん


あるかり★:「それはまた、何があったの?」

迅雷:「そんなすごい人が出てこなくなったとかってー、確かに大変そうですよう」

鏑:「(…ヒッキー?)」

ノミコ:「突然書庫が真っ暗になったと思ったら、色んな場所の扉が閉まっちゃったの!」

鏑:「…ほォか」コッチから質問するのは諦めた顔


ノミコ:「そしたら急に眠くなって……気がついたらここってわけ!」

コハル:「それはそれは……、お疲れ様?」

あるかり★:「…書庫が真っ暗になったのと、主さんが閉じこもったのは関係があるの?」

ノミコ:「……? 多分だけど関係あると思う。最近変だったからさー」


ノミコ:「……あ!そうだ!私ってばいいこと思いついちゃったー♪」


迅雷:「いいことってどんなことーですー?」

コハル:「……一応聞いてあげる、何?」いやーな予感がひしひしw

鏑:「…一気に話かけェとまた混乱すんぞ…」

あるかり★:「あ、つづけて?」


ノミコ:「えっと! そう、いいこと! ね、あたしのお手伝いしてくれない?」

鏑:「…」人形持ったまますごく嫌そうな顔

コハル:「お手伝いって、何をすればいいの?」

ノミコ:「私と一緒に執務室に行って、主の変な気持ちをしずめないと!」

コハル:「(あとちょっとだからがんばって!)」と目線でコールw


ノミコ:「このままだと、多分大変なことが起きちゃう!」

迅雷:「多分、って言われてもー…どんな大変な事がおこるんだか…」

鏑:「…(引きこもり…変な気持ち…二次元に恋でもしちょぉんじゃねぇの)」思考が現実のほうに寄ってしまった

コハル:「ふんふん、大変なことってどんなことか分かる?」

ノミコ:「んーと。んーと……あれ?」


ノミコ:「思い出せない……なんで?」

あるかり★:「なるほどなー」

ノミコ:うーー! と頭を抱えて、しばらくした後にひらめいた顔

ノミコ:「……そうだ!何か本とか無いかな?」

鏑:「…(コイツば言うちょぉこつ、ぜんっぜんわからん…)」


コハル:「本……? これとか?」持ってたのを差し出す

あるかり★:「なんの?」

鏑:「本? さっき言うちょったおまァの寄り代のこつか?」

迅雷:「本って言ったら、この区画に来る前に拾ったのがありましたよね、それとか」

鏑:「あァ、そいもあったな」

あるかり★:「ていうかその辺中全部本っていうか…」


ノミコ:「あ! それでもいいよ!」(ちなみに、その寄り代の本は殆ど白紙でした

ノミコ:ノミコは本を一冊手に取ると、目をキランと輝かせます

ノミコ:すると、ヨリシロの本にその本の内容が移っていくではありませんか

ノミコ:「……インプット完了! へぇ、これは賛美歌の本だったんだ」


コハル:「え、え、ちょ!?」目の前の出来事に驚く

鏑:「うわぁ…すっげぇな。 …筆者師んスキルみてぇばい」

ノミコ:「……てあれ?この書き方、あの子に似てるような?」

ノミコ:「ちょっと他の本も借りるよー!」

ノミコ:賛美歌の本を手にとってはインプット、手にとってはインプットを繰り返します


迅雷:「どんどん複写されてってますねー、これー」

あるかり★:「でもこれ、便利」

ノミコ:「やっぱり。あの助手ちゃんの書いた本だったんだ……。そうだ」

鏑:「書き写すと内容も把握すんのな…」


ノミコ:「思い出したの。主はね、『六傾姫』が倒れちゃったから、新しい切り札を作るって行って」

ノミコ:「なんだか大掛かりな魔法を作りにいったきり、出てこないの……。 なんていったっけ。」



ノミコ:「『わーるど、ふらくしょん』?」


一同:!?



鏑:「…てこたァ…つまり“主”ば…博士、か」

コハル:「メモリースフィアに出てきていた、あの人たちかぁ……」

迅雷:「………なんか、超おおごとになってません?これ……」

あるかり★:「なってる…。わん。」

鏑:「…なっとォな…」


ノミコ:「そうそう。私の主はすごい魔法を作ってるんだよー!博士って呼ばれてたの!」えっへん

コハル:「へぇー……、あなたの主ってどんな人だったの?」

ノミコ:「私の主はね、すごい優しい人だったの。でも、あの日が起こってから、凄く寂しそう」


鏑:「…(“悪夢の日”、か…)」

ノミコ:「あの日はね、私も辛かった。知ってる人皆消えちゃって……」

コハル:「そっか、ごめんね。変なこと聞いちゃって……」

ノミコ:「ん。いいよ。本当のことだし」

ノミコ:「だから、すごい嫌な予感がするの。無茶をするんじゃないかって」

あるかり★:「じゃあ、博士の様子を見に行かないと」


鏑:「…そん“わーるどふらくしょん”たァ、…どんな魔法なんだ?」

迅雷:「まあ、心配になるのはわかりましたよう…」

ノミコ:「? えと、『世界を望むままに変える魔法』って聞いたよ?」

ノミコ:「そんなの無理に決まってる。私だってわかるよ!」


あるかり★:「!? めちゃ大事わん!」

迅雷:「……なんか予想以上っていうか、ありえなそうな事言われたんですけどー」(

鏑:「…ほォか」 間違ってる。世界を変える? そんなの。自分を変え、反響によって人ば変えんのが定石、だろう。魔法“如き”で、そんなの…。


コハル:「望むまま……かぁ。その主って人は、何を望んでいるのかな」

ノミコ:「わかんない。でも、どうにかして止めなきゃ!」

ノミコ:「それで、手伝ってくれる?」


コハル:「うん、そうだね」

鏑:「…そォだな。 一発ブン殴って目ェ醒まさせたろう」

迅雷:「そうですねー、これはちょっと手伝わないといけなそうな感じですよう!」

鏑:「…引きこもりにゃァ、きつい拳骨が一番の薬たい」 コイツのためなんかじゃない。自分が、ただ自分がその方法が嫌いなだけだ。

コハル:「(正直、自分に何ができるかはわからない。けど……!)」


ノミコ:パァ……!と明るい顔になります。「ありがとう!君たち優しいんだね!」

あるかり★:「少なくとも、様子は見に行かないと」

コハル:「ここでやらなかったら、きっと後悔するから」ぽつり、と


ノミコ:「それじゃあ執務室に向かって、レッツゴー!………あれ?」

あるかり★:「まさか…」

迅雷:「どうしたんですー?」

コハル:「行き方を、忘れた……?」

あるかり★:「執務室の場所がわからない?」

ノミコ:「ううん、執務室はわかるよ?」

ノミコ:「執務室の鍵、どこにいったんだっけ」

ノミコ:うーーー! と、再び頭を抱えます


コハル:「鍵……なくしたの?」はぁ、とため息交じりに

迅雷:「……まずは物探しからー、になるっぽいですよう…」


あるかり★:「うーん…扉ぶっとばしちゃったら…だめわん?」

鏑:「ソレが一番楽そうだな…」苦笑

ノミコ:「あの扉は凄い頑丈だっていってた! ドラゴンが百匹乗っても大丈夫って宣伝文句もあったし!」

迅雷:「なんか似たような事どっかで聞いた事ありますようそれー!」www


ノミコ:「……ごめん。そこから手伝ってくれる?」

鏑:「…ハァ…探すっきゃねぇんか…。仕方ねぇ…」

コハル:「まぁ、仕方ないか」ははっ、と笑って


GM:というわけで、珍妙な精霊に出会った四人はかぎ探しから始めるのでした……

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